明日の戦略-連休明けも日本株の底堅さは健在、IPOがリスク許容度を一段と高めるか

2020/09/23(水) 16:14
 23日の日経平均は小幅反落。終値は13円安の23346円。東京市場が休場の間に米国株が大きく売られたことを受けて、3桁下落からのスタート。前場では200円超下げる場面もあったが、大きく押したところでは買いも入って持ち直した。後場は菅首相と黒田日銀総裁の会見が伝わったことなどから下値不安が和らぎ、下げ幅を縮める展開。逆行高となったマザーズ指数が一段と上げ幅を広げるなど新興市場にはアグレッシブな資金が向かう中、日経平均も終盤にかけて急速に値を戻した。引け間際には一時プラス圏に浮上したが、終値では若干のマイナス。大幅高となったマザーズ指数は終値で1200p台を回復し、連日で年初来高値を更新した。東証1部の売買代金は概算で2兆7600億円と高水準。業種別では陸運や小売、海運などが上昇している一方、鉱業や鉄鋼、非鉄金属などが下落している。抗インフルエンザ薬「アビガン」に関して、10月中にも製造販売の承認を申請すると発表した富士フイルムが後場急伸。半面、米国株の不安定な動きが続く中、ソフトバンクGが大きめの下げとなった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり732/値下がり1367。4連休の旺盛なレジャー需要が多くのメディアで報じられたことから、JR西日本や小田急電鉄など鉄道株の多くが大幅上昇。東京エレクトロンやディスコ、日本電産などハイテクの一角に強い動きが見られた。TOB観測を材料にDCMHDが急伸し、島忠がストップ高比例配分。プラズマを利用した異種金属接合技術を開発したと発表した東邦金属もストップ高比例配分と、好材料のある銘柄には資金が集中した。一方、休場の間の米国の自動車株が弱かったことから、ホンダや日産自動車、スズキが大幅安。国際帝石や日本製鉄、日本軽金属HDなど市況関連株が大きく売られた。業績関連のリリースが失望を誘ったラサ商事や第一稀元素化学工業が急落。営業赤字の可能性を含んだ今期見通しが嫌気されたポートはストップ安となった。  日経平均は後場に大きく持ち直して13円安。休場の間に海外ではキナ臭い材料がいくつか出てきたにもかかわらず、安値は23154円までで23000円も割り込まなかった。マザーズ指数に至っては連日の高値更新で、海外市場の軟調はどこ吹く風。日本株の底堅さは大型連休が明けても健在であった。あすはマザーズにトヨクモ、ジャスダックにまぐまぐとグラフィコの計3銘柄が新規に上場する。足元では大型株に比べて新興市場の動きが良くなっており、IPO環境は良好。8月上場銘柄が跳ねたこともあり、9月の銘柄への期待も高まる。ここからしばらくはIPOが多いことから、ニューカマーが投資家のリスク許容度を高め、全体市場にも好影響を与える展開に期待したい。
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