明日の戦略-海外不安が高まり大幅安、来週は上値の重い展開か

2019/02/08(金) 17:02
 8日の日経平均は大幅続落。米国株安を受けてスタートから大幅安。開始早々に節目の20500円を割り込むと、為替も円高に振れる中、前場では300円を超える下げとなった。後場も弱い流れが継続。前場の安値をあっさり割り込むと、下げ幅を400円超に広げた。序盤では買われる場面もあったサンバイオが一転して大幅安となるなど、急速に手じまいムードが強まる展開。大型・中小型幅広く売られて指数は下値模索が続き、ほぼ安値圏で取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で2兆8300億円。業種別では上昇は1業種のみ。騰落率上位はパルプ・紙、精密機器、情報・通信、下位は繊維、非鉄金属、金属製品となった。通期の利益見通しを引き上げたPS三菱がストップ高。反面、施工物件の不備に伴い、巨額の特別損失を計上する見込みとなったレオパレス21がストップ安比例配分となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり288/値下がり1801と売りが優勢。寄り前に自己株取得を発表したソニーが大幅高となり、市場の注目を大きく集めた。株式分割を発表したテルモや、3Q決算が好感された富士フイルムなども大幅上昇。決算を材料にスシローGHDやBMLが急伸し、オプトHDはストップ高まで買われた。一方、地合い悪化で東京エレクトロンやSUMCOなどハイテク株が大幅安。Uアローズの通販運営に関する観測報道を受けてZOZOが急落した。決算が失望となったニコンは11%超の下落。洋缶HDや淺沼組、アイビー化粧品などが決算で大きく売られ、3Q減益の五洋建設はストップ安をつける場面もあった。今期が営業赤字の計画となったすららネットはストップ安比例配分となった。  日経平均は大幅下落。25日線を割り込み、一目均衡表では雲を下に抜けている。週足では13週線が抵抗となった形で実体の長い陰線を形成した。21000円を抜けそうで抜けない時間帯が長く続いた後、ワンタッチもできずに20300円台で週を終えており、目先は厳しい展開もあるかもしれない。きょうは主力株が軒並み弱かったが、決算時に強く買われたような銘柄でも、海外不安が高まれば、決算が悪かった銘柄と同じくらい売られている。こういった動きを見ると、3Q決算ではまだ底打ち感が強まったとは言い切れない。来週は、決算で好反応を見せた勝ち組銘柄にしっかりした動きが見られるかを注視しておきたい。 【来週の見通し】  上値の重い展開か。日本、米国、中国で経済指標の発表が多い。今週、海外リスクが再燃する格好で日経平均が下落したことから、これらを一つ一つ確認しながら落ち着きどころを探る展開が続くだろう。ただその分、上下どちらかに強く傾くような地合いにはなりづらいと考える。決算発表はまだ幾つかあるが、注目度の高いところはおおむね出そろっており、市場エネルギーは徐々に低下していくと見込まれる。決算も悪材料出尽くしで上昇する銘柄はあるが、内容は厳しいものが多いことから、日本株全体での買い安心感は高まらず、個別重視の展開が続くと考える。各種材料や海外要因に一喜一憂となりそうだが、日本株は今週の下げ方が良くなかった分、好材料へのポジティブ反応よりも、悪材料へのネガティブ反応の方が大きくなると予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。前半は米国株の強い上昇を支えに小じっかりの展開。しかし、日経平均は21000円に迫る場面では上値が重くなり、徐々に米国株との連動が弱まった。サンバイオやソフトバンクGなど特定の銘柄が市場の注目を大きく集めたが、全体ではこれらに資金が吸い取られたような地合いが続き、決算集中期の割には商いは盛り上がりに欠けた。後半にかけては、米中関係改善期待のはく落などを材料に米国株が売られたことから、大きく値を崩した。日経平均は週間では約455円の下落となり、週足では陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、12月第3次産業活動指数、1月工作機械受注(2/12)、1月企業物価指数(2/13)、10-12月期GDP速報値(2/14)などがある。  決算発表は、、鹿島、国際帝石、マクドナルド、ネクソン、楽天、太平洋セメ、東海カ、三菱マ、ヤマハ発、シマノ、凸版印、日産自、ユー・エス・エス(2/12)、クラレ、日揮、東芝、光通信、サッポロHD、マツモトキヨシ、ロート、ペプチド、日ペイントH、ライオン、ポーラオルHD、昭和シェル、住友ゴム、ダイキン、大日印、アシックス、イオンFS、ソニーFH、住友不、セイノーHD、ホシザキ(2/13)、ユニチャーム、大林組、アサヒ、キリンHD、サントリーBF、昭電工、電通、トレンド、出光興産、浜ゴム、日本郵政、クボタ、かんぽ、ゆうちょ、T&DHD、第一生命、東京海上、SOMPOHD、MS&AD(2/14)、ブリヂストン、ホットランド(2/15)などが予定している。  海外では、米1月消費者物価指数、米12月財政収支(2/13)、中国1月貿易収支、米1月生産者物価指数、米11月企業在庫(2/14)、中国1月消費者物価、中国1月生産者物価、米2月NY連銀製造業景気指数、米1月輸出入物価指数、米1月小売売上高、米1月鉱工業生産指数、米12月企業在庫(2/15)などが注目される。  米企業決算では、アカマイ・テクノロジーズ、トリップアドバイザー(2/12)、シスコシステムズ、アメリカン・インターナショナル・グループ、ネットアップ(2/13)、アプライド・マテリアルズ、エヌビディア、コカコーラ(2/14)、ムーディーズ(2/15)などが発表を予定している。
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