明日の戦略-市況関連が強く3日続伸、視点はミクロからマクロに

2022/05/17(火) 16:29
 17日の日経平均は3日続伸。終値は112円高の26659円。まちまちの米国株を受けて、序盤は方向感に欠ける展開。小高く始まってマイナス圏に沈み、下げ幅を3桁に広げたかと思えば、切り返して上げ幅を3桁に広げるなど、しばらく不安定な動きが続いた。しかし、10時台半ば辺りからはプラス圏が定着するとともに、値動きも乏しくなった。後場は売り圧力が和らぐ中、26600円台でのもみ合いに終始し、3桁の上昇で取引を終えた。ナスダック安を受けて新興グロース株が売られており、グロースコア指数が2%を超える下落となった。  東証プライムの売買代金は概算で2兆8100億円。業種別では鉱業、海運、石油・石炭などが上昇した一方、食料品、銀行、小売などが下落した。決算が好感されたハークスレイが7%を超える上昇。半面、メルカリが4%を超える下落。配送料の値上げを実施することが伝わったが、取引量の減少につながるとの警戒が強まった。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1019/値下がり760。原油高を手掛かりにINPEXが5%を超える上昇。同じ鉱業セクターでは前日好決算を確認してストップ高となった三井松島にも強い買いが入っており、連日のストップ高となった。川崎汽船を筆頭に大手海運株が大幅高となったほか、石油卸のENEOSも強く、市況関連が賑わった。決算関連ではリクルートがやや値を消しながらも2%台の上昇。上方修正と自己株取得を発表したエスケーエレクトロニクスが急伸し、今期は大幅営業増益を見込むフェローテックがストップ高まで買い進まれた。事業再生ADR申請で足元値幅が出ている日医工は、きょうは買いが殺到してストップ高となった。  一方、1Qが大幅減益となったアサヒGHDが10%を超える下落。キリンやサッポロなど同業にも売りが波及した。三菱UFJは自己株取得を発表して買いが先行したものの、マイナス転換となって安値引け。三井住友やみずほも安値引けと、メガバンクの弱さが目立った。トヨタや日産自など自動車株が軟調。電通Gが決算を材料に6%超下落した。1Q営業赤字のジモティーや今期減収減益計画の多摩川HDが急落。今期大幅減益計画のレアジョブは場中は値が付かすストップ安比例配分となった。  日経平均は3日続伸。昨晩のダウ平均が小幅高でナスダックが弱かったことから、下げても不思議ではなかった。しかし、売りは局地的に新興グロース株に向かった程度で、全体としては概ね堅調となった。米国の長期金利が落ち着いていたことが大きいように思われる。金利が落ち着いていれば、国内グロース株を急いで売る理由はないし、原油高に関しても、インフレ高進への過度な警戒が高まらない分、市況関連を強く買うといったアグレッシブな投資行動が活発となりやすい。本日、米国では4月の小売売上高や鉱工業生産など注目度の高い指標の発表が予定されており、これらに対して米金利がどういった反応を示すかが注目される。また、国内では1-3月期のGDP速報値が発表予定。決算発表が一巡し、この先はミクロからマクロに視点が移る。相場付きにも変化が出てくる可能性があるだけに、冷静に方向性を見極めたい局面だ。
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