明日の戦略-バリューもグロースもみな上昇、大幅高が追随買いを呼び込めるか

2021/12/07(火) 16:28
 7日の日経平均は大幅反発。終値は528円高の28455円。前日の米国株はファウチ首席医療顧問の発言を受けてオミクロン型に対する過度な警戒が後退し、ダウ平均が600ドルを超える上昇。これを好感し、寄り付きから大きく水準を切り上げた。序盤では200円超上昇して始まった後に、急速に上げ幅を2桁に縮めるなど、上値追いには慎重姿勢が見られた。しかし、28000円を下回ったところで改めて強い買いが入ると、そこから先は買いが買いを呼ぶ展開。米国動向を受けてアフターコロナ関連に見直し買いが入ったほか、ソフトバンクGなど直近で売り込まれていた銘柄も強く切り返し、リスク選好ムードが強まった。300円を超える上昇で前場を終えると、取引終盤には上げ幅を700円近くに広げて28600円台に乗せた。大引けにかけてまとまった売りも出たことから、終値では28500円台を下回ったものの、500円を超える上昇となった。  東証1部の売買代金は概算で3兆1100億円。業種別では空運、海運、金属製品などが大幅上昇。水産・農林が唯一下落したが、ほか騰落下位の精密機器や電気・ガスでも1%超上昇しており、非常に強い1日となった。理経がリリースを材料に、後場に入ってストップ高。半面、関西スーパーマーケットが後場に崩れてストップ安。統合問題がこじれている件に関して、高裁が地裁決定を覆したと伝わったことから、オーケーによるTOBへの期待がはく落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり2110/値下がり58と広範囲に買いが入った。前日大幅安のソフトバンクGが7.9%高。海運株が人気化し、商船三井、川崎汽船、日本郵船がそろって大きく上昇した。アフターコロナ関連が見直されており、JAL、ANA、HISなどが大幅高。その一方でレーザーテックが4%近い上昇と、グロース株にも強い動きが見られた。マザーズ指数が3%を超える上昇で高値引け。新興市場の地合いが改善する中、サイエンスアーツがストップ高で終えたほか、GRCSも後場に一時ストップ高となるなど、直近上場株に値幅を求めた資金が向かった。  一方、証券会社が投資判断を引き下げた日本水産が5.6%安。水産・農林セクターの押し下げ役となった。好地合いの中でも下り坂の新興銘柄は敬遠されており、グローバルウェイがストップ安。FRONTEOが9.2%安となった。売り出しを発表した福井コンピュータや、上期の利益が通期計画に対して低い進ちょくとなったインスペックが大幅安となった。  日経平均は大幅上昇。ここ数日は下げ局面でも下値が堅かったことから、きっかけ一つで買いが入る要素はあった。ただ、足元で振れ幅が大きくなっているからこそ、大幅高になったとも言える。今年後半はざっくり27000円~3万円のレンジで動いているだけに、1日で大きく上がり過ぎると天井をつけるのも早くなるかもしれない。ここから先、日経平均の値動きが良くなるためには、2つの関門を超える必要がある。26週線(28695円、7日時点、以下同じ)や52週線(28743円)が控える28700円どころが第1関門、25日線(29100円)や13週線(29118円)が控える29000円どころが第2関門となる。きょうは高値が28618円まであり、第1関門に接近してきた。ここで跳ね返されてしまうようだと年末株高への期待が大きく後退する。きょうの大幅高がさらなる買いを呼び込むのか、それとも反動で売りが強めに出てくるのか、あすの動きは要注目だ。
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