明日の戦略-3桁上昇も25日線は超えられず、戻り加速か一服かの分岐点

2021/10/19(火) 16:16
 19日の日経平均は反発。終値は190円高の29215円。米国株はまちまちも、ナスダック高を受けてグロース系の銘柄に買いが入ったことから、堅調な展開。序盤に上げ幅を200円超に広げた後は、上値追いには慎重となった。ただ、萎んだところでは買いが入り、次第に29200円近辺で値動きが落ち着いた。後場のスタート直後には上を試す動きが見られたが、高くなったところでは押し戻された。しかし、それでも大きく失速することはなく、再び29200円近辺で値動きが落ち着くと、そこからは引けまで動意薄となった。  東証1部の売買代金は概算で2兆4400億円。業種別では海運が7.1%高と突出した上昇。ほかでは精密機器やその他製品などの動きが良かった。一方、鉱業が3.8%安と大きめの下落となったほか、空運や石油・石炭が軟調となった。後場に上方修正を発表したシノブフーズが、一時ストップ高となるなど急騰。半面、川崎重工業が後場に入って急落。米国で起きた脱線事故に関して、全米で同社製の鉄道車両を調査すると多くのメディアで報じられたことが売り材料となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1115/値下がり962。日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運3社がそろって急伸。レーザーテック、ソフトバンクG、任天堂など、グロースの代表的銘柄が軒並み強い動きを見せた。再生エネルギー関連のイーレックス、レノバ、ウエストHDが大幅上昇。上期の業績上振れ観測を材料にディスコが買いを集めた。中期経営計画を公表したAbalanceや、通期の利益見通しを引き上げたクオールHDが急騰。1:2の株式分割を発表したリヒトラブがストップ高となった。  一方、証券会社が投資判断を引き下げた太陽誘電や村田製作所が下落。流れがグロース株に向かう中、三菱商事、三菱UFJなど景気敏感系の銘柄が軟調。中でもINPEXの下げが大きかった。減産観測が報じられたSUBARUは2%を超える下落。日経新聞でアパレルの秋冬物が調達困難により発売が遅れていると報じられたことから、記事内で取り上げられたTSIHDが売りに押された。下方修正を発表したJBRが大幅安。前日に急伸した三井松島やココナラが一転急落した。  日経平均は反発。きのう18日は米国株の強い上昇に連れ高することができなかったが、きょうは幾分挽回したような動き。ただ、主役級の銘柄が軒並み大幅高となった割には、190円高というのは物足りなさもある。来週からは決算が多く出てくるが、今週は幕間つなぎ的に値幅が出そうな銘柄が好まれやすい。海運株などはその筆頭とも言えるし、きょう10%近く上昇したベイカレントは、きのうは買い先行から急落した銘柄でもある。その意味では、きょう強く買われた銘柄に関しては、この先も上昇が続くというよりは、目先の値動きが荒くなるとみておいた方が良い。指数の終値は29215円で、きっちり25日線(29225円、19日時点)に上値が抑えられた。きょうの上昇銘柄があすの下落銘柄となった場合には、この近辺で戻り一服感が台頭する可能性もあるため注意が必要。一方で、難なく25日線を超えられるようなら、強い動きが見られた銘柄が上昇を先導する展開も期待できる。特に、安値圏で大幅高となったソフトバンクG、ファーストリテイリング、任天堂の基調に変化が出てくるかを注視しておきたい。
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