明日の戦略-2週連続の4桁上昇、来週は年初来高値を更新できるかが焦点に

2021/09/10(金) 16:51
 10日の日経平均は大幅反発。終値は373円高の30381円。昨晩の米国株は下落したが、これを受けても上昇スタート。大きく水準を切り上げた週の週末でメジャーSQ日でもあったが、手仕舞い売りが出て来なかったことから、高く始まった後も強い基調が続いた。30200円台に乗せた後、しばらく一進一退となったが、11時近辺に騰勢を強めて上げ幅を300円超に拡大。後場は30300円近辺で値動きが落ち着き、ほぼ横ばい圏で推移した。ただ、終盤にかけてはまとまった買いが入り、高値引けとなった。TOPIXやジャスダック平均も高値引けと、大型、中小型問わず買いが入った。  東証1部の売買代金は概算で3兆9200億円。メジャーSQ日でもあり、商いは高水準となった。業種別では証券・商品先物、その他金融、化学などが上昇した一方、空運や電気・ガス、医薬品などが下落した。証券会社の新規カバレッジが入ったBASEが急騰。半面、通期の営業利益計画に対する上期の進ちょく率が弱めとなった鎌倉新書が急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1923/値下がり222。新生銀行がSBIHDによるTOBを受けてストップ高比例配分。SBIも大幅高となり、じもとHDや福島銀行など地銀の一角にも思惑買いが波及した。上方修正と増配を発表した積水ハウスが大幅上昇。東京エレクトロンや信越化学、アドバンテストなど半導体株に強い動きが見られた。個別に川崎汽船やレノバ、リクルートなどが大幅高。証券会社のリポートを材料にルネサスが6%近く上昇した。  一方、アルツハイマー治療薬に関してネガティブなニュースが伝わったエーザイが急落。前日に急騰した東電HDが一転して大きく値を崩した。ファイナンスが嫌気されたニプロや中国オンラインゲーム市場への警戒が強まったネクソンが大幅安。8月の月次が弱かったラウンドワンが売りに押された。値下がり率上位には決算で売られた銘柄が並んでおり、上期が減収減益着地となったシーイーシーや、1Qは大幅増益でも見通し据え置きが失望を誘ったビューティーガレージが急落した。  日経平均は300円を超える上昇で高値引け。今週はほぼ押し目なしの上昇となっており、きょうの高値30381円が週の高値にもなった。3万円はあっさり超えてきたため、現状水準を維持しているだけでも、売り方の投げが入りやすい環境。ここからは自民党の総裁選が本格化して、新リーダーが決まった後には衆議院選挙が控えている。低支持率の政権下で行う選挙は市場のリスク要因だが、支持率がそこそこあって政権与党の優位は動かないという状況であれば、選挙は買い材料となる。足元の株価の上昇は期待先行のようにも見えるが、選挙が終わるまではその期待がはく落するような要素も少ない。これだけ値動きが変わってくれば、新規の顧客やスリープ顧客の資金流入も期待できるし、海外投資家も日本株をスルーできなくなる。来週は年初来高値(30714円:ザラ場、30467円:終値)を更新できるかが焦点の一つになるが、更新しても天井感は出てこないと思われる。強気で臨む局面だ。 【来週の見通し】  堅調か。週末の17日が自民党総裁選の告示日となるため、来週も候補者に関するニュースなどを材料に、買える銘柄探しの動きが活発となる状況が続くだろう。短期間で急伸した反動は出てくるかもしれないが、押し目があれば上昇に乗り遅れた投資家からの買いが入ると思われる。グローバル市場は翌週21日~22日に控えたFOMCを前に、様子見姿勢が強まる可能性が高い。ただ、米国の年内テーパリングについては織り込みも進んでいる。米国の長期金利も比較的落ち着いており、9月のFOMCが波乱を呼ぶとの見方はそれほど強くはない。海外市場の安定を下支えに、国内では楽観ムードの強い地合いが維持されると予想する。 【今週を振り返る】  大幅高となった。日経平均は前の週に1500円近く上昇した流れを受け継ぎ、政策期待を背景に上を試す流れが続いた。米8月雇用統計は市場予想を大きく下回る内容となったが、ネガティブサプライズはなしと受け止められ、週明けから500円を越える大幅上昇。翌7日の取引時間中に3万円の大台に乗せると、8日には終値でも3万円を上回った。8日まで8日続伸となる中で、7営業日が3桁の上昇となった。9日は上昇一服となったが、10日は米国株安を受けても大幅高となり、週末値では30300円台まで上昇。下値模索が続いていたソフトバンクGが鋭角的に切り返すといった動きも見られ、リスク選好ムードが強まった。週間では約1253円の上昇となり、2週連続の4桁上昇。週足では3週連続で陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、7-9月期法人企業景気予測調査、8月企業物価指数(9/13)、7月機械受注(9/15)、8月貿易収支、7月首都圏マンション発売(9/16)、自民党総裁選告示日(9/17)などがある。  企業決算では、神戸物産、ビジョナル、正栄食、JMHD、J.S.B.、アクシージア、Hamee、稲葉製作、学情、トーエル、ツクルバ、フロンティアI、SKIYAKI、フィット(9/13)、パーク24、Pアンチエイジ、スマレジ、GA TECH、ヤーマン、サンバイオ、エニグモ、MSOL、プロレド、CAICA、MacbeeP、ネオジャパン、Link-U、アルデプロ、ギフト、coly、ダブルエー、バルニバーヒ、アシロ、Mマート、ジェネパ、LeTech、バリュゴルフ、VALUENEX、ジェイック(9/14)、アスクル(9/16)などが発表を予定している。  海外の経済指標の発表やイベントでは、米8月財政収支(9/13)、米8月消費者物価指数(9/14)、中国8月鉱工業生産、中国8月小売売上高、米9月ニューヨーク連銀景気指数、米8月鉱工業生産(9/15)、米8月小売売上高、米9月フィラデルフィア連銀景気指数(9/16)、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数(9/17)などがある。
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マーケットデータ
日経平均 37,628.48 -831.60
TOPIX 2,663.53 -47.20
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NYダウ 38,085.80 -375.12
ナスダック総合 15,611.76 -100.99
ドル/円 155.66 +0.35
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