明日の戦略-主力も新興も弱くお手上げの1日、FOMC通過で相場の雰囲気は変わるか

2021/07/28(水) 16:58
 28日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は388円安の27581円。東京でコロナの新規感染者数が急増したことや米国株の下落を嫌気して、寄り付きから300円近い下落。27600円台からスタートして27800円台まで戻したが、10時を過ぎた辺りからは売りに勢いがついた。下値模索が続く中、後場には下げ幅が500円を超える場面もあった。ただ、節目の27500円を割り込んだところではリバウンド狙いの買いが入り、終盤にかけては幾分下げ幅を縮めた。  東証1部の売買代金は概算で2兆2000億円。業種別では鉄鋼や石油・石炭、パルプ・紙などが上昇した一方、金属製品や情報・通信、サービスなどが下落した。上方修正や自己株取得を発表したシマノが大幅上昇。半面、今22.6期の見通しが物足りないと受け止められたGenky DrugStoresが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり422/値下がり1679。上方修正がポジティブサプライズとなった三菱自動車が8%を超える上昇。日産自動車も連れ高して4%近く上昇したほか、ホンダやSUBARUもプラスで終えるなど、自動車株に好影響が波及した。日本製鉄や神戸鋼など鉄鋼株が逆行高。上方修正を発表した日清製粉Gが大幅高となった。東京都のコロナ新規感染者数急増を受けて、川本産業や中京医薬品、ダイトウボウなど、昨年マスク不足の際に賑わった銘柄が動意づいた。  一方、指数寄与度の大きいソフトバンクGとファーストリテイリングが大幅安となり、そろって年初来安値を更新。レーザーテックやSUMCOが値幅を伴った下げとなるなど、ハイテクを中心にグロース株が売りに押された。下方修正を発表したマクアケは場中に値が付かずストップ安比例配分。BASEやフリーなどマザーズの主力どころの銘柄に警戒売りが広がった。フジオーゼックスは上期の見通しを引き上げたものの、1Q実績を鑑みると保守的な修正で株価は強い売りで反応。テセックは1Qの営業黒字転換が好感されず急落した。  本日マザーズに新規上場したブレインズテクノロジーは、公開価格比2.3倍の初値をつけたものの、終値は初値を大きく下回った。  日経平均は27500円を割り込む場面があり、マザーズ指数は3%を超える下落と、日本株の弱さが目立った1日。短期勝負でIPOに向かったとしても、ブレインズの初値買いで本日リターンを得ることは難しい。直近IPO銘柄も総崩れとなっており、資金の振り向け先がなかった。あすはFOMC結果を受けた米国株の動向が注目される。FOMCに関しては、米国の長期金利が低位で推移する中、FRBが市場を混乱させるようなアナウンスを出すとは考えづらい。イベントを無難に消化して米国株も上昇する展開に期待したいところだ。  東京市場は金曜30日が月内最終日で下げの特異日。コロナの感染被害が拡大傾向にある週末で、7月も傾向通り下落となりそうな雰囲気が漂っている。それだけに、あす29日は反発して警戒ムードを和らげておきたい。引け後に出てきた決算では、エムスリーの1Q営業利益が前年同期比で2.2倍と大幅増益となった。アドバンテストも1Q営業利益がほぼ倍増となった上に、自社株取得など株主還元強化を発表している。成長期待はある程度織り込み済みとは思われるが、期待に応えるだけの決算は出してきたと言えるだけに、ポジティブな株価反応が見られるかが注目される。
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