明日の戦略-新型肺炎への警戒が再燃し週間下落、来週は上値の重い展開か

2020/02/14(金) 16:32
 14日の日経平均は続落。終値は140円安の23687円。中国で新型肺炎の感染者数が拡大したことを嫌気して米国株は下落。これを受けて寄り付きから3桁下落となり、一気に下げ幅を200円超に広げた。23600円は割り込まず、売り一巡後は下げ渋ったものの、週末でもあり、戻りは限定的。後場寄り直後に23700円台前半できょうの高値をつけた後は売り直され、引けまで低空飛行が続いた。東証1部の売買代金は概算で2兆4000億円。業種別ではゴム製品、電気・ガス、情報・通信などが上昇した一方、鉄鋼、陸運、パルプ・紙などが下落している。前19.12期の利益が従来計画を上振れ、今期は増益見込みとなったDICが後場急騰。半面、今期は大幅減益計画のDMG森精機が後場に大きく値を崩した。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり674/値下がり1394。決算の見栄えは悪かったものの、業績底打ち期待が高まったSUMCOが急伸。売買代金は全市場で2位(ETFを除く)と市場の注目を大きく集めた。次いで3位となったのがネットワンシステムズで、通期純利益の下方修正で目先の悪材料出尽くし感が強まり、15%超上昇した。決算を発表した楽天や東芝が大幅上昇。新型肺炎リスクが改めて意識される中、重松製作所や興研などが物色された。BMLは厚労省から新型コロナウイルスの検査を受託すると発表したことを材料に値を飛ばした。一方、下方修正を発表した日産自動車が9%超の下落で昨年来安値を更新。期末を無配としたことも大きな失望を誘った。ソースネクストも下方修正が嫌気されて急落。すかいらーくやバリューHRが決算で売られ、1Q大幅減益のLIFULLはストップ安をつける場面もあった。今期が大幅な減益計画となったファインデックスはストップ安比例配分と売りが殺到した。  日経平均は3桁の下落。米株先物がしっかりとした動きを見せる中でもさえない地合いが続いた。きょう下げたことで週間でも下落。結局今週は、新型肺炎の影響を克服したような動きが一時見られたものの、終わってみればこの問題の根の深さを強く印象づけられた。本日、カメラ映像機器工業会は2月27日からパシフィコ横浜で開催予定であったカメラや関連機材の展示会である「シーピープラス2020」の開催中止を決定した。今後も大型のイベントが開催取りやめ、もしくは縮小となるリスクがあり、こういった動きが各地で出てくれば、経済活動もシュリンクする。そうなると、新型肺炎とはあまり関係がないと思われていた企業などにも悪影響が出てくる可能性があり、注意が必要だ。目先は関連報道に一喜一憂が続きそうで、物色は短期志向が強まり、個別の値動きも荒くなると考える。予想と逆に振れれば素早く撤退するなどフットワーク軽く動くか、どっしり構えて急落銘柄を丹念に仕込むか、スタンスは明確にしておきたい局面だ。 【来週の見通し】  上値の重い展開か。決算発表が今週で一巡するため、東京市場は材料難となる。月曜17日の米国市場は休場(ワシントン誕生記念)となるが、足元では米国株の強さが日本株を下支えしているため、営業日が1日少ないことはその分、上げづらい地合いになると考える。米国では、2月のNY連銀景気指数やフィラデルフィア連銀景気指数、1月の景気先行指数などが注目される。これらを材料に米国株の堅調が続くようなら、日本株が連れ高する展開も期待できるが、米国株が崩れた際には、一気にリスク警戒ムードが強まりやすい点にも注意を払っておくべきだろう。国内では19日に1月の訪日外客数が発表される。新型肺炎への警戒が高まったタイミングで出てくる指標のため、通常以上に大きな反応が出てくる可能性がある。今回の決算発表では厳しい内容のものが多かったため、新型肺炎への懸念がくすぶる中では業績底打ち期待は高まりづらい。日経平均も今週、24000円の壁に阻まれており、売り圧力が強まりやすいと考える。 【今週を振り返る】  軟調となった。東京市場は4日立ち合い。週初は前週の大幅高の反動で売りに押されたが、その後、新型肺炎の収束期待が高まり、米国株に強い動きが見られたことから値を戻した。好材料が続出したソフトバンクGの急伸も指数の上昇に一役買った。しかし、中国で新型肺炎の感染者数が急増したと伝わったことから、13日は米主要3指数の史上最高値更新を受けても日経平均は下落するなど、楽観ムードが急速に冷え込んだ。米国株も後半には失速したことから、週間でも下落した。日経平均は週間では約140円の下落となったが、週初の発射台が低く、週足では2週連続で陽線を形成した。 【来週の予定】  国内では、10-12月期GDP速報値、1月首都圏マンション発売(2/17)、12月機械受注、1月貿易収支、1月訪日外客数 (2/19)、1月全国消費者物価指数(2/21)がある。  企業決算では、ブリヂストン、洋インキHD、清和中央、フィスコ(2/17)、トレンド、佐渡汽(2/18)、RED、AOITYO HD、JHD(2/19)などが発表を予定している。  海外では、独2月ZEW景況感指数、米2月NY連銀景気指数、米2月NAHB住宅市場指数(2/18)、米1月生産者物価指数、米1月住宅着工件数、FOMC議事録(1/28~1/29開催分) (2/19)、米2月フィラデルフィア連銀景気指数、米1月景気先行指数(2/20)、米1月中古住宅販売(2/21)などがある。  米企業決算では、ウォルマート、デボン・エナジー(2/18)などが発表を予定している。  なお、2/17の米国市場はワシントン誕生記念日の祝日のため休場となる。
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