明日の戦略-FOMC後も変化に乏しい地合い、ジャパン・リスクにも警戒を

2017/06/15(木) 16:08
 15日の日経平均は4日続落。米ナスダックの下落や円高ドル安が嫌気された。ダウ平均の最高値更新やFOMCを通過したことで上値を試す場面も見られたが、一転して下落幅が100円以上になる場面もあった。東証1部の騰落銘柄数は値上がり817、値下がり1063。任天堂が大引けにかけ一段高となったほか、ヤーマンやソニー、コナミHDなどが上昇した。  売り買いの手がかりに乏しい中、値動きのある銘柄に資金が集中しており、買いを集めたアンジェスMGは売買代金が任天堂、ソフトバンクに次ぐ3位と市場の注目を大きく集めた。連日で業務提携に関する材料が出てきたユニー・ファミマが大幅高となり、内需優勢の地合いの中、大成、大林、鹿島、清水の大手ゼネコン4社がそろって年初来高値を更新した。ほか、良好な決算が確認できたHameeや大口受注を発表したナガオカなどが値を飛ばした。一方、ルネサスが連日の大幅安。住友ゴムや横浜ゴムなどタイヤメーカーが全般的に売られた。エニグモや明豊エンターは決算が売り材料となり大きく下げた。  FOMC前にこう着感が強まったぶん、イベント通過で大きな動きが出るかと思われたが、きのうまでと雰囲気は大きくは変わらず。為替が円安には振れづらいという点が上値を抑えながらも、下値では買いが入り、物色では引き続き任天堂など動きの良いものへの買いが続いた。今晩、米国では5月鉱工業生産など経済指標が多く、発表を受けたドル円の反応、特に振れ幅が注目される。経済指標の良し悪しで大きく動くのか、それとも、先の利上げスケジュールに対する見通しがついたことから、指標に対する為替反応が限定的となるのか。前者であれば、指標次第では円安進行への期待も持て、物色が循環しながら日経平均は底堅い動きが続き、後者であれば、指数の先高期待は高まらずじり安基調となり、物色も内需一辺倒の流れが強まると予想する。あすに関しては、FOMC後の日本株の反応が微妙であったことから、日銀会合後の黒田総裁会見を見極めたいとの見方が強まり、様子見姿勢の強い展開を予想する。  朝方に改正組織犯罪処罰法が参院本会議で可決された。採決に至るまでの運営はかなり強引で、政権与党の支持率低下が見込まれる。現状では野党の力が弱いため、一時的な低下で株式市場に特段の影響は及ぼさないかもしれないし、与党もそれを狙っての強行採決であったと思われるが、2015年9月に安保法案を成立させた時と同様に、議論を深める前に数の力で押し切った印象を与えており、「反自民」の動きが高まる可能性がある。直近では7月2日に東京都議選が控えているが、ここで、そのような投票行動が多く確認された場合には、政治が日本株のリスクとなりうる。海外投資家は、日本の政権が安定していることに対して一定の評価をしていると見込まれるため、そこに疑問符がつくことはネガティブ。あまり市場で材料視されないだけに、いったんリスクとして意識されてしまうと尾を引く問題にもなる。現状では受け皿となる政党がないという側面はあるが、政治に「予想外」の動きが起こるのはこのところの海外の選挙でも立証済み。他国の政治の混迷を心配している場合ではなく、事の成り行きを注意深く見守る必要がある。
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