明日の戦略-後場下げ幅縮小も週間では3桁下落、方向感を探る地合いが続く

2019/05/24(金) 16:58
 24日の日経平均は続落。米国株が大きく崩れたことから、寄り付きから3桁下落で21000円を割り込んだ。しかし、開始早々に安値をつけた後はじわじわと値を戻す展開。前場では21000台を回復したところで戻りが鈍ったが、後場に入ると下値不安が和らぎ、下げ幅を2桁に縮めた。値下がりから値上がりに転じる銘柄も増える中、TOPIXは取引終盤にかけてプラス圏に浮上。日経平均は下落で終えたものの高値引けとなった。終値は33円安の21117円。東証1部の売買代金は概算で2兆1200億円。業種別では証券・商品先物、不動産、鉄鋼などが上昇した一方、鉱業、石油・石炭、海運などが下落した。連日で投資ファンドの買い増しが伝わったレオパレス21が19%高と急騰。半面、会員数の増加ペースに陰りが見られたSKIYAKIが後場一段安となり、ストップ安をつける場面もあった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1180/値下がり867と後場に入って値上がりが値下がりを上回った。米国動向からハイテクに厳しい展開が想定された中、マイナススタートから早い時間にプラス圏を回復した村田製作所は注目を大きく集めた。金融庁が業務改善命令を出すと報じられた野村HDも売り先行からプラス転換。スズキがインドの選挙結果を改めて好感する格好で3%超上昇した。自社株買いを検討しているとの日経記事を材料に三越伊勢丹が大幅高。中期経営計画を発表した幸楽苑やリログループが買いを集めた。一方、原油価格が急落したことから、国際帝石やJXTG、コスモエネルギーなどが大幅安。ハイテク株は下げ渋ったものも多かった中、日本電産や東京エレクトロンは大きめの下げとなった。キヤノンは下値模索が続き3%超の下落。直近で急伸していたイメージ情報開発やさいか屋が手じまい売りに押されて急落した。  日経平均は序盤に200円超下げたものの、引けでは33円安(21117円)と小幅な下げにとどまった。追い風の環境では上げきれないが、向かい風の局面では耐性を示した。きょうの動きが目立った村田製作所は、1月4日につけた安値を下回って年初来安値を更新したところで強い買いが入ってプラス圏まで戻しており、これで調整一巡感が強まるかどうか、来週の動向が注目される。日経平均は週間では132円下落しており、これで3週続落。令和相場に入ってから週間ベースではまだ上昇がない。先週にサポートとなった26週線(21184円、23日時点)を割り込んでおり、来週は踏ん張りどころ。21000円近辺でもたつくようだと、もう一段下を見に行く可能性はある。5月14日の安値20751円を割り込むことなく反転できるかに注目したい。 【来週の見通し】  もみ合いか。トランプ米大統領が28日まで来日予定だが、今回は首脳会談後の共同声明を見送るとの事前報道もあり、マーケットへの影響は限定的か。週後半に国内・海外で注目の指標が発表されるため、中盤までは動きが取りづらい。国内では31日に4月鉱工業生産指数など重要指標が多く出てくる。海外では米1-3月期GDP改定値(30日)と中国5月製造業PMI(31日)の注目度が高い。ただ、指標に対する反応も、内容が悪ければ失望と同時に政策期待が高まる一方、良かったからといって一気に楽観に傾く展開も想定しづらい。そのため、上値は重いが下値も堅いという地合いが続くと予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。1-3月期のGDPが市場予想を上回ったことがポジティブサプライズとはなったが、米中の対立激化が警戒される中では買いは続かなかった。米国が中国通信大手ファーウェイへの圧力を強める中、国内外でハイテク株が売りに押されたことが全体の重しとなった。一方、月例経済報告を前に消費増税見送りへの期待も高まり、下値は限定的。日経平均は21000円を下回る場面もあったが、押し目では買いも入った。週間では132円の下落となり、週足では陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、日米首脳会談(5/27)、4月企業サービス価格指数(5/28)、4月有効求人倍率、4月完全失業率、5月都区部消費者物価指数、4月鉱工業生産指数、4月商業動態統計、4月住宅着工統計(5/31)がなどがある。  決算発表は、プラネット、DyDo、ウチダエスコ(5/27)、スリープロ、タカショー(5/28)、日鉄鉱(5/29)、アイ・ケイ・ケイ、パーク24、内田洋、菱洋エレク(5/30)、東和フード、大和コン、はてな、トリケミカル、キタック、ダイサン、ACCESS(5/31)などが予定している。  海外では、米3月FHFA住宅価格指数、米3月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米5月消費者信頼感指数(5/28)、米1-3月期GDP改定値、米4月NAR仮契約住宅販売指数(5/30)、中国5月製造業PMI、米4月個人所得・個人支出(5/31)などが注目される。  米企業決算では、コストコ、ギャップ、ダラー・ツリー(5/30)などが発表を予定している。  なお、5/27の米国市場は戦没者追悼記念日(メモリアルデー)のため休場。英国市場はスプリング・バンク・ホリデーで休場となる。
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