マーケットの話題
明日の戦略
1勝2敗でも週間ではプラス、来週は個別物色が盛り上がる
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり645/値下がり936。米国では半導体株の弱さが目立ったが、レーザーテックが2%を超える上昇。東電HD、北海道電力、関西電力など電力株の動きが良かった。売買代金上位では第一三共や伊藤忠が大幅上昇。上方修正と増配を発表したAOKIHDやタカラトミーが急伸した。H2Oリテイリング、Jフロント、高島屋など、月次を発表した百貨店株に強い動きが見られた。
一方、今期の減益計画を提示したイビデンが12.3%安。全市場の売買代金でトップ10入りするなど、値幅が出る中で商いも膨らんだ。米長期金利の低下を受けて三井住友や三菱UFJなど銀行株が軟調。ドル円が鋭角的に円高に振れる場面があったことから、マツダやSUBARUなど自動車株の一角が売りに押された。決算説明会で研究開発費を縮小することが伝わった住友ファーマが大幅安。月次が失望となったKeePer技研が急落した。
日経平均は小幅安。注目のFOMCでは、パウエルFRB議長が会見で先の利上げを否定した。米国株の反応は案外であったが、このことは当面のグローバル株式市場を見る上での安心材料となる。米国では年内3回の利下げの可能性が低下したとたんに、「年内は利下げなし」、「それどころか次は利上げ」といった論調が出てきて、マーケットが混乱した。利上げの可能性が低下するのであれば、米10年債利回りが高止まりしたとしても5%に乗せるような動きにはなりづらい。この先、グロース株の動きが良くなってくるかどうかに注目しておきたい。
【来週の見通し】 堅調か。月曜が休場で立ち合いは4日。国内は決算発表が目白押し。トヨタ、任天堂、川崎汽船など注目度の高い企業の発表が多く、中身を消化するのは翌週となるが、金曜10日には東京エレクトロンの発表が予定されている。米国では決算発表が終盤戦に入り、長期金利を刺激しそうな指標の発表は少ない。FOMCを通過したことで、日本株は良くも悪くも外部環境には鈍感となり、個別物色の活況が続くだろう。日経平均は4月中旬以降は戻り基調が続いており、TOPIXは今週に入って25日線を上回った。下振れに対する警戒が和らぐ中、下げづらく上げやすい地合いが続くと予想する。
【今週を振り返る】 堅調となった。月曜と金曜が休場で立ち合いは3日。休場の間の米国株が強かったことから、日経平均は3連休明けの4月30日に400円を超える大幅上昇。29日に為替介入が意識されるレベルでドル円が派手に動いたが、これにより為替の投機的な売買が抑制されるとの見方が強まったことも株買いを後押しした。FOMCの結果発表を前に米国株が警戒売りに押されたことから、5月1日は3桁の下落。2日は米国株の失速や不安定なドル円の動きを警戒して大幅安スタートとなったが、FOMCを通過して米長期金利が低下したことから押し目では買いが入り、小幅安で終えた。日経平均は1勝2敗も、4月29日の大幅高が貢献して週間ではプラス。週間では約301円上昇した。週初の発射台が高かったことから、週足では十字に近いながらも陰線を形成した。
一方、今期の減益計画を提示したイビデンが12.3%安。全市場の売買代金でトップ10入りするなど、値幅が出る中で商いも膨らんだ。米長期金利の低下を受けて三井住友や三菱UFJなど銀行株が軟調。ドル円が鋭角的に円高に振れる場面があったことから、マツダやSUBARUなど自動車株の一角が売りに押された。決算説明会で研究開発費を縮小することが伝わった住友ファーマが大幅安。月次が失望となったKeePer技研が急落した。
日経平均は小幅安。注目のFOMCでは、パウエルFRB議長が会見で先の利上げを否定した。米国株の反応は案外であったが、このことは当面のグローバル株式市場を見る上での安心材料となる。米国では年内3回の利下げの可能性が低下したとたんに、「年内は利下げなし」、「それどころか次は利上げ」といった論調が出てきて、マーケットが混乱した。利上げの可能性が低下するのであれば、米10年債利回りが高止まりしたとしても5%に乗せるような動きにはなりづらい。この先、グロース株の動きが良くなってくるかどうかに注目しておきたい。
【来週の見通し】 堅調か。月曜が休場で立ち合いは4日。国内は決算発表が目白押し。トヨタ、任天堂、川崎汽船など注目度の高い企業の発表が多く、中身を消化するのは翌週となるが、金曜10日には東京エレクトロンの発表が予定されている。米国では決算発表が終盤戦に入り、長期金利を刺激しそうな指標の発表は少ない。FOMCを通過したことで、日本株は良くも悪くも外部環境には鈍感となり、個別物色の活況が続くだろう。日経平均は4月中旬以降は戻り基調が続いており、TOPIXは今週に入って25日線を上回った。下振れに対する警戒が和らぐ中、下げづらく上げやすい地合いが続くと予想する。
【今週を振り返る】 堅調となった。月曜と金曜が休場で立ち合いは3日。休場の間の米国株が強かったことから、日経平均は3連休明けの4月30日に400円を超える大幅上昇。29日に為替介入が意識されるレベルでドル円が派手に動いたが、これにより為替の投機的な売買が抑制されるとの見方が強まったことも株買いを後押しした。FOMCの結果発表を前に米国株が警戒売りに押されたことから、5月1日は3桁の下落。2日は米国株の失速や不安定なドル円の動きを警戒して大幅安スタートとなったが、FOMCを通過して米長期金利が低下したことから押し目では買いが入り、小幅安で終えた。日経平均は1勝2敗も、4月29日の大幅高が貢献して週間ではプラス。週間では約301円上昇した。週初の発射台が高かったことから、週足では十字に近いながらも陰線を形成した。
指標 | 現値 | 前日比 | 騰落率 | 始値 | 高値 | 安値 |
---|---|---|---|---|---|---|
為替(ドル/円) | 155.38 | +0.15 | +0.10% | 155.22 | 156.28 | 154.21 |
日経平均(日足)
後場概況
日経平均は続落 住友商事が後場一段高
2日の日経平均は続落。終値は37円安の38236円。注目のFOMCでは大方の予想通り政策金利は据え置きとなった。パウエルFRB議長から先の利上げを否定するような発言が出てきたことから米国の10年債利回りは低下したが、米国では半導体株が弱かったこともあり、3指数は終盤に崩れてまちまちで終えた。
米国株の引け味が悪かったこと、FOMCの結果を受けた後にドル円の動きが荒くなって介入が意識されたことなどから、寄り付きは200円を超える下落。開始直後には下げ幅を300円超に広げた。ただ、節目の38000円を割り込んだところでは切り返し、安値は早い時間につけた。11時近辺ではプラス圏に浮上。プラス圏は定着せず、後場は前日終値を挟んでの一進一退が続いた。終盤にかけての動きがやや弱く、小幅な下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆2000億円。業種別では電気・ガス、不動産、保険などが上昇した一方、海運、空運、倉庫・運輸などが下落している。今期の大幅最終増益計画や自己株取得・消却などが好感された住友商事<8053.T>が後場に一段と買いを集めて大幅高。半面、今期の最終減益見通しを提示した三菱商事<8058.T>が後場にマイナス圏に沈んでおり、決算発表前に期待買いが入っていた商社2銘柄は明暗分かれる動きとなった。
米国株の引け味が悪かったこと、FOMCの結果を受けた後にドル円の動きが荒くなって介入が意識されたことなどから、寄り付きは200円を超える下落。開始直後には下げ幅を300円超に広げた。ただ、節目の38000円を割り込んだところでは切り返し、安値は早い時間につけた。11時近辺ではプラス圏に浮上。プラス圏は定着せず、後場は前日終値を挟んでの一進一退が続いた。終盤にかけての動きがやや弱く、小幅な下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆2000億円。業種別では電気・ガス、不動産、保険などが上昇した一方、海運、空運、倉庫・運輸などが下落している。今期の大幅最終増益計画や自己株取得・消却などが好感された住友商事<8053.T>が後場に一段と買いを集めて大幅高。半面、今期の最終減益見通しを提示した三菱商事<8058.T>が後場にマイナス圏に沈んでおり、決算発表前に期待買いが入っていた商社2銘柄は明暗分かれる動きとなった。
前場概況
日経平均は反発 大幅安スタートからプラス転換
2日の日経平均は反発。前引けは25円高の38299円。米国株が終盤に急失速して終えたことなどを嫌気して、寄り付きは200円を超える下落。開始早々には下げ幅を300円超に広げた。しかし、38000円より下では押し目買いが入り、早い時間に下げ止まった。幾分戻した後、しばらくマイナス圏でもみ合ったが、11時辺りから動きが良くなってプラス圏に浮上。そのままプラスを確保して高値圏で前場を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆0800億円。業種別では卸売、電気・ガス、不動産などが上昇している一方、海運、銀行、ガラス・土石などが下落している。前期の業績および期末配当の見通しを引き上げたタカラトミー<7867.T>が急伸。半面、4月度の月次で既存店売上高が前年割れとなったKeePer技研<6036.T>が急落している。
東証プライムの売買代金は概算で2兆0800億円。業種別では卸売、電気・ガス、不動産などが上昇している一方、海運、銀行、ガラス・土石などが下落している。前期の業績および期末配当の見通しを引き上げたタカラトミー<7867.T>が急伸。半面、4月度の月次で既存店売上高が前年割れとなったKeePer技研<6036.T>が急落している。
今日の株式見通し
軟調か 米半導体株安や為替の急変動が重荷
東京市場は軟調か。米国株はまちまち。ダウ平均が上昇し、S&P500とナスダックが下落した。ダウ平均は87ドル高の37903ドルで取引を終えた。FOMCでは大方の予想通り政策金利は据え置かれた。パウエルFRB議長が記者会見で次の一手は利上げではないだろうと発言しており、10年債利回りが低下。ダウ平均は上げ幅を500ドル超に広げる場面があった。ただ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズなど半導体株が弱く、終盤にかけては急失速。S&P500とナスダックはマイナス圏に沈んだ。
米長期金利の低下を受けて、為替市場ではドル安・円高が進行。ただ、157円台で推移していたところから一時153円台に突入するなど振れ幅が大きくなっており、介入が入ったとの見方が浮上している。足元では155円20銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて245円安の37965円、ドル建てが230円安の37980円で取引を終えた。
米10年債利回りは低下したが、ナスダックは下落で終えた。米半導体株の大幅安や為替の急変動は警戒材料となる。あす3日には米国で為替や米金利を刺激しやすい4月雇用統計が発表される。CME225先物は下振れスタートを示唆しており、日本株は4連休を前にリスク回避の売りに押されると予想する。米金利が低下する中でも半導体株は買いづらい。また、NY原油が1バレル=80ドルを割り込むなど大きめの下げとなっており、市況関連も買いづらい。パウエルFRB議長の会見内容がマーケットフレンドリーであったことから安寄り後の売り圧力は限定的とみるが、決算発表銘柄以外は売り買い自体が手控えられるだろう。場中はマイナス圏でのもみ合いに終始すると予想する。日経平均の予想レンジは37800円-38200円。
米長期金利の低下を受けて、為替市場ではドル安・円高が進行。ただ、157円台で推移していたところから一時153円台に突入するなど振れ幅が大きくなっており、介入が入ったとの見方が浮上している。足元では155円20銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて245円安の37965円、ドル建てが230円安の37980円で取引を終えた。
米10年債利回りは低下したが、ナスダックは下落で終えた。米半導体株の大幅安や為替の急変動は警戒材料となる。あす3日には米国で為替や米金利を刺激しやすい4月雇用統計が発表される。CME225先物は下振れスタートを示唆しており、日本株は4連休を前にリスク回避の売りに押されると予想する。米金利が低下する中でも半導体株は買いづらい。また、NY原油が1バレル=80ドルを割り込むなど大きめの下げとなっており、市況関連も買いづらい。パウエルFRB議長の会見内容がマーケットフレンドリーであったことから安寄り後の売り圧力は限定的とみるが、決算発表銘柄以外は売り買い自体が手控えられるだろう。場中はマイナス圏でのもみ合いに終始すると予想する。日経平均の予想レンジは37800円-38200円。