明日の戦略-指数は大幅高も値下がり銘柄は多い、イベント集中で目先は波乱含み

2021/01/19(火) 16:43
 19日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は391円高の28633円。米国が休場で新たな手掛かりには乏しかったが、寄り付きから3桁の上昇。すぐに28500円台に乗せたことから、直近の下げに対する買い戻しが加速し、前場のうちに上げ幅を400円超に広げた。後場は高値圏で値動きが落ち着いた。500円近く上げて28700円台に乗せたところでは値を消す場面もあったが、引けにかけては改めて買いが入り、400円近い上昇で取引を終えた。大型株に資金が回帰したことからマザーズからは資金が流出。マザーズ指数は後場に持ち直したものの、下落で終えた。  東証1部の売買代金は概算で2兆1900億円。業種別ではゴム製品や電気・ガス、空運などが上昇した一方、鉱業や精密機器、倉庫・運輸などが下落している。日経新聞の資金調達に関する特集記事を手掛かりに、プレイドが一時ストップ高となるなど急騰。半面、エムスリーは時価総額が1年で3倍になった企業として日経新聞で大きく取り上げられたが、株価が高値圏にあったこともあり、利益確定売りに押されて逆行安となった。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり912/値下がり1187と値下がり銘柄の方が多かった。スマホを使った決済サービスに参入すると報じられたファーストリテイリングが大幅上昇。東京エレクトロンやレーザーテックなど半導体株が買いを集めた。円高に一服感が出てきたことから自動車株が総じて強く、契約社員を正社員に登用すると報じられた日産自動車は4%近く上昇した。3Q速報値の内容が良かった丸三証券や水戸証券が急伸。旬の野菜の宅配に乗り出すことを発表したワタミが大幅高となった。  一方、米国事業が逆風と日経新聞で報じられたメルカリが5%を超える下落。BASEやAIインサイドなど、マザーズの主力の一角が売りに押された。前期は営業赤字となったネクスGが急落。通期の利益見通しを引き上げたゲンキーは買いが先行したものの、売上高見通しを引き下げた点が重石となって下げに転じた。ほか、神戸物産、ワークマン、西松屋チェーンなど、業績期待の高い小売株の動きがさえなかった。  日経平均は大幅上昇。ここから先は、今晩19日にイエレン次期財務長官の承認公聴会、20日にバイデン新大統領の就任式、21日に黒田日銀総裁とラガルドECB総裁の会見が控えており、これらを全部消化しても下げ続けるというのは想定しづらかった。それだけに、切り返してくれば追随買いは入りやすいタイミングではあったが、米国株の反転を確認する前に、直近2日間の下げの大半を埋めてきたのは驚きだ。  ただ、日経平均が400円近く上げた日に東証1部の値下がり銘柄数が4桁というのは、かなり違和感がある。上述したように今週はこの先に注目イベントが多く、指数の乱高下はまだ続くとみておいた方が良さそう。14日の高値28979円を超えてくれば景色が変わってくるだけに、そういった動きが見られるか、また下に振れた場合には、きょう上回った5日線(28509円、19日時点)がサポートになるかに注目しておきたい。  なお、来週は主力大型株の決算を材料に業績相場に突入する。きょうエムスリーが特集記事で上がらなかったことや、マザーズでBASEが大幅安となったところをみると、PERで説明のつかない水準まで買われている銘柄に関しては、将来期待が高くてもいったんは敬遠される可能性がある。
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