明日の戦略-場中に伸び悩むも25日線は突破、一段の地合い改善につながるか

2021/10/20(水) 16:30
 20日の日経平均は続伸。終値は40円高の29255円。米国株の上昇を受けて3桁高からのスタート。序盤には上を試す動きも見られたが、200円超上昇して29500円に接近したところでは押し戻された。11時を過ぎた辺りから急失速して、前場は安値引け。楽観ムードが後退した後場は、上値の重い状態が続いた。取引終盤には一時上げ幅を1桁に縮小。ただ、マイナス圏突入は回避して切り返し、小幅な上昇で取引を終えた。TOPIXは後場に下げに転じる場面があったが、終値ではプラスを確保した。  東証1部の売買代金は概算で2兆7100億円。業種別では空運や陸運、証券・商品先物などが上昇した一方、海運やその他製品、ゴム製品などが下落した。上方修正と増配を発表したスズデンが後場急伸。半面、中外製薬とのライセンス契約を解消すると発表したオンコリスバイオファーマが、場中は値が付かずストップ安比例配分となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり790/値下がり1280。出資企業の米株市場上場など好材料がいくつかあったソフトバンクGが4%を超える上昇。米長期金利の上昇を受けて三菱UFJや第一生命など金融株に資金が向かった。アフターコロナ関連が物色されており、JAL、JR東日本、エアトリ、串カツ田中などが大幅高。上方修正を発表したソフトクリエイトHDや大阪ソーダ、自己株取得を発表したCKサンエツが値を飛ばした。アララは日経電子版でスーパーの独自決済に関わる企業として取り上げられたことを材料に、ストップ高まで買い進まれた。  一方、証券会社が投資判断を引き下げた任天堂が4%近い下落。日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運3社が大きめの下げとなった。信越化学、SUMCO、太陽誘電などハイテク系は多くが軟調。大紀アルミニウムやUACJ、東邦亜鉛といった非鉄関連や、三井松島、住石HDなど石炭関連が値を崩した。下方修正を発表したテノHDが大幅安。前日に米国の鉄道脱線事故を材料に急落した川崎重工は、きょうも売りが止まらず9%安となった。  日経平均は小幅続伸。25日線(29177円、20日時点)近辺でどういった動きが見られるかが注目されたが、初動でこれを超えてきたにもかかわらず、ローソク足では陰線を形成と、微妙な反応になった。25日線に届かずに場中に失速していたら、戻り売りがもっと強めに出ていたかもしれない。しかし、結局は終値(29255円)でも上回った。あす以降は、同水準がサポートとして機能するかが注目される。25日線を突破できたのは国内要因というよりも米国株のおかげというところではあるが、その米国株の動きが非常に良くなっている。本日米国ではテスラやIBMが決算を発表予定だが、来週はいよいよフェイスブック、アルファベット、アップルなどの決算が出てくる。これらの内容を確認しながらダウ平均やS&P500が史上最高値を更新するような流れとなれば、日本株にも十分上昇余地がある。  なお、個別の値動きはかなり荒くなっており、何の材料で急騰しているのかわからない銘柄や、この材料でそこまで上がる?と思われる銘柄は結構多い。その一方で、今週月曜に強く買われた非鉄株などは軒並み安となっており、人気化した銘柄の賞味期限も短い。来週からは企業決算を吟味した物色が中心になると思われる。改善期待も含めて業績の裏付けが乏しいものに関しては、ここから先は手じまい売りが急がれるとみておいた方が良い。
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