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決算で株価は下落「これって買い?売り?」

決算で株価は下落「これって買い?売り?」

決算後の株価下落はトレードのチャンス

 企業動向を探るうえで無視できないイベントが決算発表です。およそ3カ月ごとに四半期決算が発表されますが、この時には株価が大きく動くことも多いです。今回は決算後に株価が下がった場合の売買タイミングについて、掘り下げていきます。悪い決算で株価が大きく下がる、これは妥当な反応と言えますが、中には、「良い決算だと思ったのに、株価は下がった」といったこともあるかと思います。

 見込んだ通りに行かないことが多いのが相場ではありますが、決算で多くの情報が出た後に株価が大きく下げたタイミングというのは、トレードチャンスでもあります。「決算で売られた、もうダメだ」ではなく、むしろ決算後の派手な値動きにどう対応するかが、長く勝ち続けるためには重要といえます。今回は過去のコラムでも取り上げた移動平均線や出来高などの切り口なども参考にしながら、決算後の株価下落をどう捉えたら良いかについて確認していきましょう。

その下げは利益確定かそれとも失望か

 決算後に株価が大きく下がる要因は、大きく
①利益確定売り
②失望売り
この2パターンに分けることができます。

①利益確定売り
決算後の下げが利益確定売りかどうかを見極めるポイントとしては
・出来高がそれほど増加しない→売り圧力が強くないと考えられる
・25日線などチャートの節目で下げ止まる→押し目を待っていた投資家が多い
といった点が挙げられます
以下はリクルート<6098>のチャートとなります。

決算発表後に大きく下落(赤丸部分)しましたが、25日移動線は割り込むことなく反転しました。また、下げる中でも出来高はそれほど増加しませんでした。売り急いでいる投資家が少なく、チャートの節目も意識されましたので、切り返した後は強い基調が続きました。

②失望売り
決算内容が期待に届かない場合には、株価の反応は売りとなることが多いです。失望で売られた場合は、下げた後も投げが出やすくなるほか、決算後に出てくるアナリストのリポートなどもネガティブなものとなることがあるため、安易な押し目買いはリスクが高いです。

決算後の下げが失望売りかどうかを見極めるポイントとしては
・事前に上昇していなかった→期待が高まっていなかった
・下げた日のローソク足が実体の長い陰線だった
・チャートの節目を下回った
といった点が挙げられます。

以下はヤクルト<2267>のチャートとなります。

(ローソク足の赤丸は決算発表直後)

決算前の株価が下り坂であったにもかかわらず、決算を受けて一段安となりました。決算前の水準と比較すると、出来高も大きく増えた上に、下げた日のローソク足は実体の長い陰線を形成しています。 発表がネガティブサプライズになった典型的な例と言えます。その後の株価は持ち直しても戻りが鈍く、下げ基調が続きました。

失望売りに関しては、出来高にもより注意を払っておきたいところです。実体の長い陰線を形成し、かつ出来高が増加した場合、それはネガティブなインパクトがかなり大きかったことを意味します。 また、急落してある程度経った後でも出来高が増加しない場合、それは押し目でも買いたい投資家が多くないことを意味します。

保有株の決算後の反応が失望売りであったと判断した場合には、手じまいも検討すべきです。ただし、決算直後は下にオーバーシュートすることも良くあります。テクニカルのポイントなどを確認しながら、ある程度の反発を待って売っても良いでしょう。 保有株ではないもので、失望売りだと判断できる動きが見られた場合には、アグレッシブに売りから入るという戦略もあります。

まとめ

 決算後の株価の下落に関しては
・25日、13週、26週移動平均線など、チャートの節目がサポートになっているか
・出来高の推移はどうなっているか
この2点を抑えておくだけでも、決算後の下落に対して、ある程度冷静に対応することができと思います。

 移動平均線に関しては、コラム「移動平均線を攻略する」出来高に関しては、コラム「出来高を制する者は株価を制す」でも解説していますので、こちらも参考にしてください。

 また、株価は決算発表よりも前に、発表を意識して動くことも多いです。企業のホームページなどで決算発表日を事前に確認し、その日に向けて株価がどのようなトレンドを描いているかを見ておくことも重要です。

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