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AIは株式投資の歴史を変えるのか

■ ビッグデータを信用取引に活用

鈴木 もうひとつの新しいサービスは「逆日歩予報」ですね。こちらはどのようなサービスなのでしょうか。
丸山 「逆日歩予報」のサービスは、「AI 株価トレンド予報」とは異なっていて、こちらはビッグデータ分析を活用しています。
逆日歩(ぎゃくひぶ)は、信用取引を利用されている方はすぐにおわかりになるでしょうが、売り方にある日突然発生し、想定外のコストになることがあります。

鈴木 「逆日歩」は概念からしてむずかしいですね。
丸山 そうなのです。信用取引の売りでは、売るための株を借りる必要があります。借りる株は、通常は証券会社などが保有している株を提供し、借り手は金利を支払うのが通常です。この場合、金利の支払いのみで、品貸料(逆日歩)は、発生しません。しかし、信用売りの件数が増加した際に、証券会社や日証金の保有株式では間に合わず、生命保険会社などの機関投資家に株を借りる場合があります。その際に、機関投資家に支払う品貸料が、逆日歩になります。逆日歩は、一定の決まった金額で手数料が発生するものではなく、信用取引の集中度合い等により金額が変動するため、取引時点では金額が不明です。取引終了後、品貸料を総計し、1株当たりの金額を計算するため、逆日歩の金額は、翌営業日に知らされるのです。
コスト面で重要となる逆日歩なのですが、信用取引における株券の貸し借り、品貸料がかかるかどうか、という部分は実はきわめて「ローテク」な作業で処理されていることが多いのです。



鈴木 ローテクというとそもそも「逆日歩」とはどのように決まるのですか。
丸山 先ほど申し上げました通り、逆日歩は、機関投資家への品貸料により、決まります。品貸料は、状況に応じた機関投資家との交渉によって決定し、決まった金額というものがありません。実際の信用取引の取引がどのくらいになったのか、どの程度、株式が品薄になったのかによって価格が変動するため、取引終了後でないと分からないという要素が非常に大きいのです。金額の決定は、個別の交渉による部分が大きく、システム的というより、ローテクといった方がふさわしいでしょう。
当社の「逆日歩予報」サービスは、個別の株式に対し、逆日歩の発生確率と、発生した場合の大きさをビッグデータ分析で予測し、Web で提供する当社独自のサービスです。

鈴木 逆日歩が大きく発生する前日に、売り建てをしていると、金額によってはけっこう厳しいことになりますね。
丸山 そうなのです。特に最近では、株主優待を厚く提供している銘柄の人気が高く、そのような銘柄は投資家の間では、株券を長く保有し続けるというインセンティブが強いため、恒常的に品薄状態になりがちです。
そうすると、株主の権利が確定する直前の数日間はたいへんな品薄状態になりやすく、へたをすると逆日歩がかさんでかなり大きなコストになってしまいます。短期的な投資家としては逆日歩でひどいことになりかねない問題をはらんでいます。
しかしこれも逆に考えれば、そこには確実にある種の顧客ニーズが存在していることになります。逆日歩が発生しそうな銘柄を事前に予測する、その逆日歩がいくらくらいになりそうなのかまで予測する。そこから今回の逆日歩予報」という新たなサービスを開発するアイディアが生れました。
本来ローテクな手順で計算されている逆日歩を、ハイテク技術を使って予測するという、かなり特殊な案件になりそうなことは最初から覚悟した上で、大手システムベンダーとかなり気合いを入れて開発した経緯があります。

鈴木 実際にはどのような頻度で逆日歩の発生を予測しているのですか。
丸山 現在はお試し版として、月1回、逆日歩の発生をお知らせしています。逆日歩が集中的に発生するのは月末の権利付き最終日です。その日に今は限定しています。

鈴木 的中率に対する評価は、いかがですか。
丸山 一般に逆日歩が出るか出ないか、という要素は、銘柄によって事情がまったく異なります。その企業の発行株式総数の多寡もありますが、その日までの株価の推移や投資家の構成、大株主の構成も影響します。
それらの要素をすべてビッグデータとして蓄積し、「逆日歩予報」を算出していますが、かなり高い精度で的中しています。
5月以降にリリース予定の正式版では、2000 銘柄超の銘柄について、毎日、予報を提示する予定なので、信用取引をされる投資家の皆様には、かなり便利なツールになるのではと考えています。



鈴木 投資家としては、「逆日歩予報」をどのように活用すればよいでしょうか。
丸山 たとえば信用取引で売り建てをしている場合、「売り建て玉を手仕舞う」かどうかを判断する一つの指標として、逆日歩予報を活用することができます。しかしその時点での信用評価損益との兼ね合いで、そう単純にはいかない場合もあります。
現物取引だけを行っている場合でも、つなぎ売りを絡めたポジションを1日だけ組む人も多いものです。その場合、逆日歩の発生が予測されるのであれば、実際にそうなる前に信用取引の、特に売り建てはやめておくと言う投資家もいるはずです。
逆に逆日歩の発生によって、いわゆる「スクイーズ」(売り方に対する締め上げ)が起こることを見計らって行動する人もいるでしょう。

鈴木 株主優待の人気も高いので、「逆日歩予報」はその点でも活用できそうですね。
丸山 そうですね。株主優待を取りに行くべきかどうか、判断に迷う方には、活用いただけるのではないでしょうか。
逆日歩が出るとわかっていても、それでもかまわず「現物買い・信用売り」というつなぎ売りを行いながらあくまで優待狙いでいくのか。その場合に何%くらいのリターンが得られて、逆日歩によって負担すべきコストはいくらくらいになるのか。
逆日歩で何%のマイナス、配当利回りで何%のプラス、その比較を個人で計算して取引を行うことが容易になるはずです。ここまでくると相当のベテラン投資家の領域に入ってきますね。

鈴木 ビッグデータ分析で逆日歩の発生を予測するようになると、今後は逆日歩を出さないように投資家の行動が変わることも理論的にはあり得るでしょうね。
丸山 その可能性も十分にあります。本来予測がむずかしかった逆日歩が、予測できるようになると、ご指摘のように、逆日歩を発生させないように投資家が自ら行動するようになることが考えられます。
それとは反対に、あえて逆日歩を発生させようという動きも起こり得ることになります。

鈴木 サービス開始以来、どれくらいの方が利用されているのですか。
丸山 昨年12 月にリリースして以来、サービス利用者数の登録は一気に増えました。
このうちすでに信用取引を行っている人が大半を締めます。残りの方は、信用取引はしないけど逆日歩の発生状況が知りたくて登録していることになります。
当社のダイレクトコースのお客さまは、信用取引の株式委託手数料が「ゼロ」です。売買に関する手数料はかかりません。業界でもここまで下げているところはありませんが、必ずしも「手数料ゼロ」だけを訴求するつもりはございません。あくまで「逆日歩予報」等、様々なサービスを含めたSMBC日興証券の総合的な利便性のよさを感じていただければと考えております。



鈴木 信用取引を通じて、株式投資のバリエーションが増えますね。
丸山 信用取引は上手に利用すれば、損失を事前に防ぐには実に有効なツールだと考えています。下げ相場にも売り建てで対処できますし、現物株に対するつなぎ売りも有効です。
株式売買における損失が軽減できれば、投資そのものにも余裕が生まれて、より的確な投資判断につながってゆくはずです。
「逆日歩予報」のシステムは、最初のアイディアからリリースまで時間を要し、やっとサービスとして提供できるまでに作り上げました。大手システムベンダーと本気で開発に取り組んだからこそ、こここまでの精度が高いサービスを構築することができたと思います。
よいパートナーと組むことができたからこそ実現したサービスであると自負しています。

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