明日の戦略-連日の下げでピーク感が強まる、あすはファストリの決算反応に注目

2018/01/11(木) 16:34
 11日の日経平均は続落。世界株高が一服し、為替市場では円高が進行したことを受けて売りが優勢となった。東京時間では円高に歯止めがかかったが、連日の下げでピーク感が強まったことから戻りは限定的。後場は前場の安値こそ下回らなかったものの、前場では騰勢を強めたマザーズ指数がマイナス転換するなど、総じて手じまいムードが強まった。ただ、引けにかけてはやや値を戻す動きも見られた。東証1部の売買代金は概算で2兆8000億円。業種別では鉱業、パルプ・紙、海運などが上昇した一方、食料品、医薬品、水産・農林などが下落した。証券会社が投資判断を引き上げたOLCが大幅高となり、昨年来の高値を更新した。反面、業績下方修正に加え、期末配当見通しを未定とした三協立山が後場に入って急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり976/値下がり986と、軟調相場ではあったが売り買いはほぼ均衡。上方修正と自己株取得を発表したスター精密が急伸。ベルシステム24やキリン堂、ANAP、イオンファンタジーなどが決算を受けて大幅高となった。好決算に加え、株式分割と優待新設を発表したGamewithはストップ高。原油高を受けて国際帝石や石油資源開発が上値追いの展開となった。一方、1Qが営業減益となったサイゼリヤが大幅安。わらべや日洋やイオンディライト、ライクなどが決算を受けて大きく値を崩した。任天堂から特許侵害訴訟を提起されたコロプラは急落し、一時1000円を割り込む場面もあった。  単なる指数の上げ下げであれば、大きく下げる場面では押し目買いが入りやすいが、債券市場や為替市場に動きが出て、それが株安を引き起こしているため、買いが入りづらくなっている。このまま一方的に長期金利が上昇する展開は想定しづらいが、日銀会合は22~23日、FOMCは30~31日とまだ少し先になる。弱い経済指標が出てくれば金利低下の材料にはなるが、それを株式市場が好感できるかは微妙。要人発言などで債券市場が落ち着くか、今週末以降、米国企業の決算が出始めるタイミングで、株式市場が業績面をより重視する流れとなれば、再び力強い上昇が期待できるが、そういった動きが出てこない場合、いったん値幅で調整する可能性もある。あすに関しては週またぎへの警戒から、米国株がよほど強い動きとならない限りは、上値の重い展開を予想する。  相場の過熱感がややそがれた分、決算などで業績好調が確認できた銘柄に関しては、利益確定売りよりも追随買いが優勢となる展開が期待できる。きのう日経新聞で好業績観測が報じられた東海カーボンは、きのうは利食い売りに押されて大きく下げたが、きょうは証券会社の目標株価引き上げもあり、一転大幅高で高値を更新した。あすはファーストリテイリングの決算を受けた株価反応が注目される。1Qで通期の営業利益計画の57%を達成している。株価は高値圏で推移しているが、決算で一段高となるようなら、指数寄与度も大きいだけに全体へも好影響が見込まれる。きょうはOLCなどもリポートを手がかりに大幅高となっているが、これら円高や金利上昇のネガティブ影響が相対的に少ない内需好業績銘柄が、この先、株式市場での存在感を強めてくる可能性がある。
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