明日の戦略-グロース株買いが盛り上がり地合いが改善、来週も戻り基調が継続か

2022/06/24(金) 17:04
 24日の日経平均は大幅続伸。終値は320円高の26491円。米国株高を受けて上昇スタート。開始早々に下げに転じたが、すぐに切り返すと場中はじわじわと上げ幅を広げた。米国の長期金利低下を受けてマザーズ指数やグロースコア指数が大幅高となり、大型のグロース株もこれに刺激されて半導体株などが強い上昇。売りを出しづらい地合いが醸成された。前場で200円近く上昇すると、後場に入っても買いの勢いは緩まず上げ幅を300円超に拡大。14時過ぎには26500円を上回った。節目到達後は横ばい推移となり、終値ではわずかに26500円を下回ったものの、ほぼ高値圏で取引を終えた。マザーズ指数が5.7%高、グロースコア指数が8.2%高と、新興指数が派手に上昇した。  東証プライムの売買代金は概算で2兆9500億円。業種別では海運、化学、サービスなどが上昇した一方、石油・石炭、保険、空運などが下落した。インドに開発拠点を設立したと発表したメルカリが、グロース株向きの流れに乗って12.2%高と急騰。半面、上期が大幅な減収減益となったオプトエレクトロニクスが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1336/値下がり446。レーザーテックが6.2%高、信越化学が4.3%高、東京エレクトロンが4.0%高と、半導体株が大幅上昇。それぞれ材料のあったレノバとダブルスコープが商いを伴って急騰し、レノバはストップ高となった。永守重信氏が再建に向けて力を入れていると報じられたOKKが10.5%高となり、親会社の日本電産も6.5%高。本日が株主総会の開催日であったソフトバンクGが、総会の内容が伝わるにつれて買いを集めた。新興グロース株が賑わっており、メドレー、ビジョナル、JTOWERなどが2桁の上昇率。窪田製薬がストップ高となった。  一方、米国の長期金利が低下したことから、三菱UFJ、第一生命、T&Dなど金融株が軟調。米国でエネルギー株が弱かったことから、ENEOSや出光興産など石油卸が売りに押された。IHIや三菱重工など防衛関連が大幅安。円安に一服感が出てきたことから自動車株は全般売りに押されており、直近の動きが強かった三菱自動車が8.6%安と大きく値を崩した。新興グロース株が強烈に見直される中、直近上場の一角からは資金が抜けており、エニーカラーや坪田ラボが大幅安となった。  本日東証グロースに新規上場したマイクロ波化学は、売り気配からのスタートとなった。しかし、寄った後はグロース株向きの地合いの中で人気化し、ストップ高まで買い進まれた。  日経平均は大幅高となり、一時26500円台を回復。ただ、きょうはとにかくマザーズ指数とグロースコア指数が強かった。なぜここまでといった感もあるが、米国の10年債利回りは、3.5%に接近していたところから、足元では3.1%を割り込むまで低下。来週は7月相場に入るが、米国の6月雇用統計の発表は7月1日ではなく8日で、米金利を大きく刺激しそうな同指標を確認するまで、まだ時間がある。幕間つなぎであってもグロース株が見直されやすい土壌はあった。マザーズ指数(終値:671.67p)、グロースコア指数(770.93p)ともに、きょうの上昇で25日線(マザーズ指数は656.76p、グロースコア指数は756.22p、24日時点)を上回った。どちらも戻り高値を6月9日につけており、この日の高値はマザーズ指数が700.75p、グロースコア指数は821.75p。ここを早期に超えてくるようなら、さらに上昇に勢いがつく可能性がある。 【来週の見通し】  堅調か。日経平均は今週、5月の安値を下回ったものの、そこで切り返して26500円近辺まで水準を切り上げた。米国の長期金利低下で新興グロース株に見直し買いが入ったほか、下値模索が続いていた大型半導体株にも持ち直す動きが見られた結果、多くの銘柄に下げ止まり感が出てきている。米国株式や長期金利のほか、為替や原油価格もまだ不安定な動きは続きそうではある。しかし、日本株はそれらに上手くアジャストして、それぞれの局面で買える銘柄・業種が強い動きを見せることで、良好な地合いを維持すると予想する。3月期決算企業の配当支払いがピークを迎え、再投資期待も高まりやすいタイミング。多少の値動きの荒さは許容しつつ、戻り基調が継続するだろう。 【今週を振り返る】  堅調となった。日経平均は週明け20日に大幅高スタートから急失速して大幅安と荒い動きとなり、5月の安値を下回った。しかし、翌21日は欧州株高などを支えに大幅高。26000円を大きく上回ってきたことで、前週からの下げ基調が終了したとの見方が強まった。注目されたパウエルFRB議長の議会証言では、金融引き締めへの警戒よりも景気後退への警戒の方がより強まり、米国の長期金利や原油価格に上昇一服感が出てきた。これらの動きを受けて週半ばは方向感が定まらなかったものの、24日にはグロース株が金利低下に強い反応を示して大幅高。日経平均は26500円台に乗せる場面もあり、週間でも上昇した。週間では約528円の上昇となり、週足では陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、日銀金融政策決定会合の「主な意見」 (6/16~17開催分)(6/27)、5月商業動態統計(6/29)、5月鉱工業生産、5月住宅着工統計(6/30)、5月失業率、5月有効求人倍率、6月都区部消費者物価指数、6月日銀短観(7/1)などがある。  企業決算では、、しまむら、壱番屋、オークワ、あさひ(6/27)、スギHD、ハローズ、パイプドH、ピックルス、銚子丸、ヒマラヤ、NaITO、パレモ・HD(6/28)、ナガイレーベ(6/29)、Jフロント、ダイセキ、高島屋、DCM、平和堂、WNIウェザー、ケーヨー、スターマイカHD、マルマエ、ダイセキソリュ、三陽商、FフォースG、セキチュー、ソーバル、識学(6/30)、ニトリHD、アスクル、象印、トシンG、霞ヶ関キャピタル(7/1)などが発表を予定している。  海外の経済指標の発表やイベントでは米5月耐久財受注(6/27)、米4月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米6月消費者信頼感指数(6/28)、米1-3月期GDP確報値、NATO首脳会議(~6/30)(6/29)、中国6月製造業PMI、米5月個人所得・個人消費支出(6/30)、中国6月財新製造業PMI、米6月ISM製造業景気指数(7/1)などがある。
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