明日の戦略-円高でも日経平均は強い動き、その円高もそろそろ一服の可能性

2017/10/16(月) 16:55
 16日の日経平均は10日続伸。米国株高を好感して終日しっかりの展開となり、連日で3桁の上昇を記録した。ソフトバンクや銀行株など、主力大型株が強い動きを見せた。一方でマザーズ指数や日経ジャスダック平均は下落で終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆6400億円。金融株が総じて強かったが、後場に入ると神戸鋼がプラス転換から上げ幅を拡大。これが刺激となって鉄鋼株全般に買いが入り、業種別でも鉄鋼が騰落率トップとなった。投資専業子会社の出資に関するリリースを材料に、ショーケースTVがストップ高。反面、株価が高値圏にあったヨシムラフードは、上方修正発表が利益確定売りを誘い、大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1204/値下がり741と買いが優勢。株高が続く中、野村HDや東京海上HDなどが買われる展開。好業績観測が報じられたツガミは、昼休みに上方修正と増配を発表し、後場一段高となった。島忠は前期の利益は計画を下振れたが、自己株取得や償却が好感されて株価は大幅高となった。上期で通期の営業利益計画を超過したエスケイジャパンはストップ高。一方、1Qで営業赤字が拡大した東洋電機製造が急落。レナウンやクリレスHD、住江織物なども決算を受けて大きく売られた。営業利益と配当見通しを引き下げたブロッコリーが大幅安となり、年初来安値を更新した。  取引開始前の時点でドル円は112円割れの水準。きょうの取引時間においても、特に後場などは円高の動きが強まったが、それでも日経平均は3桁の上昇を記録した。これまでの動きからすると、異常なほどの強さである。ただ、足元の円高に関しては、日米経済対話が少なからず意識されている可能性がある。今年4月には、第1回の日米経済対話(4/18)を前に、米国側から貿易不均衡の是正に関して強硬姿勢が示されるのではとの警戒から、ドル安・円高が進む場面があった。しかし、対話自体は和やかな内容となり、ほぼこのタイミングでドル円は当面の底を打ち、その後、仏大統領選など他のリスク要因が払しょくされたことも手がかりに、5月半ばあたりまでは急速に円安・ドル高が進んだ。今回も極端に対立姿勢が強まるようなことがなければ、前回同様に円高一服となる展開も期待できる。ドル円はテクニカル的には26週線が111円20銭近辺に走っており、下値のメドとして注目しておきたい。この辺りまでで円高が止まるようなら、円高でも強い動きを見せた日経平均は、円高一服がさらなる買い材料となる可能性が高い。また、その場合は外需にも資金が向かいやすく、大型株主導の上昇が当面続くと考える。
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