明日の戦略-大幅安スタート後は下げ渋る、米国株への売りが止まるかが焦点に

2022/06/29(水) 16:42
 29日の日経平均は5日ぶり大幅反落。終値は244円安の26804円。米国株の大幅安を受けて、200円超下げて始まった。そこから下げ幅を300円超に広げたが、高値と安値を開始1時間でつけると、以降はマイナス圏での一進一退が続いた。本日はTOPIXの浮動株比率変更に伴い大引けにかけてリバランス需給が発生することが広く知れ渡っていたことから、大きく下げても戻りは限られた。一方、前日まではしっかりとした動きが続いていたことから、売り崩すような動きも見られなかった。後場も大きな波乱はなく、終盤にかけてはやや下げ幅を縮小。寄り付き(26814円)にほぼ近い水準で取引を終えた。  東証プライムの売買代金は概算で3兆8700億円と商いは膨らんだ。業種別では電気・ガス、空運、陸運などが上昇した一方、ゴム製品、鉱業、海運などが下落した。電力需要ひっ迫を材料に東京電力ホールディングスへの買いが続いており、5%を超える上昇。反面、INPEXは原油価格上昇や米エネルギー株高を受けて買いが先行したものの、マイナス圏に沈んで2%を超える下落となった。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり787/値下がり987。JAL、ANA、JR東日本、京成電鉄など、運輸株が強い上昇。資生堂、コーセー、ファンケルなど化粧品株の動きが良かった。自己株取得を発表したスギHDが急伸し、クスリのアオキやウエルシアなどドラッグストア株の多くが連れ高。マツキヨココカラは年初来高値を更新した。月次好調のアスクルが8%を超える上昇。大型株には手掛けづらさもあった中、EDPやM&A総研など直近IPO銘柄に資金が向かい、坪田ラボがストップ高となった。  一方、ナスダックの大幅安を受けて、東京エレクトロン、村田製作所、太陽誘電など、主力ハイテク株の多くが大幅安。メルカリ、BASE、ビジョナルなど、グロース色の強い銘柄も大きく売られた。川崎汽船や日本郵船など海運株が軟調。ピックルスやヒマラヤが決算を材料に値を崩した。本日は6月の権利落ち日で、ブリヂストン、住友ゴム、TOYO TIREなどタイヤ株は軒並み見た目の下げが大きくなった。  本日東証グロースに新規上場したマイクロアドは、公開価格割れからのスタートとなり、終値も初値を下回った。  日経平均は大幅安。ただ、寄り付き(26814円)と終値(26804)の差は10円程度しかなく、米国株安を受けて水準を切り下げた後は、大きくは崩れなかった。前場の安値26687円がそのままきょうの安値となっており、5日線(26677円、29日時点)は割り込むことなく終了。健闘した1日であったと言える。  きょうはTOPIXの浮動株比率変更に伴うリバランス需給が意識され、場中はこう着感が強まった。これがなければ安く始まった後はもう少し下げ幅を縮めていたのではないかと思われる。目先でもう一つ、市場関係者が注目している需給イベントがある。ETFの配当金ねん出売りで、今年は7月8日に売り需要が集中するとみられている。7月8日は米国の6月雇用統計発表日で、ただでさえ投資家は身構えることになりやすい。この近辺では指数の振れ幅が大きくなるかもしれないということは、留意しておく必要がある。  ダウ平均は先週、週間で1611ドル(+5.4%)上昇したが、今週は2営業日で553ドル下落している。先週の大幅高に関しても、その前に売り込まれた反動といった側面が大きい。5月第4週(5/23~27)に週間で1951ドル(+6.2%)上昇しながら、これで底打ちとはならなかった。この時よりも上昇の度合いが小さい上に、週が変われば簡単に売られるとなると、米国株の底打ち時期はまだまだ遠いとの見方が強まる。米国株が下げ止まらないのであれば、いくら日本株が底堅く推移しても、ちょっとしたきっかけで売られやすくなる。上述のとおり来週は相場が不安定となる要素もあるだけに、ダウ平均(28日終値:30946ドル)が節目の3万ドル近辺で踏みとどまることができるかが注目される。
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NYダウ 38,460.92 -42.77
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ドル/円 155.66 +0.35
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