明日の戦略-終日静かな展開、FOMCは要注目も様子見相場は継続か

2019/12/11(水) 16:27
 11日の日経平均は続落。終値は18円安の23391円。米国株の下落を受けても上昇して始まったが、上値は重く早々にマイナス転換。ただ、大きく売り込む動きも見られず、小幅安での時間帯が長く続いた。後場は一段とこう着感が強まり、前場の高安の範囲内での小動きに終始した。終盤にかけては値を戻す動きが見られたものの、プラス圏には届かず、小幅な下落で取引を終えた。東証1部の売買代金は概算で1兆9200億円。業種別では水産・農林、電気・ガス、鉄鋼などが上昇した一方、海運、その他製品、銀行などが下落している。資本提携に関するリリースが好感されたソレイジア・ファーマに買いが殺到しており、ストップ高比例配分。半面、3Qの営業赤字幅が前年同期比で拡大したアマガサが大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり677/値下がり1379。SUMCOやZHDが大幅上昇。公募株の受渡期日を迎えたエア・ウォーターが商いを伴って上昇した。物色がややディフェンシブ寄りとなる中、大阪ガスや北海道ガスなどガス株に強い動きが見られた。決算が好感されたグッドコムアセットが急伸し、1Q大幅増益のSYSがストップ高まで買われた。一方、日立や任天堂、キーエンス、花王などが軟調。長期金利の上昇が意識される中、三井不動産や住友不動産など大手不動産株が売りに押された。モノタロウは11月の月次が失望を誘って大幅安。下方修正発表のベステラや1Q営業減益のシルバーライフが急落した。上場2日目で初値をつけたALiNKは後場にストップ高をつける場面もあるなど上値を伸ばす展開。本日マザーズに新規上場したマクアケは高い初値をつけた後も買いが続き、売買代金はトヨタを抜いて全市場で5位(ETFを除く)と大商いとなった。  日経平均は小幅安。商いも薄く、方向感に欠ける地合いが続いた。あすはFOMCの結果公表やパウエルFRB議長の会見を受けた米国市場の動向が注目される。ただ、今回は利下げは見送りが濃厚で、市場の織り込みも進んでいる。トランプ米大統領がFRBの施策をあまり評価していないため、サプライズなしでは下に振れる展開も想定されるが、結局のところ、米中協議に進展があるかどうかが市場の最大の注目点。まだこの先に英国の選挙やECB理事会なども控えており、FOMCを通過した後も様子見姿勢の強い地合いは続きそうだ。初動反応で大きめの動きが出てきたとしても、落ち着いた行動を心掛けたい。為替動向が特に注目される。今週に入ってからは基調としては円安で、日本株を下支えしている。この時点でFRBが利下げを見送ったからといって、それをタカ派と捉えてドル高・円安が進むかは微妙だが、少なくとも足元の緩やかな円安基調が維持されれば、日本株の大崩れはないと考える。
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