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明日の戦略
2週連続の4桁下落、日米中銀イベントは株安に歯止めをかけるか
2024/07/26 17:11
 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり705/値下がり871。富士通が10.9%高、キヤノンが6.7%高と、決算が好感された銘柄に強い買いが入った。売買代金上位銘柄では三菱重工やファーストリテイリングの動きが良かった。半導体製造装置株は弱かったがシリコンウエハー関連は買われており、証券会社が投資判断を引き上げたSUMCOが大幅上昇。信越化学も引け後の決算への期待から堅調に推移した。

 一方、東京エレクトロンが4.8%安、レーザーテックが4.1%安、アドバンテストが3.6%安と半導体製造装置株が大幅安。前日決算で急落したルネサスは、証券会社の目標株価引き下げを受けて5%を超える下落となった。日産自も決算発表後の目標株価引き下げを受けて大きく売られており、自動車株ではトヨタの下げも目立った。パリでは本日からオリンピックが開催されるが、材料出尽くしが意識されたか、アシックスが6.2%安と大きく値を崩した。

 本日、グロース市場に新規上場したタイミーは、公開価格を大きく上回る初値をつけたが、終値は初値を大きく下回った。注目度の高さから、グロース市場では売買代金が断トツのトップとなった。

 来週はドル円のボラティリティがかなり大きくなる可能性がある。日銀が7月会合で追加利上げを行うとの観測がくすぶり続けており、これが会合前の円高に弾みをつけた。ただ、そもそも利上げは行き過ぎた円安にブレーキをかける目的とみられており、経済情勢からはまだ時期尚早という見方も多い。円安一服から逆回転の円高が進んでいるだけに、現時点では金融政策で円安を止めようと働きかける必要はない。株安が進む中での利上げは景況感の悪化につながる恐れがある。

 ただ、利上げを見送った場合、円キャリートレード再開で再び円安が急速に進む可能性がある。為替に関しては短期間で値動きが大きくなってしまうと、日本株には良い影響を及ぼさない。日銀はかなり難しい舵取りを迫られることになる。ドル円が円安に振れてもそれを好感できるかどうかは分からないという点では、目先は外需株のパフォーマンスが低下するリスクがある。

【来週の見通し】 乱高下か。7月30日から31日の日程で日銀金融政策決定会合とFOMCが開催される。これらが株価の反転を呼び込む展開に期待したいところで、そうなる可能性も大いにあるが、米国株や為替が不安定となっているだけに、注意が必要。日銀会合では追加利上げの有無が焦点となり、結果を受けたドル円の動向が大きく注目される。FOMCでは9月の利下げが示唆されるとみられているが、エヌビディアなど主力グロース株がどういった反応を見せるかが注目点となる。日米で決算発表が目白押しとなるが、決算に対する反応も、中銀イベントを波乱なく通過できるかどうかで大きく変わってくると思われる。日米株に下げ止まり感が出てこなかった場合には、金曜8月2日に発表予定の米7月雇用統計は警戒材料となる。底打ち期待の買いとリスク回避の売りがせめぎ合い、日々荒い動きが続くだろう。

【今週を振り返る】 大幅安となった。日経平均は週初の22日に主力銘柄が軒並み安となり、節目の40000円を割り込んだ。23日は大幅高スタートも買いが続かず小幅に下落。24日は決算を発表した米テスラの時間外の急落や急速な円高進行を嫌気して400円を超える下落となった。24日の米国市場では、グロース株の多くが派手に売られてナスダックが3%を超える大幅下落。これを受けた25日は、一段と円高が進んだこともあってリスクオフの様相が強まり、1285円安と今年最大の下げ幅を記録した。この日に39000円どころか38000円も割り込んでセンチメントがさらに悪化したことから、金曜26日はプラス圏とマイナス圏を行き来するも終盤に急失速。前の週からの下げが止まらず、8日続落となった。日経平均は週間では約2396円の下落となり、週足では2週連続で陰線を形成した。
2024/07/26 15:15
指標 現値 前日比 騰落率 始値 高値 安値
日経平均 37,667.41 -202.10 -0.53% 37,792.87 38,105.96 37,611.19
TOPIX 2,699.54 -10.32 -0.38% 2,705.21 2,727.27 2,695.45
グロース250 642.91 +2.35 +0.37% 642.27 650.32 642.27
2024/07/26 15:28
指標 現値 前日比 騰落率 始値 高値 安値
為替(ドル/円) 153.60 -0.32 -0.21% 153.92 154.12 153.35
日経平均(日足)
後場概況
日経平均は8日続落 終盤に崩れて200円を超える下落
2024/07/26 15:21
 26日の日経平均は8日続落。終値は202円安の37667円。ナスダックやS&P500の下落を嫌気して、売りが先行。前場では下値では買いが入り、プラス圏とマイナス圏を行き来した。米国動向から半導体株が弱かった一方、値上がり銘柄は多く、前場は3桁の上昇かつ、高値圏で終えた。

 しかし、今週、ここまでの動きが非常に弱かったことから、後場に入ると値を消す展開。上げ分を消失して前日終値近辺でしばらくもみ合った後、終盤にかけては下方向に勢いがついた。リスク回避ムードが強まる中で、値下がりに転じる銘柄が増加。下げ幅を200円超に広げて安値圏で終了した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆4300億円。業種別では石油・石炭、金属製品、機械などが上昇した一方、輸送用機器、保険、電気・ガスなどが下落した。1Qが大幅な営業増益となった日野自動車<7205.T>が急騰。反面、1Qが減益となった岡三証券グループ<8609.T>が、後場に入って急落した。
前場概況
日経平均は8日ぶり反発 富士通が急騰
2024/07/26 11:41
 26日の日経平均は8日ぶり反発。前引けは188円高の38057円。ナスダックやS&P500の下落を嫌気して、売りが先行。ただ、下押し圧力は限定的で、場中はプラス圏とマイナス圏を行き来した。米国で半導体株が弱かったことから、東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>など半導体株には売りが続いた。一方、三菱重工<7011.T>や日立<6501.T>など、今年の動きが良かった分、直近では強めに売られた銘柄には押し目買いが入った。指数は11時台に強含んでおり、3桁の上昇かつ高値圏で前場を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆2700億円。業種別では石油・石炭、金属製品、銀行などが上昇している一方、輸送用機器、水産・農林、空運などが下落している。1Qが大幅な最終増益となった富士通<6702.T>が急騰。反面、証券会社が目標株価を引き下げたルネサスエレクトロニクス<6723.T>が連日で大きく下落している。
今日の株式見通し
軟調か 米国株は終盤に失速
2024/07/26 07:40
 東京市場は軟調か。米国株はまちまち。ダウ平均が上昇し、S&P500とナスダックが下落した。ダウ平均は81ドル高の39935ドルで取引を終えた。4-6月期GDP速報値が市場予想を上回り、これを受けて600ドル近く上昇する場面もあった。しかし、終盤にかけては大きく値を消した。ドル円は足元153円90銭近辺で推移している。米GDPを受けてドルが買われており、過度な円高には一服感が出てきている。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて40円高の37770円、ドル建てが110円高の37840円で取引を終えた。

 ダウ平均はプラスで終えたものの、米国株の引け味は悪かった。ナスダックは下落しており、AMDやマイクロンなど半導体株が大きく売られている。主力のグロース株は引き続き敬遠されそうで、日本株は売りに押されると予想する。大きく下げるようなら下値は拾われるとみるが、来週に日銀会合やFOMCが控える中で日米株が今週大きく崩れたことから、週をまたぐリスクは高まっている。決算発表前の銘柄は手がけづらい中、買い手控えムードの強い地合いが続くだろう。日経平均の予想レンジは37400円-38000円。
市場スケジュール
今日の予定はありません
今日の予定はありません
プレミアム銘柄の最新情報
大きく動いた銘柄
ポストプライ 935 +120
ジーダット 2,301 +400
モバファク 769 +100
ストップ安銘柄はありません
トレーダーズ・コンパス
07/26の日経平均をテクニカル判定
移動平均線
パラボリック
H&L転換
ポイント&フィギュア
総合判定
RSI
1.79
ストキャスティクス
2.38
騰落レシオ
96.50
移動平均乖離率
-2.86
総合判定
売られ過ぎ
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