明日の戦略-米国株高を好感できずに下落、金利に翻弄される状況は続くのか

2021/10/18(月) 16:40
 18日の日経平均は3日ぶり反落。終値は43円安の29025円。小高く始まったものの、すぐにマイナス転換して下げ幅を3桁に拡大。いったん切り返してプラス圏に浮上したが、買いは続かず売り直された。15日の米国株は長期金利の上昇を受けても強い動きとなったが、東京市場では、市況関連の派手な上昇がインフレへの警戒を強めたことから、グロース株の多くが売りに押された。11時辺りからは29000円近辺でこう着感が強まり、後場に入ると値動きがほとんどないという状況が続いた。節目は意識されたか、終値ではかろうじて29000円を上回った。  東証1部の売買代金は概算で2兆5300億円。業種別では鉱業、石油・石炭、非鉄金属などが上昇した一方、医薬品や水産・農林、食料品などが下落した。中間増配を発表したマネーパートナーズグループが急騰。半面、3Q累計で営業赤字となったマネーフォワードが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1124/値下がり985と、日経平均は下落したが、値上がり銘柄は多かった。円安基調が強まる中、トヨタやスズキなど自動車株に買いが入った。原油高を追い風にINPEXが5%近い上昇。非鉄株が賑わっており、東邦亜鉛や大紀アルミニウム、大阪チタニウムなどが急伸した。暗号資産の上昇を材料に、マネックスGやセレスが大幅高。決算が好感された鉄人化計画や市進HDがストップ高と騰勢を強めた。  一方、米金利の上昇を警戒してレーザーテックが大幅安。エムスリー、メドピア、メドレーなど医療系グロース株が軟調となった。ベイカレントは上期の大幅増益着地や中間増配を受けて買いが先行したものの、失速して14%を超える下落。全市場の売買代金トップ10入りするなど、荒い動きとなる中で市場の注目を大きく集めた。パソナGや日置電機が決算を材料に大幅安。1Qの大幅減益が嫌気されたパシフィックネットはストップ安まで売り込まれた。過年度の財務諸表について、監査法人が意見を不表明としたEduLabは、場中は値が付かずストップ安比例配分となった。  15日の米株市場では、長期金利の上昇を許容しつつ、ダウ平均が大幅高となり35000ドル台を回復した。大きく下げた後の戻り局面では35000ドル近辺で戻り売りに押されることが多かっただけに、下値不安が和らぐ強い動きであったように見える。しかし、日経平均はこれを好感できずに下落。米金利の上昇に対するネガティブな反応の方が強めに出た。国内の市況関連株は強い買いが入ったことで短期的には賑わうかもしれない。しかし、現状ではきょうのように、これらが跳ねればそれ以外の銘柄、特にグロース系は敬遠されるだろう。指数のきょうの下げ自体は、印象が悪いだけでチャートが大きく崩れたわけではない。ただ、今週に入ってもまだ米長期金利の不安定な動きが続くようだと、来週以降、決算発表が本格化する中でもグロース株の決算反応が甘くなる可能性がある。決算発表前半戦は注目度の高いハイテク系が多いだけに、グロース株の決算反応が案外になると、全体の先高期待が後退しやすくなる点には警戒を要する。
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