明日の戦略-悪材料を吸収してプラスで終了、休場明けは閑散に売りなしか

2021/11/22(月) 16:30
 22日の日経平均は小幅続伸。終値は28円高の29774円。先週末の米国株はまちまちも、欧州のコロナ感染拡大を嫌気してダウ平均が大きく下げており、これを警戒して寄り付きから3桁の下落。そこから下げ幅を200円超に広げた。しかし、29500円は割り込まずに下げ渋ると、売り一巡後は値を戻す展開。前場のうちに下げ幅を2桁に縮めると、後場に入って13時台半ばでプラス圏に浮上した。上昇に転じた後は、さらに上値を追うまでの動きは見られなかったものの、しっかりプラス圏を維持。小幅高で取引を終えた。  東証1部の売買代金は概算で2兆3700億円。業種別では海運や保険、証券・商品先物などが上昇した一方、鉱業や輸送用機器、空運などが下落している。あすが休場でやや手がけづらさもある中、直近上場株が派手に動いており、GRCSが人気化してストップ高。半面、AB&Companyは手じまい売りに押されて大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1054/値下がり1023。商船三井の社長インタビュー記事を材料に、商船三井、日本郵船、川崎汽船が3~4%台の上昇。海運大手に久々に強い動きがみられたことは、全体市場にも好影響を及ぼした。ナスダック高を手がかりに東京エレクトロンやアドバンテストが上昇。USJとの包括連携協定が好感されたメルカリが4%を超える上昇となった。前期の見通しを引き上げたオービスがストップ高。1:4の株式分割を発表したアールプランナーは、場中値付かずのストップ高比例配分となった。  一方、原油価格の下落が嫌気されてINPEXが大幅安。米長期金利の低下を受けて三菱UFJや三井住友が売りに押された。JAL、ANA、HISなどレジャー関連は、欧州のコロナ感染拡大への警戒から売られはしたが、押し目では買いも入った。東京商工リサーチとの業務提携解消を発表したリスクモンスターが急落。新株予約権の発行を発表したニューラルポケットや、売り出しを発表した国際紙パルプ商事が2桁の下落率となった。  日経平均は一時200円超下落したものの、早い時間に切り返してプラスで終えた。安値は29542円までで、29500円近辺での買い意欲の強さが改めて印象づけられた。足元では米国の長期金利が落ち着いており、原油価格も上昇に一服感が出てきている。こういった局面では株式に資金が向かいやすく、多少の悪材料は吸収されやすい。あすは勤労感謝の日で休場。米国市場は休場前(25日が感謝祭)で、24日に多くの経済指標やFOMC議事要旨を消化するため、22日、23日はあまり大きな動きは出てこないかもしれない。休場明け24日の東京市場も、商いは盛り上がりに欠けることになるだろう。欧州でコロナ感染被害が拡大しており、この点には警戒を払う必要がある。ただ、さらなる悪材料が出てこなければ、ここから先は「閑散に売りなし」の様相が強まりそうでもある。
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