明日の戦略-日経平均は上昇も新興2市場は安値引け、外需は決算期待が後退か

2019/10/10(木) 16:44
 10日の日経平均は反発。終値は95円高の21551円。米国株は米中閣僚級協議の進展期待から上昇したものの、朝方には次官級協議の不調が伝わったことから、序盤は横ばいスタートから下を試す展開。しかし、協議進展を期待させる材料もいくつか出てきたことから一転買いが入って上げ幅を広げるなど、前場は関連報道を受けて荒い動きとなった。一方、後場は値動きが落ち着き、21500円近辺でのもみ合いが続いた。東証1部の売買代金は概算で1兆8100億円。業種別では海運や証券・商品先物、化学などが上昇している一方、保険やその他製品、サービスなどが下落している。レアジョブが後場に一時ストップ高となるなど大幅上昇。JR東日本が同社の研修システムを採用したとの発表が買い手がかりとなった。半面、ハブが後場に入って下げ幅を拡大。台風の影響で週末のラグビーワールドカップ2試合の中止が決定されたことが嫌気された。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり595/値下がり1458。半導体株が強く、信越化学やSUMCO、アドバンテストが大幅上昇。決算を材料にイオンやウエルシアHDが急騰した。吉野彰氏のノーベル化学賞受賞を材料に旭化成が商いを伴って上昇。古河電池や田中化研などがリチウムイオン電池関連として買いを集めた。バンナムHDがTOBを発表した創通はストップ高比例配分。無電柱化関連として買いを集めているイトーヨーギョーは連日のストップ高となった。一方、任天堂やOLC、太陽誘電などが軟調。公正取引委員会が飲食店情報サイトの実態調査を始めたとの報道を受けて、カカクコムやぐるなびが大幅安となった。決算が失望を誘ったコジマや月次が弱かったアマガサは急落。AIクロスが買い先行から失速して3%超の下落となったほか、レオクランやPSOLなど直近上場株に大きく売られる動きが見られた。  日本株は米中交渉絡みの材料に振り回される展開。日経平均は上昇したものの、値下がり銘柄は多かった。TOPIXは下落しており、マザーズ指数とジャスダック平均は安値引けと、日経平均だけが強かったとも言える1日。あすも関連のニュースが出てくれば、それに大きく振らされる地合いが続くだろう。米中協議に関しては結局のところ、トランプ大統領がその内容をどう評価するか、10月1日から15日に延期した対中制裁関税を予定通り実施するのか否かが焦点で、それはあすの東京市場ではおそらく判明しない(初日で物別れになるという悲観シナリオはあり得る)。そのため、ポジティブなニュースが出てきても、楽観一辺倒に傾く展開にはならないと考える。  引け後に発表された安川電機の上期決算では、通期の営業利益見通しが465億円→250億円(前年同期比50%減)に引き下げられた。下方修正自体は市場では織り込み済みで、修正数値も上期の着地(125億円)の2倍と無理のない計画には映る。ただ、1Qの利益が72億円であったことを考えると2Qの伸び悩みは顕著で、これで悪材料出尽くしと捉えられるかは難しいところ。同社の業績も米中交渉次第という側面はあるが、半導体以外の外需に関しては、楽観的な見方が後退する可能性がある。
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マーケットデータ
日経平均 37,934.76 +306.28
TOPIX 2,686.48 +22.95
グロース250 644.61 +4.49
NYダウ 38,239.66 +153.86
ナスダック総合 15,927.90 +316.14
ドル/円 156.56 +0.92
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