明日の戦略-2021年第1週は華々しい上昇、来週も楽観ムードが優勢か

2021/01/08(金) 17:18
 8日の日経平均は大幅続伸。終値は648円高の28139円。米主要3指数の史上最高値更新を好感して200円超上昇して始まると、その後も上げ幅を拡大。ナスダックが強かったことから、主力ハイテク株が買いを集めた。指数は前場で400円超上昇すると、後場は一段高となり、あっさり28000円を突破。節目を超えたところでいったん上昇ペースが鈍ったが、14時近辺からは改めて強い買いが入った。終盤にかけてはさらに一伸びがあり、600円を超える上昇で高値引けとなった。  東証1部の売買代金は概算で3兆1100億円と3兆円台に乗せた。業種別ではゴム製品やパルプ・紙、非鉄金属などが大幅上昇。下落は空運、海運、不動産の3業種のみであった。通期の利益見通しを引き上げたツインバード工業が急伸。半面、ベルクは上方修正を発表したものの、市場の期待に届かず大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1725/値下がり384。レーザーテックや東京エレクトロンなど半導体株が大幅上昇。電子部品も強く、村田製作所が5%を超える上昇で1万円の大台に乗せた。米国のグループ会社売却を発表したブリヂストンが急伸。ビットコインの400万円台乗せを材料にマネックスGが買いを集めた。増配を発表したベリテは後場に急騰してストップ高となった。  一方、ソフトバンクGが後場に入って売りに押されて逆行安。三井不動産や住友不動産は長期金利の上昇が警戒されて軟調となった。AIインサイドやGMOFGなどマザーズの主力の一角が大幅安。ココペリやエネチェンジなど直近上場株の多くが手じまい売りに押された。1Qの営業減益が失望を誘ったSHIFTは13.6%安と急落した。  2021年、大発会から3日続けて下落した日経平均は、週間では大幅高となり、28000円台に乗せてきた。業種別の週間騰落を見ると、上位は非鉄金属、証券・商品先物、鉱業、パルプ・紙、鉄鋼の順。下位は弱かった方から、空運、陸運、精密機器、食料品、不動産の順となった。構図としては景気敏感セクターが買われ、緊急事態宣言の影響が大きそうなセクターが敬遠されている。株高の中でも選別はしっかりされているといえる。来週は小売の決算が多く出てくる。緊急事態宣言下においてその悪影響が大きいと想定される銘柄に関しては、決算で売られた銘柄を値ごろ感だけで買ってしまうと、パフォーマンスが向上しない可能性があるため注意したい。 【来週の見通し】  堅調か。休日が1日あり立ち合いは4日。日経平均は7日と8日の2日間で1000円以上上げており、多少反動は出てくるかもしれない。ただ、売りづらさも意識される中、下値は限られるだろう。9-11月が対象月となる企業の決算がいくつか出てくるが、セブン&アイや安川電機、ファーストリテイリングなど注目度の高い企業もあり、好地合いの中で個別物色の活況が見込まれる。今週は景気敏感株に動意が見られており、12月工作機械受注(13日)や11月機械受注(14日)など機械関連の指標は要注目。月後半にかけては日米で決算発表が本格化することもあり、先高期待の強い状態が持続すると予想する。 【今週を振り返る】  堅調となった。東京市場が休場の間の米国株は強かったが、日経平均は昨年最終週に急伸した反動で、大発会は買い先行から失速して3桁の下落。上値の重さが意識されて、5日、6日と下げが続いた。ただ、節目の27000円は割り込むことなく下げ渋った。注目を集めた米ジョージア州の上院議会決選投票では、大統領、上院、下院を民主党が占める「トリプル・ブルー」の可能性が高まった。これを受けた6日の米国市場でダウ平均が大幅高となると、東京市場もセンチメントが一変。7日に急伸して直近の下げ分を埋めると、8日は600円を超える上昇で、節目の28000円を大きく上回った。週間では694円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、12月景気ウォッチャー調査(1/12)、12月工作機械受注(1/13)、11月機械受注、12月企業物価指数(1/14)などがある。  企業決算では、セブン&アイHD、安川電、東宝、コスモス薬品、イオンモール、マニー、クリエイトSDH、ライフコーポ、U.S.M.H、技研製、竹内製作、コーナン商事、トーセイ、歌舞伎、CSP、PRTIMES、ライク、アレンザHD、コシダカHD、三栄建築、スタジオアリス、チームスピリト、進和、カネ美食品、トランザクショ、AIT、インタアクション、タキヒヨー、ライトオン、エヌピーシー、中本パクス、ワッツ、東洋電、中北製、三光合成、黒谷、エルテス、メディカネット(1/12)、久光薬、ABCマート、イオンFS、サカタのタネ、ディップ、JINSHD、いちご、イオン北海、吉野家HD、S Foods、乃村工、MV西日本、サイゼリヤ、MV東海、パソナG、コメダ、エスプール、パルGHD、ファンタジー、サーラ、東京個別、セラク、スターマイカHD、エコス、TSI、イワキ、ジーフット、イージェイHD、サンデー、アララ、日フイルコン、プラズマ、ヴィッツ、スタジオアタオ、Bエンジニア、エムビーエス、アクアライン(1/13)、ファーストリテイ、ベイカレント、マネフォワ-ド、Sansan、松竹、ウエストHD、クリレスHD、不二越、メディアドゥ、TKP、ニッケ、USENNEXT、プレナス、ドトル日レス、北の達人、リンガハット、IDOM、日本国土、ダイト、バリュエンスH、テラスカイ、ベクトル、タマホーム、松屋、ビザスク、UUUM、サーバーワクス、ロコンド、ティアンドエス、ロゼッタ、グッドパチ、リックソフト、農総研、トライステージ、霞ヶ関キャ、インタファクトリ、識学、ウォンテッドリ、シンメンテHD、関通、SERIOHD、ALiNK、エコモット、U&C、エディア、AHCG、クックビズ(1/14)、ジャステック、マルカ、串カツ田中、ノダ、グランド、シリコンスタシオ、協和コンサ、くろ工(1/15)などが発表を予定している。  海外では、中国12月消費者物価指数、中国12月生産者物価指数(1/11)、米12月消費者物価指数、米12月財政収支(1/13)、米12月小売売上高、米12月生産者物価指数、米1月ニューヨーク連銀景気指数、米12月鉱工業生産(1/15)などがある。  米企業決算は、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ(1/15)などが発表を予定している。
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