明日の戦略-弱材料に敏感で週初から大幅安、あすは中国指標が相場のかく乱材料に

2018/10/15(月) 16:36
 15日の日経平均は大幅反落。先週末の米国株の上昇を受けても寄り付きは200円近い下落となり、その後も売られる展開。ムニューシン米財務長官発言を受けて日米貿易摩擦が意識されたことに加え、消費増税が予定通り実施される見込みとなり、景気腰折れへの警戒が強まったことから、幅広い銘柄が売りに押された。400円超下げたところでいったん下げ渋ったものの、後場に入ってもさえない地合いが継続。為替もリスクオフの円高が進む中、じわじわと下げ幅を広げた。引けにかけては見切り売りに押されて再び下げ幅を400円超に広げ、安値圏で取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆5900億円。業種別では鉱業と空運の2業種のみが上昇しており、医薬品などは下げが小幅にとどまった。一方、情報・通信、ガラス・土石、輸送用機器などが大きく売られた。伊藤忠が株式を買い増すとのメディア記事を材料に、デサントが後場急伸。反面、上期が大幅減益となったベイカレントが大幅安となり、年初来安値を更新した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり223/値下がり1852と売りが優勢。主力どころは武田や安川電機がかろうじてプラスを保った程度。ただ、材料のあった銘柄は軟調相場でも跳ねており、上方修正を発表したワコムやエスケイ、Gunosyはストップ高比例配分となった。コーナン商事やインターアクションが決算を受けて大幅上昇。株式分割を発表したエクストリームが買いを集めた。一方、ソフトバンクGが7%超の下落と大幅安。サウジアラビア情勢の混迷を受け、ビジョンファンドへの悪影響が警戒された。あすの訪日外客数発表を前に資生堂やコーセーなど化粧品株も大幅安。貿易摩擦懸念から自動車株が弱く、トヨタやホンダは年初来安値を更新した。USEN-NEXTやエムビーエスは決算失望で急落。政府が太陽光発電の買い取り価格を減額すると報じられたことを受け、レノバが警戒売りに押された。上場2日目で高い初値をつけたイーソルは、その後は荒い動きとなったものの、終値は初値を上回った。  日経平均は序盤から大幅安となり、終日さえない展開となった。ムニューシン米財務長官の発言が株安の直接的な引き金を引いた格好とはなっているが、弱材料に敏感になっており、もう少し不安定な地合いが続きそうな印象。大幅高と大幅安を繰り返すような展開も想定されるため、上げに浮かれず、下げにおびえずのスタンスで臨みたい。個別を見ると、決算などで好内容が確認できた銘柄は、後場に全体が一段安となる中でも強い動きが続いたものも多く、その点ではこの先に日米双方で決算が控えている点は下支え材料になる。あすは、場中に9月消費者物価指数など中国の経済指標、引け後には9月の訪日外客数の発表が予定されている。世界株安が意識される局面であるため、特に中国指標に関しては神経質な反応を示す可能性がある。引け後の訪日外客数に関しては、9月は天候影響もあって弱めの内容になるとの警戒が強い。きょうも化粧品株が大きく売られたが、インバウンド関連の動向は注視しておきたい。先に警戒売りに押された銘柄は、発表後には悪材料出尽くし感が強まることもある。注目度の高い資生堂(15日終値:7310円)が8月16日につけた直近安値7120円を割り込まずに推移できるかに注目しておきたい。
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