明日の戦略-軟調も22500円は割り込まず、当面はバリュー物色が続くか

2017/12/05(火) 16:54
 5日の日経平均は続落。米ハイテク株の大幅下落を嫌気して売りが優勢の展開。ただ、節目の22500円は下回らなかったことから、下げ渋り値を戻した。後場は一段と下げ幅を縮めたものの、プラス圏にまでは戻しきれず。22600円台での小動きが続いたが、引けにかけては売り直された。一方、TOPIXは後場に入ってプラス圏に浮上した。東証1部の売買代金は概算で2兆6800億円。業種別では海運、鉄鋼、陸運などが上昇した一方、その他製品、精密機器、電気機器などが下落した。NTTやJTなど内需大型株に買いが入ったほか、野村HDや三井住友など金融株もしっかり。コマツや新日鉄住金などに強い動きが見られた。一方、任天堂が3%超の下落と大幅安。信越化学やアルプス電気などハイテク株が軟調となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1055/値下がり905と日経平均はマイナスながら買いが優勢。証券会社がレーティングを引き上げたノリタケが大幅上昇。3Qが好決算となったピジョンやモロゾフが大幅高となり、そろって年初来高値を更新した。月次好調のUアローズやアダストリアも大幅上昇。決算が好感されたキタックはストップ高まで買われた。一方、公募増資が嫌気されたIDECが大幅安。きのう強い動きを見せた豊和工業や石川製作所など防衛関連は一転売りが優勢となった。新興市場銘柄には激しい動きとなるものも散見され、きのうストップ安の串カツ田中は売り先行から急速に値を戻し、月次を受けてプラスに浮上する場面もあったが引けではマイナス。ビーマップは後場にストップ高まで買われた後に急落して引けではストップ安と大荒れの展開となった。  昨晩の米国株は、ハイテク株が下げたとはいえ、ダウ平均は史上最高値を更新していた。にもかかわらず、これを受けた日経平均の初動は、まるで全面安であったかのような売られ方であった。それだけに、前場で下値を確認し、25日線や22500円を割り込まなかったのは強い動きであったと考える。改めての材料には乏しいため、あすも米国株の動向に一喜一憂の展開が想定される。米国では12月のFOMCでの利上げが濃厚。利上げは相場の過熱感を冷まし、バブルの発生を抑える目的もあることから、グロース株はこのタイミングでは積極的には買いづらい。そのため、日米ともバリュー物色がもうしばらく続くと予想する。鉄鋼株は足元の動きが良くなっているが、新日鉄住金などはきょうの上昇で8月および10月の戻り高値を上回っており、ここから一段と強含む展開も期待できそうなチャート形状。景気敏感セクターにはバリュエーション面で見直し余地がある銘柄が多い。一方で、利上げのペースが緩やかであろうことも市場では織り込み済み。FOMC前にグロース株が大きく調整した場合には、FOMC後には見直し買いが入る可能性が高い。足元で下げているハイテク株なども、押し目を拾うには良い局面と考える。
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