明日の戦略-様子見相場で終日小動き、FOMC後の米グロース株の動向を注視

2020/09/16(水) 15:44
 16日の日経平均は小幅反発。終値は20円高の23475円。昨晩の米国株は上昇したが、終盤に失速したことが嫌気されて、寄り付きは小幅な下落。開始早々に安値をつけた後は下げ渋り、前場のうちに上昇に転じた。ただ、FOMCや日銀会合の結果発表を先に控える中、早々とこう着感が強まる展開。後場はプラス圏は維持したものの、節目の23500円より上は重く、小幅な上昇で取引を終えた。新興市場が資金の受け皿となっており、マザーズ指数は右肩上がりで2.5%高。終値ベースで年初来高値を更新した。東証1部の売買代金は概算で2兆1300億円。業種別では情報・通信や食料品、医薬品などが上昇している一方、海運やゴム製品、鉱業などが下落している。EC(電子商取引)サイトを通じて東南アジア市場へ進出することを発表したラオックスが、後場に一時ストップ高となるなど急騰。半面、あすから再開するIPOを前に、T&Sやモダリスなど直近IPO銘柄の多くが手じまい売りに押された。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1357/値下がり732。8月には自社株買いを行わなかったことを発表したソフトバンクGが今後の実施への期待から買いを集めて4%超の上昇。直近で売り込まれていたソフトバンク、KDDI、ドコモの大手キャリア3社に見直し買いが入った。グロース株の一角が強く、レーザーテックやエムスリーが急伸。マザーズではサンバイオが連日でストップ高となった。ほか、業績好調が改めて確認できたライフコーポレーションやケーヨーが大きく上昇した。一方、円高基調が強まる中、ホンダやSUBARUなど自動車株が軟調。米国で金融株が売られたことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が弱かった。3Q営業赤字のパーク24や、8月度の月次がさえなかった物語コーポレーションが大幅安。通期見通しの引き下げや減配、株主優待の休止などを発表したディア・ライフはストップ安比例配分となった。  きょうは典型的な様子見相場。下げて始まっても悲観に傾くことはなく、一方でプラス圏に浮上しても楽観ムードが強まることもなく、値幅もほとんど出なかった。あすはFOMCの結果を受けたマーケットの反応、特にアップルやテスラなど主力グロース株の動向が注目される。FRBが直近でインフレを容認する新指針を発表しているため、結果やパウエル議長の発言が米国の長期金利の上昇を招く可能性がある。それに対して米グロース株が神経質に反応してしまうようだと、この先もグロース全般の買いづらさが意識される。このところの日本株はアップルやテスラが急落しても比較的冷静に対応しており、グロース株を買えなくてもバリュー株を掘り下げるなどして全体としての底堅さは維持されるとみるが、グロース株が敬遠され続けると指数の上値は重くなるだろう。  一方、米グロース株の急落さえ回避できれば、足元の堅調相場の継続が期待できる。FRBが長期金利の上昇を抑えるよう上手に市場と対話し、グロース株の大幅高を呼び込むようなことができれば、楽観ムードが一気に高まる可能性が高い。円高進行には一定の警戒を払う必要はあるが、新興グロース企業などは為替の影響が軽微なものも多く、やや過熱感を伴いながらも強い基調が維持されるだろう。なお、日銀会合に関しては、このタイミングで政策変更があるとの見方は少ない。FOMC後の反応がネガティブであった場合はニュートラル、ポジティブであれば世界的な過剰流動性相場継続への期待から、強い勢いを後押しすると予想する。
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