明日の戦略-好材料に素直に反応して3桁上昇、来週は底堅い展開か

2019/11/15(金) 16:56
 15日の日経平均は3日ぶり反発。終値は161円高の23303円。小動きの米国株を受けて、序盤は前日終値近辺での一進一退。しかし、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が中国との貿易協議が合意に近づいていると表明したことが伝わったことから、買いの勢いが強まった。幅広い銘柄に買いが入り、指数は上げ幅を3桁に拡大。23300円台に乗せた後は、週末を前に値動きが落ち着いたが、後場に入っても強い基調が崩れることはなく、高値圏を維持した。東証1部の売買代金は概算で2兆2200億円。業種別では全33業種中、31業種が上昇。騰落率上位は水産・農林、パルプ・紙、海運、下位は石油・石炭、鉱業、その他製品となった。中国市場への進出を発表したWASHハウスが後場急騰してストップ高。半面、今期が大幅な減益計画となったスプリックスが急落した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1711/値下がり370。東京エレクトロンや太陽誘電、SCREENなどハイテク株が大幅上昇。上期の最終増益が好感された日本郵政が商いを伴って5%超上昇した。上方修正を発表したスルガ銀行やKADOKAWAが急伸し、三桜工業やレアジョブはストップ高。アドベンチャーは1Qは営業減益も大幅な増収が好感されてストップ高まで買われた。一方、ZOZOが連日の大幅安。きのう統合観測を受けて急騰したLINEとZHDがともに大きく売られた。下方修正を発表した奥村組やペッパーフードが急落。前期計画未達のキャリアや、9月決算の発表が遅れていると報じられたMTGはストップ安まで売られる場面があった。  日経平均は3日ぶり反発。きのうまでの弱い流れや昨晩の海外動向からはさえない展開が想定されたものの、場中に出てきた好材料に素直に反応して強い動きを見せた。週末値は23303円と、今週は23500円より上の買いづらさが意識された割には比較的値を保った。5日線(23323円、15日時点)には若干届いておらず、来週は早々に同水準を上回ることができるかが注目される。業種別の週間騰落を見ると、上位は上から水産・農林、証券・商品先物、倉庫・運輸、精密機器、情報・通信で、下位は下から石油・石炭、ゴム製品、鉱業、非鉄金属、電気・ガスとなっている。総じて内需が強く、市況関連が売られている。米中交渉に関して、少し前に話が出てきたように関税撤廃の方向で進むのであれば、下位業種の巻き返しがあるだろう。しかし、合意でも条件付きなどの内容であったり、そもそも進展がないようであれば、目先は内需の相対優位性が高まると予想する。 【来週の見通し】  底堅い展開か。決算発表が一巡し、日米ともあまり材料は多くない。10月開催のFOMC議事録公表(20日)が注目イベントではあるが、今週、パウエルFRB議長の議会証言を無難に消化していることから、新たな材料にはなりづらい。米中交渉関連のニュースには引き続き神経質な反応を示すと考える。ただ、日本株は今週、交渉難航の可能性なども織り込みつつクールダウンしている。日経平均の23000円より下では押し目を待っている投資家も多いと想定されるだけに、交渉決裂などのネガティブシナリオとならない限りは、大崩れはないだろう。3月決算企業の中間配当支払いによる再投資期待も高まりやすく、下値は堅く、好材料が出てくれば上を試しやすい地合いが続くと予想する。 【今週を振り返る】  軟調となった。週前半に年初来高値を更新したものの、急ピッチの上昇に高値警戒感も強まる展開。米中交渉が難航しているとの報道や、香港情勢の緊迫化、中国の経済指標の悪化、円高進行などが楽観ムードを冷やした。指数は直近高値から500円以上下落し、調整色が強まった。しかし後半にかけては、米中交渉に関する好材料も出てきたことから値を戻した。物色では企業再編や提携に関するニュースが多く出ており、LINEやZHD、西芝電機、福島銀行などが大賑わいとなった。日経平均は週間では約88円下落し、週足では陰線を形成した。 【来週の予定】  国内では、10月首都圏マンション販売(11/18)、10月貿易収支(11/20)、9月全産業活動指数(11/21)、10月全国消費者物価指数、G20外相会合(名古屋、~11/23)(11/22)がある。  企業決算では、東京海上、SOMPOHD、MS&AD(11/19)がある。  海外では、米11月NAHB住宅市場指数、米9月対米証券投資(11/18)、米10月住宅着工件数(11/19)、FOMC議事録(10/29~10/30開催分)(11/20)、米11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月景気先行総合指数、10月中古住宅販売(11/21)などがある。  米企業決算では、ホームデポ(11/19)、ターゲット、ロウズ・カンパニーズ、エル・ブランズ(11/20)、メ―シーズ、ギャップ(11/21)が発表を予定している。
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