明日の戦略-大幅高スタートも買いは続かず、半導体株の弱さが重荷に

2022/06/22(水) 16:52
 22日の日経平均は反落。終値は96円安の26149円。米国株の大幅高や円安進行を手がかりに、寄り付きは200円近い上昇。しかし、寄り付き直後を高値に開始早々から失速した。26500円に迫りながらもこれを超えられなかったこと、大型半導体株の弱さが目立ったこと、米株先物が弱かったことなどが嫌気された。前場ではマイナス圏に沈むと押し目買いが入り、前引けでは小幅ながらプラスを確保した。一方、後場はマイナス圏が定着。小安い水準でもみ合う時間が長かったが、終盤にかけて下押し圧力が強まり、安値圏で取引を終えた。  東証プライムの売買代金は概算で2兆5700億円。業種別では医薬品、ゴム製品、電気・ガスなどが上昇した一方、鉱業、海運、卸売などが下落した。モメンタムの強い銘柄に資金が集中しており、前日ストップ高となったエネチェンジが大幅高。ただし、地合いが悪化する中、買いを集めたのは一握りにとどまっており、前日急伸したレノバは利益確定売りに押されて大幅安となった。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり670/値下がり1099。エネチェンジ同様、足元のモメンタムが強いダブルスコープが、ローソク足では上に長いヒゲをつけながらも4%を超える上昇。ドル円の136円台乗せを受けて、三菱自動車、マツダ、SUBARUなど自動車株が買いを集めた。決算が好感されたツルハHDが値を飛ばしており、ウエルシアやコスモス薬品などドラッグストア全般に物色が向かった。武田やアステラス、ロート製薬が全般堅調。三井住友FGによる出資観測が報じられたSBIHDが大幅高となった。  一方、東京エレクトロンが3%を超える下落となり、年初来安値に接近。INPEXや海運3社など市況関連が大きく売られた。オーストラリアの一部の州の政策変更が石炭関連にネガティブとの見方が浮上し、三菱商事や三井松島、双日が急落。メルカリが4%安となったほか、JTOWER、ウェルスナビ、HENNGEが大きく値を崩すなど、個人投資家人気の高いグロース株が売り込まれた。6月に入って人気化していたサイバーステップは、買い先行も急失速してストップ安まで売り込まれた。  日経平均は反落。米国株が大幅高となるであろうことはきのう先取りしていたため、下落で終えたのはそこまで悲観することではない。ただ、きょうの東京エレクトロンの大幅安は気がかりだ。ここにきて、グロース株の中でも特に大型半導体株の弱さが目立つ。レーザーテックや東京エレクトロンは売買代金上位銘柄の常連で、これらの値動きが全体市場を刺激することも多い。PERでみるとレーザーテックはまだ高いが、東京エレクトロンやアドバンテストは10倍台前半で、割高感は解消されている。これらが大きく反発しないまでも、下値模索の状況を脱してこないと、日本株全体でも買いづらさが意識されることになる。  本日、米国ではパウエルFRB議長が上院で議会証言を行う。6月FOMCを通過した直後でもあり、議長からはタカ派色の強い発言が多く出てくるかもしれない。米国株は大幅高となった翌日でもあり、発言内容次第では下に値幅が出る可能性はある。ただ、きょうの日本株は、弱い米株先物を見ながらそのシナリオを一定程度は織り込んでいる。本日の米国株が下落したとしても常識的な下げであれば、あすの日本株への悪影響は限定的だろう。きょうの日経平均は場中の動きがさえなかっただけで、終値は96円安の26149円と2桁の下落にとどまった。26000円台をキープできるかが注目される。
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