明日の戦略-前週の下げをきっちり戻す、来週は期待と警戒が交錯か

2020/02/07(金) 16:43
 7日の日経平均は4日ぶり反落。終値は45円安の23827円。米国株は上昇したものの、前日までと比べると値動きは落ち着いたことから、寄り付きは小幅高。ほどなく下落に転じると、新型肺炎拡大報道などを嫌気して下げ幅を3桁に広げた。ただ、押し目では買いが入って早々に切り返すと、前引けにかけては前日終値近辺まで値を戻した。後場は若干水準を切り下げて始まった後は動意薄の展開。米雇用統計の発表を前に様子見姿勢が強まり、小幅安でのもみ合いが続いた。東証1部の売買代金は概算で2兆3900億円。業種別では騰落率上位は情報・通信、医薬品、不動産、下位はその他製品、繊維、空運となった。3Q累計の利益が通期計画を超過したクレディセゾンが後場プラス転換から上げ幅拡大。半面、下方修正と減配を発表した旭化成が後場マイナス転換から大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり678/値下がり1409。米アクティビストのエリオットによる株式取得が好感されたSBGが7%超の上昇で5000円台を回復。上方修正を発表したオリンパスは10%近い上昇となった。決算や自己株取得が好感されたアルペンやTBSHDが大幅高。新型コロナウイルスの検査試薬増産観測が報じられたタカラバイオが商いを伴って急伸し、カイノスやPSSなどにも思惑買いが入った。日本や中国で新型肺炎感染拡大に関する報道が出てきたことから、川本産業やアゼアスなどが値を飛ばした。一方、決算が失望を誘った富士フイルムやテルモが大幅安。下方修正を発表したUTグループやツクイスタッフが厳しい下げとなった。横浜に着岸中のクルーズ船内で感染被害が拡大していることを材料に、クルーズ船予約サイトを展開するベストワンドットコムが急落。きょう新規上場のコーユーレンティアは高く始まった後は売りに押された。ジモティーは買い殺到で初値は持ち越しとなった。  日経平均は先週、週間で622円下落したが、今週は622円上昇しており、きっちり前の週の下げ分を取り戻した。先週崩れたところからさらに下を試したものの、26週線(22725円、7日時点、以下同じ)は割り込まずに反転し、週末値(23827円)では13週線(23626円)を上回った。週足のローソク足では実体の長い陽線を形成しており、先の上昇への期待を高めている。一方、物色面ではやや気になる動きも見られた。先週は上方修正を発表したアドバンテストと下方修正を発表したSCREENがどちらも急落。今週の動向が注目されたが、SCREENは一定程度の戻りを見せたものの、アドバンテストは全体の上昇に乗り切れず今週も下落した。ほかに物色対象が多かったため、決算を消化した銘柄には注目が向かなかったということもあるが、高値圏にある銘柄は、この先、全体がさらに上を試した場合でも換金売りの対象となる可能性があるとみておいた方が良いかもしれない。逆にコツンと底を打ったように見える銘柄の数は多くなっており、順張りよりも逆張りに妙味があると考える。 【来週の見通し】  もみ合いか。日経平均は今週の上げ方が鋭角的であったため、一定の反動は想定しておく局面。節目の24000円は超えられなかったため、同水準近辺では戻り売りも出てくるだろう。東京市場は火曜が休場で手掛けづらさもある。決算発表も来週で一巡するため、週後半にかけては市場エネルギーの低下も懸念される。一方、今週の値動きが良かったことから、多少の悪材料には耐性を示す可能性が高い。米国株は主要3指数が史上最高値を更新するなど基調が非常に強く、上海株も再開後は落ち着いた動きが続くなど、外部環境は良好だ。今週がやや出来すぎの上昇の感がある分、来週は上値が重くなるとみるものの、下値も堅いと考える。 【今週を振り返る】  堅調となった。週初は春節休場明けの上海株が大幅安となったことで売りに押されたが、その上海株が水準を切り下げた後は持ち直したことから、過度な警戒が和らぐ展開。中盤以降は米国株が連日で強い動きとなったことから、買い戻しが加速した。これまで派手な動きを見せていた新型肺炎関連株が急落したことも、市場が冷静さを取り戻したとの見方を強め、決算を材料に個別の物色が活況となった。6日には全面高となる中で東証1部の売買代金が3兆円台に乗せるなど商いも膨らんだ。節目の24000円を前にしては戻り売りが上値を抑えたものの、週間では大幅高となり、調整一巡感が強まった週となった。日経平均は週間では約622円の上昇。週足では3週ぶりに陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、1月景気ウォッチャー調査(2/10)、1月工作機械受注(2/12)、1月企業物価指数(2/13)がある。  企業決算では、三菱地所、東レ、日清食HD、博報堂DY、石油資源、ショーボンド、熊谷組、森永菓、ユーグレナ、みらかHD、大幸薬品、ISID、Dガレージ、日製鋼、ハーモニック、栗田工、平和、ホシザキ、日東工、ホトニクス、Vテクノロジー、アイフル、JR九州、サンドラッグ、東急不HD、飯田GHD(2/10)、ソフトバンクG、ダイキン、SMC、ルネサス、国際帝石、近鉄GHD、シマノ、東急、大林組、鹿島、ヨコオ、安藤ハザマ、GMOPG、ケネディクス、ロート、東和薬品、東海カ、JFEHD、三井金、三菱マ、DOWA、リンナイ、荏原、日信号、ピアズ、サイババズ、ライフネット、ヤマハ発、シチズン、タカラトミー、凸版印、テーオーシー、スターツ、GMO、カネカ、アドベンチャ、サンリオ、ユー・エス・エス(2/12)、アサヒ、大和ハウス、ユニチャーム、日産自、楽天、JXTG、サントリーBF、住友不、日ペイントH、日清紡HD、クラレ、ピジョン、東亜合成、メニコン、NIPPO、協エクシオ、日揮HD、宝HD、マクドナルド、マツモトキヨシ、すかいHD、ネクソン、ラクス、昭電工、応化工、電通G、スペースマーケ、そーせい、ペプチド、サイボウズ、ライオン、タカラバイオ、メドピア、THK、アルバック、ネットワン、BUYSELL、三菱Uリース、ソニーFH、京急、セイノーHD、SUMCO、トリドールHD、BASE、ジャストシステ、ウェルビー、コスモエネHD、マブチ(2/13)、リクルートHD、日本郵政、ゆうちょ、かんぽ、東京海上、MS&AD、大塚HD、クボタ、キリンHD、第一生命、東芝、TOYOTIRE、DMG森精、コクヨ、光通信、住友ベ、浜ゴム、東映、パーソルHD、山崎パン、インフォマート、オープンハウス、ALBERT、Chatwork、ギフティ、フリー、メドレー、沢井製薬、ポーラオルHD、出光興産、日機装、堀場製、ブランディン、サイバダイン、MTG、アシックス、T&DHD、上組、アサヒインテック、PKSHA、カオナビ、アウトソシング、ランディックス、ユニゾHD、ユニバーサル、SOMPOHD(2/14)などが発表を予定している。  海外では、中国1月生産者物価指数、中国1月消費者物価指数(2/10)、パウエルFRB議長が米下院で議会証言、米大統領選挙予備選(ニューハンプシャー州)(2/11)、米1月財政収支(2/12)、米1月消費者物価指数(2/13)、米1月小売売上高、米1月鉱工業生産指数、米12月企業在庫(2/14)などがある。  米企業決算では、シスコシステムズ、アプライド・マテリアルズ(2/12)、ペプシコ、AIG(2/13)などが発表を予定している。
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