明日の戦略-米国株大幅高を受けても大幅安、悪材料の織り込みは進んだか

2022/05/24(火) 16:20
 23日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は253円安の26748円。米国株は大幅高で終えたが、下方修正を発表した写真・動画共有アプリを展開するスナップが時間外で急落。朝方の米株先物も弱く、寄り付きは一桁の上昇にとどまった。その寄り付きを高値に早々に下げに転じると、以降は下値模索が継続。前場では26800円近辺まで下げたところで値を戻すなど、ところどころで押し目を拾うような動きが見られた。しかし、値下がり銘柄が多く、地合いの変調も意識される中、後場は下げ幅を200円超に拡大。じり安基調が引けまで続き、大引け間際にきょうの安値をつけた。新興グロース株が強めに売られており、グロースコア指数が4%を超える下落となった。  東証プライムの売買代金は概算で2兆6300億円。業種別では海運、空運、非鉄金属などが上昇した一方、サービス、陸運、パルプ・紙などが下落している。AOKIホールディングスとの資本業務提携を発表したランシステムが、場中は値が付かずストップ高比例配分。半面、直近で債務超過解消見込みとなったことを手掛かりに騰勢を強めていたレオパレス21が、上昇一服となって大きく値を崩した。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり215/値下がり1569。海運の商船三井や日本郵船が逆行高。岸田首相がバイデン米大統領との会談後の会見で防衛費を増額する姿勢を強調したことから、三菱重工や東京計器など防衛関連の一角に資金が向かった。これらの強い動きからの連想で、名村造船や内海造船など造船株に動意が見られた。証券会社のリポートを材料にバンナムHDやDMG森精機が大幅高。エネチェンジが目標株価引き上げを受けて10%近い上昇となり、ストップ高をつける場面もあった。  一方、証券会社が投資判断を引き下げたリクルートが6%を超える下落。米スナップの時間外の急落がグロース株への警戒を高め、レーザーテックやメルカリが大きめの下げとなった。楽天Gは傘下の証券会社の上場準備開始を発表して買いが先行したものの、日経新聞の社長インタビュー記事で携帯料金0円プラン廃止に伴う業績不透明感が強まったとの見方もあって2%を超える下落。月次がさえなかった西松屋チェーンやしまむらが大幅安となった。ヘリオスは前日からの売りが止まらず、2日続けてストップ安比例配分となった。  日経平均は大幅安。23日の米国株は大幅高で終えており、下げる理由があるとすればスナップの時間外の急落を挙げるしかない。これがSNS関連だけでなく、米株全般の売り材料となることを警戒し、米株先物の弱さを横目で見ながら、国内でも広範囲の銘柄に売りが広がった。特に、ここ最近値動きが良かったものに、潮が引いたかのように大幅安となったものが多い。「足元の日本株は米国株に比べるとしっかりしている」と多くの市場参加者が感じているとは思われるが、こうも簡単に崩れるようだと、その見方を修正しないといけないかもしれない。  米国では本日はベスト・バイ、25日はエヌビディア、26日はコストコなど、注目度の高い企業の決算発表が続く。発表企業数は少ないが、その分、先週のターゲットのように一企業の決算にその日の米国株が大きく振らされる可能性があり、日々のダウ平均やナスダックの振れ幅は大きくなりそう。本日、米国株が下げるであろうことは、米株先物の動きで織り込んでいる。そのため、あすの日本株は米株が弱かったとしても、ある程度は耐性を示さないといけない。きょうはさえない動きにはなったが、終値(26748円)は5日線(26760円、24日時点、以下同じ)や25日線(26726円)に近く、チャート形状が大きく崩れたわけではない。この近辺で踏みとどまる展開に期待したい。
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