明日の戦略-急失速も5日線は割り込まず、26000円台で値固めが進むかに注目

2020/11/30(月) 16:14
 30日の日経平均は5日ぶり大幅反落。終値は211円安の26433円。先週末の米国市場では、S&P500とナスダックが史上最高値を更新。これを受けて寄り付きは3桁の上昇となり、26800円台に乗せた。しかし、すぐに上値が重くなって急失速。前場では下げに転じたところでは押し目買いが入ったが、後場に入るとマイナス圏が定着した。13時過ぎあたりからは下に勢いがつき、下げ幅を3桁に拡大。節目の26500円を割り込み、200円を超える下落で取引を終えた。一方、マザーズ指数は後場に入って上げ幅を広げて高値圏で終えるなど、日経平均と対照的な動きを見せた。  東証1部の売買代金は概算で4兆7600億円。業種別では上昇はその他製品1業種のみで、金属製品や情報・通信の下げが限定的。一方、鉱業やゴム製品、石油・石炭などが大きく下落した。東京ドームが連日のストップ高。三井不動産から正式にTOBの発表があり、同社も賛同の意を示したが、株主のオアシスがこれに対抗するのではとの思惑が浮上し、TOB価格を上回っても買いが続いた。半面、価格引き上げへの警戒が出てきた三井不動産が大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり335/値下がり1810。信越化学など半導体関連が強く、中でもSUMCOが8%を超える大幅上昇。エムスリーや任天堂、ダイフクなど、業績期待の高い銘柄が買いを集めた。マザーズ銘柄が見直される中、BASEやマクアケ、ラクスなどが大幅上昇。東証1部への市場変更を発表した恵和や、立会外分売の中止を発表したTOKYO BASEが急伸した。高精度の錠剤検査装置を開発したと発表した池上通信機はストップ高となった。  一方、円高進行が嫌気されてトヨタやホンダなど自動車株が大幅安。景気敏感セクターが弱く、日本製鉄や三菱UFJが売りに押された。外出自粛ムードが強まる中、西武HDやJR西日本、東武鉄道など鉄道株が軒並み下落。住友不動産や東京建物など不動産株もさえない動きとなるものが多かった。新株予約権の発行が嫌気されたフジタコーポレーションが急落。本日東証2部に新規上場したバリオセキュアは、初値が公開価格割れとなり、終値も初値を大きく下回った。IPOの変調が警戒され、先週初値をつけたクリーマ、ジオコード、MITHDがそろって値を崩し、ジオコードはストップ安まで売り込まれた。  日経平均は買い先行から失速。月替わりが警戒されたか、値幅を伴った下げとなった。終値(26433円)は5日線(26415円、30日時点)を下回ってはおらず、弱い中でも節目は意識されたが、目先は不安定な値動きが続くかもしれない。ただ、マザーズ指数が25日線を上回るなど、もみ合い上放れを期待させるような動きを見せている。仮に日経平均がもう一段下を試したとしても、マザーズや過熱感の乏しいセクターが受け皿となり、日本株から資金が逃げることはないだろう。日経平均のきょうの高値は26830円。高値から1000円以上下げるとピーク感が出てくる可能性が高く、26000円台で値を固めることができるかが注目される。
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