明日の戦略-バリュー株が崩れて大幅安、米長期金利の動向に注目が集まる

2022/07/06(水) 16:45
 6日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は315円安の26107円。休場明けの米国株はまちまちとなったが、東京市場では原油価格の急落や米長期金利の低下を受けて景気後退への警戒が強まる展開。市況関連株が下げを先導して、寄り付きから200円を超える下落となった。主力どころの銘柄に大きく売られるものが多く、前場では下値模索が続いた。ただ、下げ幅を300円超に広げて26000円に接近したところで売りは一巡。後場は動意が乏しくなり、安値圏でのもみ合いに終始した。大型株の手掛けづらさが意識される中で資金は新興グロース銘柄に向かっており、マザーズ指数が2%近い上昇、グロースコア指数が4%近い上昇となった。  東証プライムの売買代金は概算で3兆0700億円。業種別では医薬品、精密機器、海運などが上昇した一方、鉱業、石油・石炭、保険などが下落した。新型コロナウイルスの感染再拡大が意識されてマスク関連の川本産業<3604.T>が急騰。半面、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>、オープンドア<3926.T>など旅行関連が大きく値を崩した。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり506/値下がり1282。米長期金利の低下やナスダックの上昇を手掛かりに、レーザーテック、エムスリー、メルカリなどグロース株の主力銘柄が大幅上昇。東証グロース市場では売買代金上位銘柄の多くが買われており、中でもそーせい、シンバイオ製薬、キャンバスなどバイオ関連の動きが良かった。エーザイがリリースを材料に5%を超える上昇。業績好調が確認できたウエルシアやラクトジャパンが急騰した。  一方、原油価格の急落を受けて、INPEXが10%安。ENEOS、三井物産、三菱商事など原油との連動性が高い銘柄も売り込まれた。住友鉱山やDOWAなど非鉄株も軒並み安となっており、前日急伸した東邦チタニウムや大阪チタニウムも急落。金利が上がりづらくなるとの見方から、三菱UFJ、三井住友、第一生命、T&Dなど金融株の下げが大きくなった。米キャタピラーの株価下落が嫌気されてコマツや日立建機など建機株が大幅安。猛暑を材料とした物色に一巡感が出てきたことから、直近で騰勢を強めていた東電HDが急落した。  日経平均は大幅安。きょうを境にバリュー株に対する見方が大きく変わりそうな雰囲気もあるくらい、バリュー株の多くが売り込まれた。今晩、米国では6月開催のFOMC議事録が公表される。議論の中身はタカ派的であったと思われるが、米国の債券市場がどういった反応を見せるかが注目される。FRBの金融引き締め姿勢を再認識して長期金利が大きく上昇するようであれば、あすの日本株の物色は、きょうと真逆でバリュー株を買い戻し、グロース株を手放す流れになるだろう。一方、長期金利がそれほど上がらない場合には、既に6月とは状況が大きく変わったとの見方から、きょう強かったグロース株をもう一段買い上がる展開が想定される。週末8日に米雇用統計の発表が控えているため、後者の場合でもそれでグロース株が大底を打ったと判断するのは早計。ただ、これまで散々敬遠されてきたグロース株の動きが変わってくるようなら、日本株全体でも押し目を拾う動きが活発になってくると考える。
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