明日の戦略-後場戻し切れず今年初の下落、目先は一進一退の展開か

2018/01/10(水) 16:38
 10日の日経平均は4日ぶり反落。米国株高を円高が打ち消す格好で軟調なスタート。前場ではプラス圏に浮上する場面もあったが、上値の重い展開が続いた。後場は早々に下を試した後は切り返して下げ幅を縮めたが、戻しきれず売り直された。銀行株や自動車株は強かった一方、ハイテク株は弱く、方向感が定まらないまま、引けまでマイナス圏で推移した。TOPIXはプラスで終えて4連騰。マザーズやジャスダック平均など新興指数はプラス圏でじり高基調が続いた。東証1部の売買代金は概算で2兆7900億円と今年初の3兆円割れ。業種別では石油・石炭、鉱業、パルプ・紙などが上昇した一方、食料品、精密機器、化学などが下落した。七十七銀行や北洋銀行など地銀株の一角に強い買いが入った。反面、後場に3Q決算を発表したトーヨーアサノは、通期の見通し据え置きが嫌気されてマイナス転換から下げ幅を広げた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり969/値下がり1007と売りが優勢。トヨタやホンダ、三菱自などが円高局面で大きく上昇し、市場の注目を大きく集めた。日経新聞の業績観測を受けて井関農機が大幅上昇。株式分割を発表したクロスフォーが急伸した。アイスタイルや歯愛メディカルは証券会社のリポートを手がかりにストップ高まで買われた。一方、下方修正発表のヨンドシーや、上期減益着地のクリエイトSDなど、決算失望銘柄が大幅安。東海カーボンは日経新聞で今期10年ぶりに最高益を更新すると報じられたが、高値圏で推移していたこともあり、株価は売りが優勢となった。ほか、12月度の月次が伸び悩んだ鳥貴族が急落した。  日経平均は今年初の下落。年初から3連騰で1000円以上上昇しており、下げ自体はネガティブではないが、早くも米国株の上昇に連動できなくなったことは物足りない。日米とも金利上昇が意識されており、金利上昇局面では、金融株には買いが入るがハイテク株は売られる。金利が低下すればその逆の動きとなりやすいため、短期的には方向感に乏しい地合いが続くと予想する。下は5日線(23524円、10日時点)を支えに23000円台後半で一進一退のイメージ。ハイテク株は3月決算企業の3Q業績発表が本格化する月後半あたりまでは上値が重いかもしれない。  ここからは決算発表が多く、きょう引け後にも良品計画やイオン、ローソン、サイゼリヤなど、注目度の高い企業の決算が発表されている。株高で市場の期待値が上がっている中で出てくる決算でもあり、各社の株価反応が注目される。見栄えがイマイチのものもあるが、そういった銘柄でも、下げて始まった後に買いが入るかなど、寄り付き以降の方向性を注視しておきたい。小売など内需銘柄の決算が多いが、為替が円高に傾いていることもあり、勝ち組企業に関しては、しばらく強い動きが続く可能性がある。
日本株の最新ニュース
マーケットデータ
日経平均 38,032.03 +403.55
TOPIX 2,687.96 +24.43
グロース250 645.37 +5.25
NYダウ 38,085.80 -375.12
ナスダック総合 15,611.76 -100.99
ドル/円 155.56 -0.08
プレミアム銘柄の最新情報
ページTOPへ