明日の戦略-大幅高も週間では下落、来週は決算発表一巡で強弱感が交錯か

2022/05/13(金) 16:44
 13日の日経平均は大幅反発。終値は678円高の26427円。米国株はまちまちとなったが、引け味が悪くなかったことやナスダックがプラスで終えたことなどを好感して、寄り付きから3桁の上昇。開始直後に26000円を超えてくると、その後も上値を伸ばした。ナスダック高を受けてグロース株に強い買いが入ったほか、ソフトバンクGやファーストリテイリングなど指数寄与度の大きい銘柄に資金が向かった。26000円より上が定着し始めると、買いの勢いが一気に強まり、26400円台まで上昇。後場の開始早々には上げ幅を700円超に広げた。26500円を前にしては上値が重くなったが、伸び悩んだ後も26400円近辺で値動きが落ち着き、600円を超える上昇で取引を終了。新興グロース株に見直し買いが入り、マザーズ指数が4%を超える上昇、グロースコア指数は6%を超える上昇となった。  東証プライムの売買代金は概算で3兆5900億円。業種別では石油・石炭、精密機器、金属製品などが強い上昇。下落はパルプ・紙、鉱業、電気・ガスの3業種のみとなった。前期は大幅最終赤字も、悪材料出尽くし感が強まったソフトバンクグループが12%を超える上昇。終値で5000円台を回復した。半面、上期決算が失望を誘ったメドピアが18%を超える下落となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1557/値下がり259。ファーストリテイリングが4%を超える上昇。レーザーテック、リクルート、メルカリなどグロースの代表格的銘柄が急伸した。東京エレクトロンは決算も好感されて5%を超える上昇。シスメックス、コスモエネルギー、ENEOSなどが決算を材料に値を飛ばし、フジクラや日揮がストップ高まで買い進まれた。グロース銘柄ではBASEやカオナビが決算を受けてストップ高。1Q好決算に加えてSBI証券が株式を取得すると発表したダブルスコープがストップ高となった。  一方、前日に決算を受けて大きく下げたNTTデータが引き続き弱く、7%を超える下落。今期は大幅最終減益を見込む日産自動車が大幅安となった。コーセー、資生堂など化粧品株が決算を受けて下落。今期減益計画のセコムが11%超下落した。カシオやKADOKAWAも決算を材料に急落し、今期大幅減益計画のエンジャパンは場中値付かずのストップ安比例配分。事業再生ADR手続きを申請したことをリリースした日医工が連日のストップ安比例配分となった。  日経平均は600円を超える上昇。米国株もそろそろ強い反発があるだろうという見方は強く、これを先取りしたかのように、グロース株買いが活発となった。ソフトバンクGなどの派手な上昇にかすんでしまった感はあるが、きょうの動きが非常に強かったのは、前日に決算を発表した東京エレクトロン。前期の着地は3Q決算発表時に上方修正した数値をさらに上回り、今期に関しても営業利益ベースで2割近い増益計画を出してきた。前期の期末配当を増額修正して今期も増配計画と、文句のつけようがない内容。また、これを受けた株価も、ギャップアップスタートから上げ幅を広げた。今年は1月に上場来高値をつけた後は頭打ちとなっており、今回の決算の反応が下だと、週足や月足のチャートでは上昇トレンドが崩れてしまいそうなタイミングであった。しっかり踏みとどまったことで、先の値動きに良い変化が見られるかが注目される。同社の上値が軽くなるようなら、半導体全般にも好影響が見込まれる。 【来週の見通し】  一進一退か。国内企業の決算は月曜16日でほぼ一巡し、個別の材料が一気に少なくなる。外部環境に振らされる場面が増えてきそうで、現状では弱材料により敏感となる可能性が高い。足元、年初来安値圏で推移する米国株の動向が焦点となる。今週の米国株は4月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)を確認しながら下げ基調が続いたが、来週も4月小売売上高や4月中古住宅販売など注目度の高い指標の発表が多い。19日には半導体大手アプライド・マテリアルズの決算発表もあり、特にグロース株の値動きが不安定となりそう。日本株はこれらの材料に一喜一憂しながらも、強弱感が入り交じり、方向感が定まらないと予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。米4月雇用統計が米国株の売り材料となったことから、日経平均は週初の9日に684円安と大幅下落。その後も金融引き締めを警戒して米国株の弱い動きが続いたことから、警戒ムードの強い地合いが続いた。10日の取引時間中に26000円を割り込むと、12日には400円を超える下落となり、終値でも26000円を下回った。ナスダックに下げ止まりの兆しが見られたことを受けて、金曜13日には600円を超える上昇と底打ちへの期待は高めた。しかし、それまでの下げの度合いが大きく、週間では下落した。日経平均は週間では約575円の下落となり、週足では5週ぶりに陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、4月企業物価指数、4月工作機械受注(5/16)、1-3月期GDP速報値(5/18)、4月貿易収支、3月機械受注(5/19)、4月全国消費者物価指数(5/20)などがある。  企業決算では、三菱UFJ、リクルートHD、アサヒ、電通G、三菱HCキャ、光通信、アルフレッサHD、あおぞら、東映、DIC、住友べ、王将フード、大気社、TREHD、フェローテック、日軽金HD、あいHD、アイダ、DM三井糖、日機装、東洋炭素、ジーエヌアイ、高砂香、テスHD(5/16)、東京海上、MS&AD、SOMPOHD、FRONTEO、東北新社、双葉電、三信電(5/20)などが発表を予定している。  海外の経済指標の発表やイベントでは、中国4月鉱工業生産、中国4月小売売上高、中国4月固定資産投資、米5月ニューヨーク連銀景気指数(5/16)、米4月小売売上高、米4月鉱工業生産(5/17)、G7財務相・中央銀行総裁会議(~5/20、ドイツ)、米4月住宅着工件数(5/18)、米5月フィラデルフィア連銀景気指数、米4月中古住宅販売(5/19)などがある。  米企業の決算では、ウォルマート、ホームデポ(5/17)、ターゲット、ロウズ(5/18)、アプライド・マテリアルズ(5/19)などが発表を予定している。
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