明日の戦略-続落も週間では大幅上昇、来週は買い一巡後のもみ合い相場か

2019/02/15(金) 16:08
 15日の日経平均は大幅続落。弱い米12月小売売上高への警戒からダウ平均は下落し、円安は一服。これを受けて下落スタートとなり、寄り付き天井で下げ幅を200円超に広げた。序盤で大きく下げた後の値動きは落ち着いたものの、週末を前に押し目買いは手控えられて戻りは限定的。後場に入ると動きがほとんど出なくなり、安値圏でのもみ合いが続いた。東証1部の売買代金は概算で2兆2300億円。業種別では電気・ガス、鉱業、水産・農林などが上昇した一方、非鉄金属、サービス、機械などが下落した。昼休みに決算を発表したズームが後場に入って一時ストップ高となるなど急伸。反面、3Q営業赤字のリミックスポイントがストップ安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり726/値下がり1311と売りが優勢。手がかり難の中、値動きを求めてサンバイオが物色されて5%超の大幅上昇。スルガ銀行は3Qは大幅赤字ではあったが、証券会社の投資判断引き上げなどもあり、一時ストップ高となるなど買いを集めた。スプリックスや日機装が決算を受けて急騰し、エムアップやIBJ、セレスはストップ高まで買われた。一方、ソフトバンクGが4%超の大幅安。電通や昭和電工、第一生命、トレンドマイクロが決算を受けて大きく売られた。新株予約権の発行が嫌気されたインターアクションはストップ安。大塚家具は決算に加えてヤマダ電機との提携など材料が多く乱高下したものの、引けでは15%超の下落と値を崩した。  日経平均は週間では約567円の上昇。先週8日は25日線を下回って終えたが、三連休明けの12日に大幅高でこれを上回ると、5日線も上にブレーク。きょうも200円超の下落となりながらも、終値では20900円と5日線(20876円、15日時点、以下同じ)より上で終えた。今週は戻りが75日線(21163円)で抑えられており、来週はこれを上回ることができるかが焦点となる。一方、マザーズ指数は若干ではあるが、5日線(865p、15日終値:862p)を下回って終えた。週足チャートでは26週線の上抜けに失敗して失速し、依然としてトレンドは下向きとなっている。円安や米国株高など、海外の恩恵が期待できる局面では大型株の方が買われやすい。きょうのような下げ相場でも新興市場が敬遠されているところを見ると、まだ大型株の方に分がありそうだ。きょうは新興市場の代表格であるUUUMが商いを伴って急落しているが、大型株にしっかりした動きが続いた場合、新興銘柄から大型株へのシフトが一段と進む可能性がある。 【来週の見通し】  もみ合いか。国内は決算発表が一巡する。米国も注目度の高いところの決算は出そろった上に、18日はワシントン誕生記念日で休場で、週前半は手がかり難の地合いが続きそう。米国では12月耐久財受注や2月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数など、注目の指標がいくつか出てくるが、12月の小売売上高がさえない内容となったため、これらの結果に米国株や為替が神経質な反応を示す展開も想定される。一方、20日には1月開催のFOMC議事要旨が公表されるが、ここではFRBのハト派姿勢を再確認することになるであろうから、マーケットにはポジティブな影響が期待できる。メキシコの壁建設に固執するトランプ大統領の言動や、米中交渉に絡む思惑なども引き続き相場をかく乱しそう。各種材料に一喜一憂しながらも、全体的には方向感に乏しい展開を予想する。 【今週を振り返る】  堅調となった。米中通商協議の進展期待が高まったことに加え、米政府閉鎖への警戒が後退したことなどから、日経平均は週初から大幅高。前の週に強い抵抗となっていた節目の21000円をあっさり突破した。為替市場でドル円が111円台に乗せるなど、円安が進行したことも日本株の上昇を後押しした。一方、短期間で急伸したことから、上では高値警戒感も意識されて伸び悩んだ。弱い12月米小売売上高を受けて米国株の上昇にもブレーキがかかったことから、週後半は目先の利益を確定する動きが強まった。日経平均は週間では約567円の上昇となり、週足では陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、12月機械受注(2/18)、1月首都圏マンション発売(2/19)、1月貿易収支、1月訪日外客数(2/20)、12月全産業活動指数(2/21)、1月消費者物価指数(2/22)などがある。  海外では、独2月ZEW景況感指数、米2月NAHB住宅市場指数(2/19)、1/29-30開催のFOMC議事録、米1月住宅着工件数(2/20)、米12月耐久財受注、米2月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米1月中古住宅販売、米1月景気先行指数(2/21)、独2月Ifo景況感指数(2/22)などが注目される。  米企業決算では、ウォルマート、エコラボ(2/19)、アジレント・テクノロジー(2/20)、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(2/21)などが発表を予定している。  なお、2/18の米国市場はワシントン誕生記念日のため休場となる。
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