明日の戦略-感染拡大懸念から大幅安、週末を前に下値模索が続くか

2020/03/26(木) 16:29
 26日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は882円安の18664円。東京で新型肺炎の感染が急拡大したことに加えて、米国市場が終盤にかけて失速したことから、スタートから大幅安。300円超下げて始まった後も売りが続いた。外出抑制期間が長期化するとの警戒からレジャー株や小売株が売り直される一方、マスクや防護服など感染防衛関連銘柄が派手な動きを見せた。後場は方向感に欠ける展開となったが、指数寄与度の大きいファーストリテイリングやソフトバンクGが一段と下を試す流れとなったことで、終盤にかけては下げ幅を4桁に広げる場面もあった。東証1部の売買代金は概算で3兆3000億円。業種別ではパルプ・紙や水産・農林、保険などが上昇した一方、鉄鋼や海運、不動産などが大幅安となった。NTTとの資本業務提携を手掛かりにゼンリンが後場に入ってプラス転換。半面、東京だけではなく神奈川、千葉、埼玉でも外出自粛が検討されていると伝わったことから、OLCが大幅安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり897/値下がり1226。感染防止に絡む銘柄が軒並み跳ねており、ダイトウボウ、川本産業、興研、アゼアスなどがストップ高。テレワーク需要が一段と高まるとの思惑からブイキューブが急騰した。主力どころではドコモとNTTが大幅上昇。上方修正を発表したアクセルが買いを集めた。一方、指数の下押し役となったソフトバンクGが9%安で、ファーストリテイリングに至っては13%安。アドバンテストや村田製作所、東京エレクトロンなどハイテク株が弱く、外出抑制による業績懸念から、レジャー株のイオンファンタジーやラウンドワンが2桁の下落率となった。下方修正を発表したTDKや丸紅が急落。継続疑義の注記がついたペッパーフードサービスとダブル・スコープはストップ安となった。本日新規上場のサイバーセキュリティクラウドとアディッシュはどちらも高い初値をつけたが、その後はサイバーがストップ高でアディッシュは安値引けと明暗が分かれた。  日経平均は大幅安とはなったが、下げ幅(882円)は前日25日の上昇分(1454円)の範囲内にとどまった。ファストリとSBGの下げが大きく、値上がり銘柄数は結構多い。また、業種別では序盤では全面安であったところから、最終的には4業種(パルプ・紙、水産・農林、保険、電気・ガス)がプラスに転じた。直近で全体の反転が見られたことで、リスクオフムードが強まっても、その中で買えるものをアグレッシブに物色していこうという動きは随所に見られた。あすは行動自粛要請のかかった週末を前に、買いは手控えられやすい。マスク株などには短期勝負と割り切った資金が向かうだろうが、全体としてはもう一段の下げはあるとみるべき。それでも今週は、よほどのことがない限りは週間上昇では終われそうで、底打ちへの期待は高まっている。5日線が17948円(17948円、26日時点)に位置しており、これをサポートに18000円台を維持できるかに注目したい。
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