明日の戦略-5日続伸も後場は失速、あすは米中会談を前に上値は重いか

2018/11/29(木) 16:57
 29日の日経平均は5日続伸。米国株が大幅高となったことを受けて買いが優勢。早々に上げ幅を広げたが、22500円を前にしては上値が重くなった。伸び悩みながらも前引けでは201円高(22378円)と高い水準を維持したが、後場はじりじりと上げ幅を縮める展開。米国の利上げ早期打ち止めが意識されたことでドル安・円高が進行したことや、上海株の軟調が警戒材料となった。ただ、失速の度合い自体は緩やかで、大引けは85円高(22262円)と、安値圏ながら比較的値を保った。東証1部の売買代金は概算で2兆5300億円。業種別ではサービス、その他製品、空運などが上昇している一方、水産・農林、鉱業、保険などが下落している。米国での「Nintendo Switch」の販売好調が伝わった任天堂が大幅高。反面、前場では値を保っていたユニー・ファミマがきのう同様、後場に入って大きく売られる展開となり、市場の楽観ムードに水を差した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1301/値下がり730と買いが優勢。ソフトバンクGが3%を超える大幅上昇。大日本住友製薬やリクルート、ZOZOなど、きのう強く買われたところに追随買いが入った。京セラは下方修正を発表したものの、悪材料出尽くしの見方から大幅高。UTグループやトラスト・テック、フルキャストなど人材関連の一角に買いが入った。チェンジは「ふるさとチョイス」を展開するトラストバンクの子会社化が好感されて急伸した。反面、NTTやKDDIなど通信株の一角が大幅安。資生堂やコーセーなど化粧品株にも大きく売られるものが目立った。ユーロ円建てCBの発行を決定したミロク情報サービスは急落。きのう上場の霞ヶ関キャピタルは利益確定売りに押され、早々に初値を割り込んだ。  日経平均は5日続伸も、ほぼ安値圏で終えており、引け味は良くない。あすは米中会談を控えた週末で、基本的には上値が重いとみておいた方が良い。ユニー・ファミマはきょうも後場に急に崩れたが、ここまで値持ちの良かったものや、今週急に動いたものに関しては、手じまい売りが優勢となる可能性がある。ただ、今週ここまでの動きに関しては、先への期待をかなり高めるものとなっている。米国で利上げ早期打ち止め観測が浮上したことは、長期金利の急上昇が株式市場を崩す可能性が低下したことを意味する。日本株はその前から持ち直しており、個別でも多くの銘柄の底固めが進んだ。きょうの日経平均は200日線を一時上回る場面もあり、マザーズ指数は節目の1000pを上回って終えた。あすは急落するような極端な動きとならなければ、来週は堅調が見込まれる。押し目があるようなら良い買い場と捉えたい。
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