明日の戦略-後場に波乱も5日続伸、ハイテク変調の余波を見極める局面

2021/01/14(木) 16:33
 14日の日経平均は大幅に5日続伸。終値は241円高の28698円。まちまちの米国株を受けて小幅に下げて始まったが、すぐにプラス圏に浮上すると、前場では買いが買いを呼ぶ流れとなって28800円台に乗せた。後場もしばらくは上値追いが続き、高いところでは上げ幅を500円超に広げて28979円まで上昇。しかし、29000円に接近したところで高値警戒感が意識されたか、14時近辺では急速に値を消した。ただ、高値から400円近く萎んだところでは盛り返す動きも見られ、終値では200円を超える上昇となった。小型株が蚊帳の外に置かれる中、マザーズ指数が2.5%安と大きめの下げとなった。  東証1部の売買代金は概算で3兆2400億円。業種別ではゴム製品や陸運、情報・通信などが上昇した一方、海運や鉄鋼、鉱業などが下落した。タイヤ株が強く、ブリヂストンが5%を超える大幅上昇。半面、強い動きが続いていたレーザーテックが後場に入って大きく値を崩しており、5%近い下落となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1000/値下がり1090と、値下がり銘柄の方が多かった。きのう決算を通過して買われた安川電機が連日の大幅上昇。ソフトバンクGが3%近い上昇と、動きの良さが目立った。サイゼリヤや吉野家、パルグループが決算を材料に急伸。上方修正を発表した幸和製作所が後場急騰してストップ高まで買われた。  一方、日本電産や東京エレクトロン、ルネサスなど、ハイテク株の多くが失速して下落。鉄鋼大手のJFEや日本製鉄が大きく売られた。人材関連では、上方修正を発表したパソナグループと下方修正を発表したディップがともに急落。ほか決算発表銘柄では、セラクが厳しい下げとなり、アララはストップ安比例配分と売りが殺到した。マザーズ銘柄が総じてさえない動きとなり、メルカリやBASE、フリーなどが大幅安となった。  日経平均は3桁の上昇となったが、後場には荒い動きも出てきた。波乱を呼び込んだのは足元で騰勢を強めていたハイテク株。大商いとなったレーザーテックは、4%超上昇していたところから一時12%近く下落するなど、小型株のような値動きを見せた。ハイテクの多くは短期的には過熱感も強く、いったんは利益確定売りに押されることになりそうだ。指数がこれにお付き合いするかどうかが、目先の注目点となる。ハイテクが買いづらくなったらブル相場が終わるのか、それとも、ハイテクは先導役で、これを機に多くの業種が見直されるのか。日経平均は萎んだとはいえきょうも上昇しており、後者の可能性が高いとみるが、スピード調整も想定しておく局面。あすは週末で、売りは出やすくなるだろうが、下げたとしても陽線で終えるなど、底堅い動きが見られるかに注目しておきたい。
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