ウィークリーレポート

勝手に期待して失望
2025/09/12
 4月に上場したデジタルグリッドが12日、ストップ安まで売られた。原因は前日に発表した決算で、今期は2けたの営業減益になりそうだとの会社予想がネガティブサプライズとなったためだ。事前のコンセンサス(1社のみだが)や東洋経済の四季報予想では、成長減速ながらも1割前後の増益だった。
 同社は上場時の目論見書で、新規参入増加による競争激化への移行をリスク項目に挙げていたため減速までは想定内だったが、減益についてはまったく織り込んでいなかった。

 ただ、もともと成長減速は想定されていたわけで、ここまでの反応はそれだけではないだろう。決算発表直前の株価は、25.7期基準で株価収益率(PER)は40倍近くまで買われていたからだ。公開価格の2.2倍である。
 これは同期の50%強の営業増益率が今後も続くことを前提とした株価といえ、仮にコンセンサス通りの会社予想を示しても同じ結果だった可能性が高い。会社の注意も聞かず、市場が勝手に期待し、勝手に失望したパターンだ。
 とはいえ、これまで急成長してきたとしても、上場前から既に減速の兆候をつかんでいたなら、個人的にはグロース市場ではなくスタンダード市場に上場すればよかったのでは?とは思う。グロース市場を選んだことが、市場の期待を増幅させた一因ではあろう。
 なお、7月締めの決算を発表する企業は少ないが、デジグリッドのほかではブッキングRや山忠、昨年上場した銘柄ではテラドローンやリベラウェア、FEASYなどが発表を控える。
 中でもリベラウェアは埼玉県八潮市の道路陥没事故での活躍以降、上昇が続いており、今やドローン株では時価総額最大に躍り出た。最近は頻繁にリリースを出しており、株価はそれに応えた形でもあるが、現状の実績は乏しい。ここまで期待先行で来ただけに、実際の業績と市場の反応が注目される。
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