明日の戦略-大幅高で25日線と26週線をブレーク、下げ止まりへの期待が高まる

2019/06/10(月) 16:30
 10日の日経平均は大幅続伸。先週末の米国株が強い上昇となったことを受けて、寄り付きから200円超の上昇で21000円台を回復。その後は動意には乏しかったものの、高値もみ合いが続いた。米国でIT株が買われた流れを受けてハイテク株が上昇を主導した一方、消費増税が予定通り実施されるとの見方が強まったことから、小売の一角が売りに押された。終日小動きではあったが、14時前にきょうの高値(21166円)をつけるなど、後場に入っても失速することなく強い動きが続いた。終値は249円高の21134円。東証1部の売買代金は概算で1兆9500億円。業種別では全業種が上昇しており、中でも繊維や石油・石炭、電気機器などが強い動き。一方、銀行や小売、空運の上昇が限定的となった。新薬候補「エミクススタト塩酸塩」において、欧州医薬品庁よりオーファンドラッグ指定の通知を受けたと発表した窪田製薬がストップ高。半面、下方修正を発表したイトクロがストップ安比例配分となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1783/値下がり294と買いが優勢。資生堂や日立、日本電産などが大幅上昇。血液1滴からがんを発見する検査キットについて厚労省に販売承認を申請すると報じられた東レは6%超上昇した。ヒューリックが完全子会社化すると発表した日本ビューホテルが急騰。1Q大幅増益のミライアルや証券会社の新規カバレッジが入った電気興業が買いを集めた。政府が携帯の解約違約金引き下げを検討しているとの報道を材料に格安通信関連が賑わっており、日本通信が全市場の売買代金ランキングトップ5(ETFを除く)に入る大商いとなって値を飛ばした。一方、同材料を警戒してKDDIやドコモ、SBが下落。増税が予定通り実施されるとの観測を受けてセブン&アイやユニー・ファミマが軟調となった。決算が失望を誘ったエイチ・アイエスは13%超の下落。イムラ封筒やファーマフーズ、メディアシークも決算が嫌気されて大幅安となった。  日経平均は寄り付きから21000円を上回り、ほぼ高値圏で終えた。終値(21134円)では25日線(21101円、10日時点、以下同じ)も上回っている。下げ相場が続いているのなら戻り売りに押されてもおかしくない水準であっただけに、場中に崩れなかったことは好感できる。また、日経新聞で消費増税が予定通り実施されるとの観測が流れたにもかかわらず、これをネガティブ視する動きもそれほど強くはなかった。きょうだけで消化できたと考えるのは早計だが、増税実施が世界市場の中で日本株を敬遠する要因であったとの見方も強かっただけに、これが改めての売り材料とならないのであれば、この先は米国株のように、経済の悪化を示すニュースが政策期待を高めて株高を促す可能性がある。きょうは25日線だけでなく26週線(21067円)も上回っており、当面はこれらより上で推移できるかが注目点となる。チャート形状が良くなれば、同じこう着相場でも「上がらないこと」への警戒が弱まり「下がらないこと」への安心感が買いを呼ぶ展開が期待できる。
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