明日の戦略-売りをこなしてプラスで終了、押し目待ちに押し目なし

2024/02/27(火) 16:10
 27日の日経平均は3日続伸。終値は5円高の39239円。米国株の下落を受けても小高く始まり、序盤は上を試しに行った。上げ幅を200円近くに広げて39400円台に乗せたところで買いは一巡したが、萎めば改めての買いが入るなど、しばらくは堅調に推移した。しかし、11時近辺で急速に値を消すと、マイナス転換から一時下げ幅を3桁に拡大。前引け間際に安値をつけた後は下押し圧力が和らいだものの、後場は強弱感が交錯してプラス圏とマイナス圏を行き来した。終盤までどちらに転ぶかわからない状態が続いたが、終値では小幅ながらプラスを確保した。  東証プライムの売買代金は概算で4兆9900億円。業種別では鉄鋼、銀行、機械などが上昇した一方、海運、陸運、小売などが下落している。日立造船<7004.T>が急伸。日経新聞で半導体製造装置に組み込む全固体電池を初めて受注したと報じられ、会社からも内容に沿ったリリースが出てきたことが買い材料となった。半面、東和フードサービス<3329.T>が後場急落。3Q累計では大幅な営業増益となったが、事前に期待買いが入って大きく水準を切り上げていたことから、目先の材料出尽くしが意識された。  東証プライムの騰落銘柄数は値上がり946/値下がり668。鉄鋼株に好材料が多くあり、日本製鉄やJFEHDが大幅上昇。英アームが米株市場で急伸したことを手がかりにソフトバンクGが買いを集めた。劇場版「ガンダムSEED」の興行収入が好調と伝わったことを受けて松竹が急伸。欧米で長期金利が上昇したことから、メガバンクの三井住友のほか、九州FG、西日本FG、じもとHDなど地銀の一角が大きく上昇した。  一方、アドバンテストが大幅安。日経平均が値を崩した際に大きく売り込まれ、その後も低空飛行が続いた。川崎汽船や商船三井など海運株が軟調。「楽天市場」の出店料値上げ観測が報じられた楽天Gが強めに売られた。前日は経営統合観測が出てきたウエルシアとツルハが急伸したが、これによるドラッグストアの競争環境の変化が意識されたか、マツキヨココカラが5%を超える下落。ファイナンスが嫌気された明和産業や瑞光が大幅安となった。  日経平均は3日続伸。一桁の上昇ではあったが、今の日本株の地合いの良さを見せつけられたような1日であった。前引けにかけて急失速したが、史上最高値圏で推移する中では時折不安定な動きが出てくることは仕方ない。下方向に勢いがついて大幅安となることは避けたかったが、後場は前場の安値(39113円)を下回らなかったどころか、きっちり前日比プラスまで戻してきた。きのうに続いて大型半導体株が日本株の足を引っ張っているにもかかわらず、安くなったところでの買い意欲は旺盛であった。39000円より上での値固めが着実に進んでおり、きっかけ一つで上に跳ねる展開が期待できる。TOPIXはきょうの高値が2692.30pまであった。この勢いを切らすことなく、あす次の節目の2700pに乗せることができるかに注目したい。
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