明日の戦略-米国株の大幅安を吸収して続伸 もみ合い上放れへの期待が高まる

2019/09/04(水) 16:23
 4日の日経平均は続伸。終値は23円高の20649円。米国株は弱いISM製造業PMIを嫌気して大幅安となったものの、これを受けても寄り付きが50円程度の下落にとどまったことから、前場のうちにプラス圏を回復した。ただ、戻したところでは上値が重くなり、以降は方向感に欠ける展開。後場は下落からのスタートとなったが、米株先物が強含んだことから再び上昇に転じて上げ幅を広げた。しかし20700円は壁となり、終盤にかけては失速。それでもプラスは確保して取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で1兆5900億円。業種別では騰落率上位は海運、その他製品、医薬品、下位はパルプ・紙、鉄鋼、金属製品となった。前日に強い月次を材料に買われたワークマンが商いの増加を伴って7%超の大幅上昇。半面、8月に騰勢を強めていたIRジャパンが8%超の下落と大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり482/値下がり1587と日経平均は上昇したが値下がり銘柄の数は多かった。月次好調のファーストリテイリングが上昇。アダストリアやUアローズなども月次が好感されて大幅高となった。任天堂が買いを集めたほか、アドバンテストや村田製作所、武田などに強い動きが見られた。特高変電設備の建設工事を受注したと発表したETSHDがストップ高。マイナンバーカードを活用した消費活性化案が浮上してきたことから、ジャパンシステムやITbookなどが関連銘柄として賑わった。一方、資生堂やコーセー、ファンケルなど化粧品株が軟調。厚労省がリクナビに対して行政指導するとの観測が伝わったことからリクルートHDが売りに押された。ナルミヤやQBネットは月次が失望となって売られる展開。泉州電業は3Q累計では営業増益着地となったが、3Q期間の利益の伸びが案外で大幅安となった。  日経平均は米国株の大幅安を吸収して続伸。米ISM製造業指数の50割れはネガティブではあるが、政策期待も高まることからそこまで悲観ムードは強まらないと予想していた。しかし、プラスで終えたのは驚きだ。当面は9月FOMC(9/17~18)に向けて米国の利下げへの期待が高まりやすく、グローバル株式市場の一定の下支えになると考える。きのうの同欄では、日経平均はテクニカル的に5日線と25日線に挟まれており、ブレークした方向に大きく振れる可能性があると指摘した。きょうは5日線(20611円)、終値(20649円)、25日線(20665円)と、測ったかのように2つの線の間に収まっており、一段と煮詰まった状態にある。早晩大きな動きが出てくると準備しておいた方が良い。香港市場では一部メディアが逃亡犯条例を撤回すると報じたことを受け、ハンセン指数が急伸している。米株先物も強い動きとなっており、欧州市場も初動は強い。25日線上方ブレークへのお膳立てが整いつつあり、上がりも下がりもしない退屈な相場が一変する可能性もあるとみる。
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