ウィークリーレポート

中東情勢緊迫化受け地合いさらに軟化
2024/04/19
 新年度に入って初値地合いは弱まる一方となり、早くも今年2社目の公開価格割れが出た。16日に上場したウィルスマートはブックビルディング時には仮条件を20%上回る価格に需要が集中するほどの人気ぶりだったが、仮条件超えの公開価格銘柄としては3社目の売り気配スタートとなった。
 初値買い意欲の後退に加え、中東情勢の緊迫化により株式相場のリスク回避の姿勢が強まりIPOも流れには逆らえなかった。先の2社と同じように終値では公開価格を上回ったものの、2日目には力尽きて防衛線は引受価額に移った。

 直近上場株も低迷しており、19日現在、新年度に入ってから上場した4社全てが公開価格を下回る。また、セクター別ではグロース株の多い情報通信業の下落がきつく、2月に上場したココリブまでが公開価格割れしている。2月はまだ昨年末のIPO低迷を引きずり、値付けは弱気な傾向だった頃だが、第3四半期の決算発表が不発に終わると下げ足を速めた。
 なお、全面安のなかで逆行高したのが月決め駐車場管理システムのハッチワークである。3月の仮条件超え値付け銘柄のうちの一社であり、同社株も4月上旬から公開価格を割り込んでいた。だが、2000円の節目を固めると17日から反発し始め、19日には13%近く上げた。特に個別の材料は出ておらず、下値の堅さが短期筋に目を付けられたとみられる。まだ一部とはいえ、売りが一巡し始めたのは一筋の光といえよう。

 とはいえ、目先の焦点は日経平均株価の大幅安をもたらした中東情勢だろう。週末の間に各国がどう動くか注視され、残る4月のIPO2社の運命も委ねられる。
マーケットデータ
日経平均 37,552.16 +113.55
TOPIX 2,666.23 +3.77
グロース250 650.64 -0.61
NYダウ 38,239.98 +253.58
ナスダック総合 15,451.31 +169.30
ドル/円 154.85 +0.01
大きく動いた銘柄
エルイズビー 1,091 +123
シンカ 1,144 +150
テックファーム 709 +100
ストップ安銘柄はありません
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