明日の戦略-3月相場に向け重要な週、月末の下げは続くか

2021/02/19(金) 16:52
 19日の日経平均は3日続落。終値は218円安の30017円。3万円の大台を割り込んで寄り付いたが、早々に3万円台を回復。ただ買いは続かず、前場のうちに3万円を再び下回った。日銀によるETF買い入れ見送り観測の台頭が売りを誘い後場は下げ幅を広げて始まったが、安値(29847円)後は持ち直して3万円台を維持して引けた。    東証1部の騰落銘柄数は値上がり590 /値下がり1521。売買代金は概算で2兆4600億円。業種別の値上がりは、海運、パルプ・紙、精密機器のみ。値下がりでは、鉱業や空運、陸運、石油・石炭、証券などが目立った。  個別で目立った騰落では、世界初の特許出願技術「医療用生体内溶解性高純度マグネシウム材料」を開発したと発表した日東精工がストップ高で値上がり率トップとなり、アトラやKeePer技研、日本通信などが上位を占めた。また、データ活用人材育成サービスの公開講座と企業研修の合計受講者が5万人を突破したと発表したブレインパッドが7%高と大幅反発となった。決算発表したDICは今期最終益51%増見込むもコンセンサス下回り後場下げ幅を拡大する場面もあったが、結局はプラスで終えた。  一方、前日4.5%上昇したファーストリテイリングが2.4%の下落率となり、1銘柄で日経平均を94円分押し下げた。値下がり上位では、マネーパートナーズGやマネックスG、T&Gニーズなど直近まで大幅に上昇した銘柄への売りが強まった。スクロールやギフティが利益確定売りの押されたほか、証券会社の投資判断引き下げなどもありシャープが軟調に推移した。 【来週の見通し】  材料難の中で戻り売りに押される地合いとなりそうだ。来週も大きなイベントはなく、米国市場に神経質な展開が予想される。  日経平均は週足終値で3万円台を保った。5日線(30219円)や2月の上昇トレンドラインを下回ったが、10日線(29785円)上を維持しており上昇基調に大きな変化はない。来週の変化日では10/30安値から基本数値の「76」日後となる22日前後、26日などがある。昨年6月以降、「月末陰線サイクル」がある。6/29、7/31、8/28、9/30、10/30、11/30とピッタリ月末ではない月もあるが、月末はこの半年間、強い陰線が示現してきた経緯がある。12月は大納会から翌月初の1/4にずれる格好となったが、1/29も強い陰線となった。そういった意味でも週末・月末が重複する26日の動向には注意したい。  もう一点、TOPIXの動向がポイントになる。きょうはチャート上でマドを開けて下落する格好となり、10日線を下回って終えた。ローソク足はほぼ十字足に近い足で終えており、「分岐足」として早々に反発に転じ10日線上を回復できるか、それとも高値からの調整幅の「中間」を示唆しているのか、目先の正念場である。後者の場合は1/14高値や25日線付近までいったん調整となろう。  正念場ということでは長期的なフシ目が存在するという点もある。見逃しがちなのは、1993年高値を起点にその後の高値をつないで延長した直線で引ける1本の線である。当面の上値抵抗線になりうる水準で、直近の高値がその付近である。 【来週の予定】  国内の経済指標では、1月企業サービス価格指数(2/22)、1月都区部消費者物価指数、1月商業動態統計、1月鉱工業生産指数、1月住宅着工統計(2/26)などがある。  企業決算では、プラネット(2/22)、和心(2/24)、東和フード、大和コン、はてな、キタック、新東京(2/26)などが発表を予定している。  海外の経済指標では、独2月Ifo景況感指数(2/22)、米12月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米2月消費者信頼感指数(2/23)、米1月新築住宅販売(2/24)、米10-12月期GDP改定値、米1月耐久財受注(2/25)、米1月個人消費支出・個人所得(2/26)などがある。  米企業決算は、ホームデポ(2/23)、エヌビディア、ロウズ・カンパニーズ、エル・ブランズ、ネットアップ(2/24)、ベスト・バイ、セールスフォース・ドットコム(2/25)などが発表を予定している。
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