明日の戦略-反落も下押し圧力は限定的、あすは米雇用統計を前に様子見か

2021/12/02(木) 16:21
 2日の日経平均は反落。終値は182円安の27753円。米国内で初の「オミクロン型」コロナ感染者が確認されたことから、前日のダウ平均は400ドルを超える下落。これを嫌気して、寄り付きから200円を超える下落となった。開始直後には下を試しに行ったが、300円近く下げたところで鋭角的に切り返してプラス転換。しかし、戻したところでは売り直された。開始30分程度できょうの高値と安値をつけると、以降はマイナス圏で方向感に欠ける展開。どちらかに傾いてもそれを修正する動きが出てきて、27800円近辺で推移する時間が長かった。マザーズ指数が弱く、安く始まった後も売りが続いて3%安となった。  東証1部の売買代金は概算で3兆1400億円。業種別では海運や電気・ガス、ゴム製品などが上昇した一方、鉱業や空運、精密機器などが下落した。CBの転換に伴い、インド企業の株式を取得することになったと発表したGunosyが、買いを集めてストップ高比例配分。半面、海外でのファイナンスを発表したChatworkが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり667/値下がり1431。証券会社のリポートを手がかりに、海運大手の川崎汽船、商船三井、日本郵船が急伸。任天堂やダイキンなど値がさの一角に強い買いが入った。ストップ安が3日続いたFRONTEOは、大幅安スタートとなったものの切り返して5%を超える上昇。値幅が出る中で売買代金は全市場のトップ3にランクインした。ほか、自己株取得を発表したアドウェイズや小森コーポレーションが大幅高となった。  一方、ソフトバンクGが大幅安。マザーズ銘柄が弱く、BASEやそーせいG、ウェルスナビなどが値幅を伴った下げとなった。グローバルウェイは場中値付かずのストップ安比例配分。コロナへの警戒が高まった米国で空運株が売られたことから、JALやANAが軟調。JR東日本やJR西日本など鉄道株も多くが敬遠された。富士急行は人気アトラクション「ド・ドドンパ」に関して山梨県知事が運行停止を要請したと伝わったことから、5%を超える下落となった。  本日、JASDAQスタンダードに新規上場したのむら産業は、公開価格割れからのスタートとなった後も売りが続いて安値引けとなった。  日経平均は3桁の下落となったが、安く始まった後は比較的値を保った。ダウ平均は前日に大幅安となったとはいえ、史上最高値圏でやや陰りを見せた程度。それに対して日経平均は、これ以上下げると年初来安値が見えてくる状況。逆説的だが、ここからという点では日本株の方が下げ余地が少ないと思われる。あす米国では、11月の雇用統計が発表される。今回の雇用統計は結果はどのようにも解釈できる。内容が良い場合、ファンダメンタルズが良好とすることもできるし、インフレ高進への警戒が高まるとすることもできる。悪い場合、景気悪化懸念が高まるとすることもできるし、長期金利が上がりづらくなるとすることもできる。今の米国株が上がりたがっているのか下がりたがっているのか、それが雇用統計である程度はっきりしてくるだろう。その発表を前にしては、日本株は身構えざるを得ない。あすは今晩の米国株の値動きを消化した後は、様子見姿勢が強まると予想する。日経平均がきのうの安値(27594円、12/1)を下回らなかったことは安心材料。底割れすることなく下値を固められるかに注目したい。
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