明日の戦略-米株大幅安を跳ね返し4日ぶり反発、リバウンド相場への備えを

2021/12/01(水) 16:30
 12月に入り1日の日経平均は4日ぶり反発。終値は113円高の27935円。米国株の大幅安を受けても小高く始まると、前場ではいったん28000円台に乗せた後に27500円台まで下落し、そこから切り返して再び28000円台を回復するなど、荒い値動きがしばらく続いた。しかし、次第に買いの勢いが強まり、プラス圏が定着。前引けは200円を超える上昇となり、28000円を上回った。後場は前場で動き疲れたのかのように値幅がさっぱり出なくなり、28000円を挟んだもみ合いに終始した。引けにかけてやや萎んだことから、終値では28000円を下回った。  東証1部の売買代金は概算で3兆2100億円。業種別ではパルプ・紙や海運、機械などが上昇した一方、情報・通信や医薬品、食料品などが下落した。日本政府による経済安全保障戦略を踏まえ、コーポレートガバナンスの適正化に資する内部脅威検知サービスを提供すると発表したエルテスが、後場に買いを集めてストップ高。反面、FRONTEOが連日のストップ安比例配分となり、3日続けてストップ安。新興グロース株には大きく売られるものも散見されており、マザーズ指数やジャスダック平均は下落で終えた。  東証1部の騰落銘柄数は値上がり1368/値下がり751。商船三井によるTOBを材料に、宇徳とダイビルがストップ高比例配分。商船三井も証券会社の目標株価引き上げがあり、3%を超える上昇となった。ファナックがリポートを材料に大幅高。レーザーテック、トヨタ、ダイキン、三井不動産など、主力どころの銘柄に強い動きが見られた。ENEOSと超小型EVシェアリングサービスの共同実証実験を開始すると発表したサンオータスが後場に入って急騰した。  一方、あす月次を発表予定のファーストリテイリングが逆行安。パウエルFRB議長のタカ派的発言で米金利には上昇圧力がかかるとの警戒から、ソフトバンクGが売りに押された。株高でコロナ変異株への過度な警戒が後退する中、川本産業や中京医薬品などマスク関連が急落。はてなは1Q決算が失望を誘って2桁の下落率となった。前日に1万円手前で長い上ヒゲをつけたサイエンスアーツは、利益確定売りが殺到して17%安となった。  日経平均は4日ぶり反発。コロナ変異株を材料とした先週金曜からの下げが、ようやく一服した。28000円台に乗せて終われなかったことは物足りない。ただ、昨晩の米国市場ではコロナ以外にパウエルFRB議長の発言も株売りの材料となっていただけに、これに対するネガティブな反応が限定的であったことは下値不安を和らげる。短期的には、売られ過ぎ感の強い銘柄が一斉に戻してきても良い局面だ。  ここで切り返したとしても、それは日本株や個別企業を評価してではなく、弱気に傾きすぎた分の修正とみておいた方が良い。短期志向の投資家も積極参戦してくるであろうから、一定の戻りを達成した後は、買いが続かなくなるものも出てくると思われる。それでも相場の急変動はトレードのチャンスではある。この下げ局面で買いのアクションを起こすのであれば、難しく考えず「もし大底だったら儲けもの」くらいの感覚で、このタイミングで参戦するのが良さそう。戻すならそのピッチはかなり急になる可能性があり、様子を見てから動くというスタンスだと高値つかみをしてしまうリスクがある。
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