明日の戦略-大幅高で27000円台を回復、次のターゲットは26週線

2022/05/23(月) 17:10
 23日の日経平均は大幅続伸。終値は262円高の27001円。先週末の米国株が下を試しながらも大きく値を戻して終えたことから、200円超上昇して始まった。すぐに27000円を上回って上げ幅を300円超に広げたが、早い時間に上値が重くなり、いったん値を消した。しかし、上げ幅を2桁に縮めたところで盛り返すと、後場は再び上方向に勢いがつく展開。終盤にかけてまとまった買いが入り、27000円を上回って取引を終えた。終値での27000円超えは5月6日以来、11営業日ぶりとなる。また、総じて良好な地合いとなる中、マザーズ指数が2.7%高と強い動きを見せた。  東証プライムの売買代金は概算で2兆6700億円。業種別では保険、海運、医薬品などが上昇した一方、鉄鋼、鉱業、石油・石炭などが下落している。ヘッドウォータースがリリースを材料に買いを集め、場中は値が付かずストップ高比例配分。半面、治験の速報結果が強い失望材料となったヘリオスが、売り殺到でストップ安比例配分となった。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1430/値下がり352。決算を発表した保険株が株主還元強化などを手掛かりに跳ねており、東京海上、MS&AD、SOMPOが急騰。川崎汽船や商船三井など海運株に強い動きが見られた。政府がマスク着用を緩和するといった観測報道が出てきたことから、資生堂やコーセーなど化粧品株に見直し買いが入り、アシックス、スノーピーク、シマノなどスポーツ、レジャー関連も大幅高。ほか、証券会社が目標株価を引き上げた富士ソフトが急伸し、JTOWERや旅工房がリリースを材料に値を飛ばした。  一方、レーザーテックやソニーGなどグロース株の一角が軟調。先週までの動きが良かったIHIや三菱重工、東邦チタニウム、大阪チタニウムなどが利益確定売りに押された。日本製鉄、JFEHD、神戸鋼の鉄鋼大手3社がそろって下落。アフターコロナ関連は買われるものが多かった中、JALは売りが優勢となった。決算が失望を誘った日本タングステンや中央ビルト工業が急落。FRONTEOは今期の大幅減益計画が嫌気され、ストップ安比例配分となった。  日経平均は27000円台を回復。強めに始まっていったん萎んだものの、終わってみれば高値圏で終了した。大型グロース株の一角が下げに転じたほか、新興グロース株でもネガティブなリリースで強烈に売り込まれる銘柄もあったが、日本株全体としてはリスク選好ムードの強い地合いであった。足元の日本株の底堅さに関しては、買い戻しにすぎないとの見方もある。先のイベントとしては、米国で25日に5月開催のFOMC議事要旨が公表予定(東京市場で結果を消化するのは木曜26日)で、半導体大手エヌビディアも決算を発表予定であることから、この近辺で相場の雰囲気が変わる可能性はある。そもそも、まだ米主要3指数は下げ止まっていない。  日経平均はこの先は26週線(27352円、23日時点)を超えられるかが焦点となる。今年は年初に26週線を割り込むと、これより下が定着。3月下旬に強い動きが見られた際も、26週線を上回ったところで戻り売りに押された。5月25日辺りまではショートカバーが入り、議事要旨を確認して再び下を見に行く、そして26週線は壁となり続ける、そういったシナリオもあると見ておいた方が良い。一方、まだそういった懸念が根強いと思われるだけに、26週線を超えても上昇が続き、次の節目の27500円を突破した場合には、そこから買いに勢いがつくというシナリオもあり得る。目先で上か下に大きな動きが出てくる可能性があるが、これまで下げ慣れしていることもあり、上に振れた際に機動的に動けるよう準備をしておきたい局面だ。
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