明日の戦略-後場一段高で市場心理は改善、来週は雰囲気一変で戻りを試すか

2018/07/06(金) 16:46
 6日の日経平均は5日ぶり反発。休場明けの米国株の上昇を好感して3桁上昇スタート。寄り付いた後もしっかりした動きが続いた。米政権の対中制裁関税が発動される前には様子見姿勢が強まり上げ幅を縮める場面もあったが、発動後に改めてネガティブ視する動きが見られなかったことから、13時をすぎてからは一段と騰勢を強める展開。上げ幅を300円超に広げる場面もあった。弱い動きが続いていたマザーズ指数も大幅高となりほぼ全面高。目先の悪材料出尽くし感が強まり、引けまで良好な地合いが継続した。東証1部の売買代金は概算で2兆4200億円。業種別では医薬品、電気機器、卸売などが上昇した一方、石油・石炭や保険、空運などが下落した。クスリのアオキが好決算を受けてストップ高。反面、高血圧症治療剤の自主回収を発表したあすか製薬が後場に大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1684/値下がり362と買いが優勢。良好な臨床試験結果が確認されたエーザイがストップ高。米プラクスエアの欧州事業を買収を発表した大陽日酸が急伸した。ハイテク株に見直しが入り、村田製作所が5%超の大幅上昇。マザーズ指数が大きく値を戻す中、そーせいやミクシィに買いが入った。ほか、上方修正を発表したキユーピーや月次が堅調であったラウンドワンが大幅高となった。一方、決算を材料に薬王道や乃村工芸社、日本プロセスが大幅安。マニーは上方修正発表も市場の期待に届かず、株価の反応は売りとなった、ほか、証券会社が投資判断を引き下げたぐるなびが急落した。  日経平均は後場上げ幅拡大で241円高。米国の制裁関税発動前は警戒で売られ、発動日に大幅高というわかりやすい動きになったため、来週は警戒感が相当程度払しょくされる可能性が高い。ただ、月曜から木曜までが異様なほど弱かったことについては心に留めておく必要がある。今週は米国株はそれほど下げておらず、ドル円は円安基調が続いていたにもかかわらず、これらが何のサポートにもならなかった。その点では、今までの下げ局面とは異なる印象も受ける。今週は米国株の休場などもあり、手がかり難の中で下にオーバーシュートしたのかもしれないが、それであれば、振れすぎた分は早々に戻して然るべき。来週は、先週末および6月末の水準である22304円(6/29)を回復できるかに注目しておきたい。 【来週の見通し】  堅調か。3-5月が決算対象となる企業の業績発表が本格化する。今週は外部環境の不透明感から、決算反応は弱めのものも多かった。しかし、6日の米国の制裁関税発動日に日本株が強い動きとなったことや、決算銘柄の数が増えることなどから、来週は外部環境に振り回される地合いから、個別重視の地合いになると考える。今週、全体市場が調整したことで割安感は醸成されており、決算が良ければ急騰する銘柄も多いと予想される。貿易摩擦は警戒しつつも、リスクオフからリスクオンへ相場の雰囲気が切り替わり、戻りを試す展開を予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。貿易摩擦への警戒からリスク回避姿勢が強まる中、日経平均は週初から492円安と大幅下落。後場に急に崩れるような動きも幾度か見られ、5月30日の安値を下回り、21500円を割り込むなど下値を探る展開となった。マザーズ指数は年初来安値更新が続き、心理的節目の1000pを割り込んだ。一方、6日の米国の対中制裁関税の発動期限に向けて警戒売りが加速したことから、発動当日の6日は買い戻しの動きが強まり、強い反発を見せた。日経平均は週間では約516円の下落となり、週足では3週連続で陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、5月経常収支、6月景気ウォッチャー調査、黒田日銀総裁が挨拶(支店長会議)、さくらレポート(7/9)、6月マネーストック、6月工作機械受注(7/10)、6月企業物価指数、5月機械受注、5月第3次産業活動指数(7/11)、6月都心オフィス空室率(7/12)、オプションSQ(7/13)などがある。  決算発表は、ネクステージ、エムビーエス、ファーストコポ、クリエイトSDH、エスクローAJ、コジマ、シグマ光機、トランザクショ、ヨンドシーHD、フジ(7/9)、OSG、アイケイ、スタジオアリス、パルGHD、ハニーズHLD、ビックカメラ、キリン堂HD、アズ企画、ダイユーリック、リソー教育、北興化、MORESCO、デザインワン、ローツェ、竹内製作、コーナン商事、サイゼリヤ、MrMaxHD、プレナス(7/10)、サカタのタネ、コシダカHD、柿安本店、ローソン、スタジオアタオ、明光ネット、ベル24HD、GameWith、スター精、ライフコーポ、イズミ、東武ストア、毎コムネット、モリト(7/11)、ファーストリテイ、ユニー・ファミマ、S Foods、いちご、ディップ、大黒天、JINS、黒谷、フィルカンパニ、コスモス薬品、No.1、SHIFT、PRTIMES、三協立山、Gunosy、安川電、IDOM、リテールPT、島忠、リンガハット、松屋、歌舞伎、CSP、オオバ(7/12)、パソナ、ブロンコB、タマホーム、ライク、キャンドゥ、ヨシムラフード、北の達人、DDHD、ドトル日レス、SFP、三栄建築、サムティ、クリレスHD、トウキョベース、串カツ田中、ほぼ日、テラスカイ、UUUM、ウォンテッドリ、サインポスト、ダイト、ベクトル、ベイカレント、RPA、CSランバー、SOU、松竹、東宝(7/13)などが予定している。  海外では、米5月消費者信用残高(7/9)、中国6月生産者物価、中国6月消費者物価、独7月ZEW景況感指数(7/10)、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議(~7/12 ブリュッセル)、米6月生産者物価指数(7/11)、米6月消費者物価指数、米6月財政収支(7/12)、中国6月貿易収支、米6月輸出入物価指数、米7月ミシガン大学消費者マインド指数(7/13)などが注目される。  米企業決算では、JPモルガン・チェース、PNC フィナンシャル・サービシズ・グループ、シティグループ(7/13)などが予定している。
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