コラム
トレンドフォローをβ値で
当該コラムは、2020年12月に「トレーダーズ・プレミアム」向けに掲載したものを加筆・修正しております。 「トレーダーズ・プレミアム」では定期的に新作コラムを掲載しております。 ぜひご加入をご検討ください。

トレンドフォローをβ値で

 「おススメスクリーニング」は足元の相場状況などを勘案したスクリーニング条件をご紹介します。

今回のスクリーニング
ハイリスク・ハイリターン
大型

 今回は、β(ベータ)値を使用してマーケット(TOPIX)よりも大きな動きをする銘柄を抽出するスクリーニングアイデアをご紹介します。使用するβ値はTOPIX(90日)で算出されたものです。β値が1であればTOPIXと同じ動き(上昇・下落率が同じ)、β値が2であれば2倍の動き(上昇・下落率が2倍)となります。
 β値をみる場合はその信頼性を表す決定係数も併せてみるべきなのですが、今回のスクリーニングでは省略しています。その分、スクリーニング条件に「東証1部」と「時価総額」を入れ、決定係数が高い銘柄が抽出されやすいようにしています。
 今回のスクリーニングは、トレンドフォローの投資スタイルとなりますので、全体相場(TOPIX)が上昇トレンド中は買い、下落トレンド中は売りでトレードを行います。対象をβ値が高い銘柄とするため市場平均よりも高い利益が狙えることがこのスクリーニングの特徴です。

スクリーニング条件
その1 市場 東証プライム(設定項目は1番)
 TOPIXで算出したβ値を使用していますので、東証プライムとします。これは決定係数が高い銘柄を抽出するためです。逆にいえば、決定係数が低いと考えられる東証スタンダードや東証グロースの上場銘柄を排除するためです。
その2 β値 2以上(設定項目は9番)
 今回はβ値を2以上とし、TOPIXの2倍以上の動き(上昇・下落率が2倍以上)となる銘柄の抽出を目指します。
その3 時価総額 1500億円以上(設定項目は28番)
 中小型株は決定係数が低いものが多いため、時価総額の基準も入れています。なお、抽出される銘柄が少ない場合は1000億円以上に、多い場合は2000億円以上にするなど、ここで調整してください。
スクリーニング結果(2020年12月2日時点)
スクリーニング結果(2020年12月2日時点)

 2020年10月半ばから株価が大きく上昇したコニカミノルタ<4902.T>、川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>、マツダ<7261.T>などの銘柄が入りました。
 今回のスクリーニングは90日の市場の動きと個別銘柄の動きの関係性をβ値でみていますので、トレンドフォローの投資スタイルとの相性は良いと思われます。ただ結果を見る場合、直近90日間で業績修正を行っている銘柄には注意してください。業績修正を受けて株価の水準訂正が行われた場合、急激な上昇(下落)後は値動きが緩やかになることが多くあります。その場合、β値で期待した動きがでない可能性があります。






































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マーケットデータ
日経平均 37,934.76 +306.28
TOPIX 2,686.48 +22.95
グロース250 644.61 +4.49
NYダウ 38,085.80 -375.12
ナスダック総合 15,611.76 -100.99
ドル/円 156.56 +0.92
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